(１) 実施体制
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| (１) |
緊急的な対策を実施する必要があることから、「災害時における北陸地方整備局所管施設の災害応急対策業務に関する協定書」に基づき、（社）日本土木工業協会北陸支部長に出動要請を行った。要請により、東竹沢地区では近隣で施工中の広神ダム本体建設工事（新潟県発注）の特定JVが出動し「芋川河道閉塞緊急対策工事」を実施した。
寺野地区では新潟県からの指示で資機材を運び込み緊急対応にあたっていた（株）本間組が実施した。
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(２) 実施内容
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１）寺野地区
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１） |
周辺の地すべりの監視等を行いながら、a.毎秒0.033トンの排水能力を持つ排水ポンプを16台設置し24時間体制で稼働、b.表面排水路（プレスト管径1.2m、２本、11月21日完了）の整備、c.表面排水路（開水路Ｌ＝106m、12月17日完了）の整備等、を順次行い、点検の後12月17日に表面排水路による自然流下に切り替えた。地すべりの安定性を損なわない範囲で、可能な限り幅広く表面排水路を整備したため、結果として、100年に１度の洪水でも流せる断面になった。プレスト管の設置にあたっては上流湛水の影響により湧水が発生し、計画を見直すこともあった。
また、表面排水路吐口部分の侵食が度々生じ、大きな課題だったが、工事用道路が十分でないため、吐口部の補強にあたっては、生コンクリート等の運搬の際に、生コンクリートを大型土嚢に詰めてキャリヤダンプやヘリで輸送した。
水位低下対策については、下流に悪影響を及ぼさないように、東竹沢地区の緊急対策と調整を図りながら行った。
河道閉塞応急対策計画平面図を図3-12-5、表面排水路の断面図を図3-12-6、応急対策実施状況を写真3-12-11〜14に示す。
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| 図3-12-5 寺野地区における河道閉塞応急対策計画平面図 |
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主な工程
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監視体制の整備
監視カメラの設置：1 箇所 10/30
地すべり移動監視機器等設置 11/ 6
水位計の設置 11/ 8
避難体制の整備
ワイヤーセンサーの設置 11/ 8
応急対策
ポンプ排水（最大16台） 11/ 5 〜 |
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| 写真3-12-11 ポンプ排水の状況（H16.11.12） |
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| 写真3-12-12 表面排水路の設置状況（H16.12.18） |
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| 写真3-12-13 Ｈ16.11.17に完成した表面排水路の呑み口 |
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写真3-12-14 表面排水路吐き口の補強状況（H16.12.13）
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２）東竹沢地区
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東竹沢地区では左岸側に発生した地すべりの監視等を行いながら、a.緊急排水路工（ポンプ排水）、b.仮設排水管（プラヒューム管）、c.仮排水路（開水路）の整備等、を24時間体制で順次行った。
芋川の元河床高は、EL 130m以下、緊急的に整備した越流防止工の高さEL 161mに対して、上流側の水位は、11月17日に最高EL 157.76m（想定湛水量約250万m3）まで上昇した。排水ポンプを活用した緊急排水路工、仮設排水管の整備により、その後、上流水位は、12月20日頃に約144m程度にまで下がり、結果的に雪の降る前に家屋の水没・浸水被害の大きかった木籠集落の方々にもう一度家を見ていただくことが可能になった。
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| a. |
緊急排水路工（ポンプ排水）の整備
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各地方整備局等からも支援を受け、毎秒0.5トンの排水能力を持つ大型ポンプを11月９日から6台、11月18日より12台、24時間体制でポンプを稼働した。水位が上昇する中で、ポンプの排水吐口部分が大幅に侵食され、11月18日未明にポンプホースを旧東竹沢小学校内に移設した。
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| b. |
仮設排水管の埋設 |
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仮排水路掘削に先立ち、上流水位を低下させるため、上流側呑口高155mに、径1.0ｍの排水管５本を河道閉塞させている土砂の中を通して埋設し、12月４日に通水した。この仮設排水管を活用してポンプ排水を行うことで、さらに上流側の水位を下げることができた。 |
| c. |
仮排水路の開削 |
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融雪出水を安全に流下させるための仮排水路を12月28日に完成した。この水路の上流側呑口高さは、地すべり土塊の安定性等を考慮しつつ可能な限り低く決められたものでEL 149.5mである。結果として100年に１度の洪水でも流せる断面になった。
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河道閉塞応急対策計画平面図を図3-12-7、標準断面図を図3-12-8、応急対策実施状況を写真3-12-15〜19、東竹沢地区における水位の動きを図3-12-9に示す。
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図3-12-7 東竹沢地区における
河道閉塞応急対策計画平面図 |
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主な工程
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| 監視体制の整備 |
| 監 |
監視カメラの設置：3 箇所 10/30,11/5,11/24
地すべり移動監視機器等設置 11/18
水位計の設置 11/ 8 |
| 避難体制の整備 |
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ワイヤーセンサー設置 11/ 8 |
| 応急対応 |
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排水ポンプによる排水 11/ 9 〜
河道閉塞部の越流防止工 11/13完成 |
| 融雪期対応 |
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仮排水路掘削のための仮設排水管 12/ 4 完成
仮排水路工 12/28完成
掘削ラインは149.5ｍ |
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| 図3-12-8 東竹沢地区における河道閉塞応急対策標準断面図 |
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| 写真3-12-15 |
| 応急対策工事完成 間近の様子（H16.12.17） |
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| 写真3-12-16 |
| 越流防止工（H16.11.13） |
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| 写真3-12-17 |
| 緊急排水路稼働状況（H16.11.29） |
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| 写真3-12-18 |
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仮設排水管からのポンプ排水状況（H16.12.17） |
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| 写真3-12-19 |
| 仮排水路工<開水路>（H16.12.11） |
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