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大河津可動堰環境調査内容について
 大河津可動堰改築事業の実施にあたっては、環境に配慮しながら進めていきたいと考えております。そのためには、大河津可動堰周辺の 環境を把握しておく必要があります。
 そこで、よりよい環境調査を実施するため環境調査の調査項目、調査内容等についてとりまとめた「大河津可動堰環境調査について」を公表し、平成16年5 月26日(水)から平成16年6月9日(水)までの間、みなさまからのご意見をお伺いしたところ、9件のご意見が寄せられました。
 お寄せ頂いたご意見とそれに対する信濃川河川事務所の考え方について、以下のとおり公表いたします。

 
頂いたご意見(一覧)
このページのTOP  公開資料
分類 項目
可動堰周辺の空間利用等 止水空間としての自然学習の利用
公園利用等の回避
過去の調査結果の活用等 洗堰改築時の調査結果の活用
調査範囲等 高水敷及び周辺の生態系調査
分水路の存在を含めた周辺域の生態系についての 調査
動植物・生態系 着工前の調査
工事中の調査
工事竣工後の調査
鳥類 堰上流の中州の保全
 
頂いたご意見の概要と信濃川河川事務所の考え方
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※一部、頂いたご意見をそのまま掲載しています。
■可動堰周辺の空間利用等
●止水 空間としての自然学習の利用
頂いたご意見
 可動堰完成後の周辺の利用については、固定堰の上下流部分は水流の関係から、止水域かそれに近い状態になると想定されます。したがって可動堰完成後は、 上下流部分を「五辺の水辺」(妙見堰下流の左岸)か、淀川の「ワンド」のような止水空間として、河川の自然学習に利用します。
事務所の考え方
 現況の河岸特性を踏まえ検討していきたいと考えています。なお、堰の設置に伴い、その上下流では、堰部分との粗度の違いや堰柱の縮流による流水変化、堰 のゲートからの放流や波浪による洗掘、河床又は河岸の侵食の恐れがあることから、護岸等で必要範囲の対策を行います。
●公園 利用等の回避
頂いたご意見
 旧洗堰跡地は立派な公園になっていますので、可動堰完成後の周辺は、公園・レクリエーション的な利用はしません。
事務所の考え方
 可動堰の周辺利用については、地域の意見等を聞きながら進めていきたいと思います。
 
■過去の調査結果の活用等
●洗堰 改築時の調査結果の活用
頂いたご意見
 平成12年度に洗堰の改築が完了している。施工着手前には同様の環境調査が実施されていたことと思う。施工後4年あまりが経過したが、当時の予測と差異 がなかったのか教えてください。また、問題等があれば、今回はその反省等を生かした調査を行ってもらいたい。
事務所の考え方
 洗堰改築前後には、魚道の調査を実施しています。その結果、洗堰については、位置を変更したものの、機能(放流形式、放流量)は従前にあわせたこともあ り、特に環境面では新たに両岸に3タイプの魚道を設置し、魚類降下遡上に配慮しております。堰完成後においても、毎年魚道の追跡調査を実施しており、従前 から回遊している魚類等の降下遡上が確認され、その機能は十分に発揮されていると考えています。
 
■調査範囲等
●高水 敷及び周辺の生態系調査
頂いたご意見
 大河津分水路の高水敷には耕作地に混じって河畔林が繁茂し、鳥類・昆虫類等の生息場所として大きな機能を果たしている。そして、分水路竣工後80年近く 経ち安定した生態系を形成している。
 このことから、高水敷及びその周辺の生態系について種に着目した調査以外にも、弥彦山周辺の山地、左岸(寺泊方面)の低山帯、周辺の水田といった各々特 性の違う生態空間との関わりを視野に入れた面的な自然環境の把握を行う意義が大きいと思われる。
特に質の違う生態空間同士の関係を把握し、河川区域だけでなく周辺地域全体に対して、工事による影響や供用後の環境変化の影響を評価しておく必要があると 考える。
 また、可動堰左岸側の低水敷については、流速の低下した緩やかな水面を取り囲むように植生(葦原)が繁茂し、生態的な意義が大きい空間であることから、 重点的な調査・保全対象とすることが望ましいと考える。
事務所の考え方
 ご指摘のとおり、河川区域だけでなく周辺地域を把握するため、河川空間を採餌やねぐらの場所等として利用している、行動範囲の広い猛禽類については、周 辺の営巣地等を含む範囲を調査しています。
 また、可動堰左岸側のヨシ原については、広い草地環境に生息する生物の重要な生息地となっていることを踏まえ、調査を進めています。将来の保全措置につ いては、調査の結果を踏まえ、どのように影響を回避又は低減できるか検討していきたいと考えています。
 なお、今回は、可動堰改築に伴う環境影響について検討を行っています。動物・植物・生態系に関して考えられる影響には、堰改築工事及びこれとあわせて実 施する低水路の掘削、高水敷の造成によるものが主に考えられます。したがって、調査の範囲はこれらの影響が想定される河道から堤防までの間を、堰の上下流 の河道特性と同様の特性を有する範囲(与板橋付近から第二床固工まで)としました。
●分水 路の存在を含めた周辺域の生態系についての調査
頂いたご意見
 大河津分水路自体は昭和初期の事業のため、現在では当然行われているはずの調査・評価の段階を経ずに竣工しており、今回の事業を機に再評価を行う意味で も、可動堰改築の影響以上の視点での調査を望みたい。
 この点で特に重要と考えられるのは、分水路による弥彦山周辺の山塊と、寺泊に連なる低山帯との生態系的分断の評価であり、特に周辺を海・分水路・平野部 で囲まれ孤立した弥彦山側(右岸側)の生態系の維持について考慮する必要があると考える。この意味で、動植物・生態系調査については、山地部を対象とした 調査地点を加え、動物・植物の分水路を越えた移動がどの程度阻害されているか実態を把握してもらいたい。
 鳥類・飛翔性昆虫類や、小型の種子を産する植物等は大きな移動の阻害を受けていないと考えられるが、一方、両生類や爬虫類・哺乳類やコシノカンアオイの ような種子の移動性が小さい植物では、移動が困難と考えられる。
 このような実態を把握し、両地域の生態系の連続性を回復させる整備を行う意義は大きいと考える。
事務所の考え方
 今回は、既に現在ある環境を前提として、可動堰改築に伴う環境影響について検討を行うものです。調査範囲の考え方は「大河津可動堰環境調査について」の とおりです。(ご意見の視点は、周辺の弥彦山系の生態系の把握について述べられているものと考えますが、これらの地域の学術的な知見を収集しながら、今後 計画されている大河津分水路の改築段階で、どの程度の調査が必要か検討していきたいと考えています。)
 
■動植物・生態系
●着工 前の調査
頂いたご意見
◆左岸の葦原(草原)の植物の個別種の調査、群落の調査
◆左岸の葦原(草原)の動物の個別種の調査(昆虫類、両生類、爬虫類、哺乳類、鳥類等)
◆左岸の葦原(草原)周辺の水生植物の個別種の調査、群落の調査
◆左岸の葦原(草原)周辺の水生動物の調査(貝類、甲殻類、魚類、水生昆虫類、両生類等)
事務所の考え方
 ご意見のとおり、今回の調査の中では、左岸のヨシ原(草原)の生物の生育・生息基盤としての重要さに注目しており、ヨシ原の植物(個別種及び群落)、動 物、周辺の水生植物及び水生動物の生育・生息状況の調査を行っています。
●工事 中の調査
頂いたご意見
 重要な生物(稀少種の生物等)で工事の影響を強く受ける場合は、工事中の保全措置(例えば一時移転等)のために、場合によっては施工法の簡単な変更のた めに、工事中も必要な調査を実施する。
事務所の考え方
 現在行っている生物の調査結果を踏まえて工事中に必要な保全措置を検討したいと考えています。工事の実施中の調査についても、調査結果及び今後検討する 工事計画を踏まえて、モニタリング調査の必要性及びその内容について検討を行いたいと考えています
●工事 竣工後の調査
頂いたご意見
 可動堰周辺の環境保全の新しい指針を策定するために、工事竣工後においても着工前の調査に準じた調査を実施する。
事務所の考え方
 今回の調査結果及び今後検討を進める改築計画を踏まえて、完成後のモニタリング調査についても、その必要性及び内容について検討したいと考えています。
 
■鳥類
●堰上流の中 州の保全
頂いたご意見
 現在の可動堰上流には中州があり、この中州の周辺の水深の浅い部分に、冬の水鳥(ハクチョウやカモ類)が集まり、市民や愛鳥家の注目の場になっていま す。洗堰が上流に移転したために中州は変化する可能性がありますが、河道計画に支障のない範囲で、保存する価値があると考えられます。
事務所の考え方
 新可動堰及び低水路を河川の中央部に移動させる計画のため、現在の可動堰の直上流の中州は消失することが予想されます。 着工前調査の段階で、中州周辺の冬鳥の生息状況について調査や大河津分水資料館主催のハクチョウ観察会の参加者への聞き取り調査行っております。これらの 調査結果を踏まえて水鳥の生息への影響を予測し、必要な保全措置を検討していきたいと考えています。
国土交通省北陸地方整備局信濃川河川事務 所 計画課 TEL:(0258)32-3245(直通)/大河津出張所 TEL:(0256)97-2121
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