白山砂防女性特派員

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  第7回
平成15年5月27日(火曜日)

●石川海岸と手取川河川整備事業見学


石川海岸(松任市・根上町)手取川(美川町・川北町)
  レッツホールつるぎ(鶴来町)


特派員参加人数 14名



 第7回目となる白山砂防女性特派員の活動は、手取川下流域の河川整備事業と河口付近の海岸について学習しました。

松任海岸の大型離岸堤

 松任海岸では、日本海の荒波で砂浜が削り取られていく「海岸浸食」から、砂浜を復旧するための設備について解説を受けました。
 特派員もよく知っている松任・徳光地区の大型離岸提も、砂浜をよみがえらせるための整備の一環でした。現在では砂浜と離岸堤が地続きになってしまっていて、離岸堤の砂浜を形成する効果の高さを裏付けていました。また、離岸堤と離岸堤の間の海中にも、人工リーフという天然の珊瑚礁をヒントにした構造物があり、海岸の景観に配慮した設備が海岸浸食から砂浜を守っていることを知りました。


根上町海岸の被災状況

 続いて、松任海岸より10kmほど離れた根上町吉原釜屋の海岸堤防の被災状況を見学しました。

 ここは平成14年11月の越波で堤防下の土砂がさらわれ、陥没したところで、現在復旧工事が行われていました。海の波の力がすさまじいものであることが実感できました。




手取川水辺環境整備図

 海岸から川に移り、手取川下流の河川整備事業を見学しました。美川町の「ふるさとの川整備事業」と、川北町の「水辺の学校プロジェクト(中央拠点)」について、現地で解説を受けました。

 どちらも手取川の自然を活かしながら、人々が安全に川とふれあえることを目指して金沢河川国道事務所が整備を進めているものです。
 高水敷(こうすいしき)(ふだん水が流れているところから一段上にある河原)を公園や広場として整備して、水の流れているところへも階段護岸などで安全に下りることができます。
 このように、洪水の心配が砂防事業やダム・堤防の完備などで軽減され、河川敷の広い土地を有効に利用できるようになったのは素晴らしいことだと思いました。


 川北町では「霞堤(かすみてい)」の様子も観察でき、実物を見ながらの解説が聞けました。


 特派員からは堤防の上によく並木(水防林)が植えられているが問題はないのかと質問がありました。

 堤防の木は、大水が出た際に切り、木に土嚢をつけて堤防に繋ぎます。この木を水に入れることで、流れを緩やかにしたり、堤防が水の流れに削られるのを防ぐ、いわゆる「木流し」という工法に利用されることがあるのだそうです。また、堤防に木が植えられていると木の根が堤防に入り込み、堤体が弱くなることが考えられるので、盛土して堤防自体を大きく丈夫に作り、並木があっても堤防としての機能は充分に果たせるように設計されているのだそうです。


 見学の後はグループ討議を行いました。今回でグループ活動はいったん終了となるため、いつにも増して活発な討議となりました。イベント班では、9月に開催される地すべりフォーラムに向けての発表と7月下旬に手取川ダムで開催される森と湖に親しむ旬間のイベント参加などが検討されました。ホームページ班では、ホームページの具体的な内容とレイアウトなどが検討され、何かを調べる班では白山砂防科学館を拠点とした見学コースの検討と、見学マップの原案が作成されました。

 今にも雨が降りそうな天気でしたが、手取川や海岸の状況を砂防という視点からじっくり見ることができました。砂防事業は山間地のみで行われているのではないということ、また、白山や手取川上流域での砂防事業が、下流域や海岸にまで影響をおよぼしていることなど、考えさせられることがたくさんあった1日でした。





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