河川事業概要

黒部川の概要

黒部川水系の概要

流域写真

源流
鷲羽岳 2,924m(北アルプス、富山県・長野県境)
流域面積
682km2
幹線流路延長
85km(内、直轄管理区間20.7km、ダム本川6.2km、支川黒薙川0.7km)
年間総流出量
25億m3
発電出力
902,900kw
流域内市町村
2市3町(富山市・黒部市・立山町・入善町・朝日町)
流域内人口
約2,700人
氾濫区域内人口
約56,900人
直轄事業
昭和9年7月の洪水により昭和12年に国が黒部川の改修計画を全面的に見直し、直轄事業とした。

黒部川の川名ルーツ

クロベの語源はアイヌ語のクンネベツからきているといわれています。クンネとは暗いまたは黒いを意味し、ベツは川を意味しています。
また、魔の川を意味するクルベツによるという説、黒部山奥にあるネズコと呼ばれる常緑針葉樹が生えており、これの別名が黒檜(くろひ)といわれていたためという説もあります。

景勝地等

流域地図
地図をクリックすると拡大図をご覧になれます。

宇奈月温泉
富山県下最大の温泉で泉質は単純泉でリュウマチ、運動器障害、神経痛等に効くと言われています。
黒部ダム
映画「黒部の太陽」で有名なアーチ型ダム。立山連峰をはじめとした雄大な景観が楽しめます。
黒部峡谷
宇奈月温泉から欅平まで黒部峡谷鉄道に乗ってV字谷の渓谷美を楽しめます。猿飛峡や十字峡といった景勝地が有名です。

河川事業概要

黒部川の治水事業の歴史は古く、江戸時代には当時の領主前田氏による治山治水政策をはじめ、明治には富山県がオランダ人技師ヨハネス、デレーケらの指導により改修事業が進められ、その後昭和9年7月、同11年6月とあいつぐ大洪水を契機に、昭和12年直轄事業に指定されました。
しかし、昭和44年8月に既往最大の5,661m3/sという大洪水に見舞われ、昭和50年4月には計画高水流量を6,200m3/sに改定し、また、直轄河川改修区間は、昭和45年に河口より14.3km間に、さらに昭和61年には宇奈月温泉地区の20.7km間まで区間延長され、平成18年9月には計画高水流量を6,500m3/sに改定し、現在は社会資本整備重点計画に基づき、河川改修を進めています。

計画高水流量

図

昭和50年4月に策定された黒部川の工事実施基本計画では、基準点愛本地先における基本高水流量を7,200m3/sとし、このうち上流ダム群により、1,000m3/sを調節し、愛本地先から下流の計画高水流量を6,200m3/sにすることとしましたが、平成18年9月に策定された黒部川の河川整備基本方針では、基準点愛本地先における基本高水流量7,200m3/sのうち上流ダム群により700m3/sを調節し、愛本地先の計画高水流量を6,500m3/sに改定しました。

河川改修

黒部川の河川改修は、無堤部の築堤護岸、水衝部の水制設置、河積確保のための河床掘削、根継護岸工などを行ってきましたが、現在は、急流河川対策として堤脚保護のための高水敷保護工(縦工)を実施しています。

河川環境

黒部川の自然を生かしながら、安らぎと憩いの場を提供するため、昭和54年度から黒部市、入善町等で河川敷整備を実施し、洪水疎通に影響のない範囲で地域住民が自由に利用できる公共の広場を確保しました。
また、平成20年度からは入善町五郎八地先において、やすらぎ水路の整備に着手します。

河川管理

1.水の管理
  1. 取水管理
  2. 洪水対策
  3. 渇水対策
  4. 水利権の許認可業務
2.施設の管理
  1. 国の施設の管理(堤防、排水施設等)
  2. 許可工作物の管理指導
  3. 構造物設置の許可業務(ダム・橋梁・堰等)
3.河川敷(国有地)の管理
  1. 河川敷占用の許認可業務
  2. 不法占用、不法投棄の監視
  3. 環境保護・環境保全
4.河道内樹木伐採
  1. 河川敷樹木の伐採