白山砂防女性特派員

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  第6回
平成15年4月23日(水曜日)

●手取川ダム管理支所およびダム監査廊の見学


尾口村 手取川ダム

特派員参加人数 14名



 白山麓ではまだ桜の花が残る4月23日、6回目の白山砂防女性特派員の研修会がありました。今回は白山砂防を考える上でさけては通れない「手取川ダム」についての学習会です。

手取川ダム

 手取川ダムは昭和55年に完成した、「治水」「都市用水の供給」「発電」と3つの目的をもつ、日本でも最大級のロックフィルダムです。
 手取川ダムは梅雨や台風などの雨の多い時期や、春の雪解けの時期に、ダムの水位を下げておき、上流から1度に大量に流れ出てくる水をいったん貯め、下流域が洪水にならないようにします。
 見学した日のダムは、春の雪解け水でほぼ満水状態でした。貯められた水は、県内6市12町、県民の約7割の生活用水として利用されているほか、水力発電に使用され、県の総電力使用量の約12%にあたる量をまかなっています。平成10年の大雨では、昭和9年にあった手取川大洪水と同じくらいの出水があったにも関わらず、上流からの水をすべて貯留して洪水を防いでおり、また、平成6年度に全国的な大渇水が発生した年においても給水制限は生じませんでした。このように、手取川ダムは県民の生活になくてはならないものとなっています。

 手取川ダムの概要と機能について手取川ダム管理支所長から解説を受け、次に手取川ダム提体内部にあるダム監査廊を見学しました。



 ダム監査廊とは、ダム堤体(ていたい) ……手取川ダムの場合は、土や岩石を詰み上げて作られているいわゆる「ロックフィル」の部分…… 内部を点検、管理するための通路です。



 通路はダム堤体の頂上から、堤体を横切って下にでます。手取川ダムはダム高が153mもあるため、急勾配の階段が延々と続いています。通路の所々に地震計、変位計、漏水量を計る装置などがあり、ダムが危険な状態になっていないか常に管理されているのがわかりました。


手取川ダム維持放流設備

 監査廊をでてから、平成15年3月に完成したばかりの手取川ダム維持放流設備を見学しました。
 この設備は手取川ダム直下にある、ダムの完成によって無水となってしまった区間に水を流し、水生生物の生息環境等、河川環境の改善を図るためのものです。平成16年度から本格的に稼働するそうです。


 手取川ダム管理支所長には特派員からたくさんの質問があり、特に最近話題になることも多いダムの堆砂(たいしゃ)問題や、無水区間への維持放流についてのお話に関心が寄せられていました。

手取川ダム直下部

 この日は各グループ内での討議も行われ、今後の活動について話し合われました。9月に白峰村で開催される「全国地すべりフォーラム」で白山砂防女性特派員の活動を発表する計画があり、具体的な内容についての話し合いも行われました。

 身近なようで知らない手取川ダムについての知識が深まり、9月の活動発表という具体的な目標もでき、充実した一日でした。





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