白山砂防女性特派員

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  第4回
平成15年2月17日(月曜日)

●白山地域の植物特性に関する学習会

●講師● 古池 博氏(石川県地域植物研究会)

●手取川に生息する動物(主に魚類)に関する学習会

●講師● 佐野 修氏(いしかわ動物園)

鶴来町 レッツホールつるぎ 2階研修室

特派員参加人数 18名(全員参加)



 第4回の白山砂防女性特派員の活動は、特派員の要望も多かった白山地域の植物についてと、手取川の動物(主に魚類)について、それぞれ専門家を招いての学習会となりました。また、今回は初めて特派員のメンバー全員がそろっての活動になりました。

 午前中は石川県地域植物研究会の古池博先生による、白山地域の植物特性に関する学習会でした。

 まず植生図の見方を学んでから、白山の植生の特徴である「群落環」を中心にお話がありました。

 白山の火山性地質と豪雪がもたらす地表変動(崩れ)は、自然裸地→草原→低木林→高木林→自然裸地という、植生の回転を生み出します。これが「群落環」です。白山には山地帯・亜高山帯・高山帯それぞれ高度の違いによる群落環が存在し、白山の豊かな自然をはぐくむ要因となっています。

 このほか、里山でふつうに見られるミズナラ林などは、かつて人によって伐採をくり返されてきた「二次林」と呼ばれるもので、自然の森林に見えているところでも実は人の手が入っている森林が多く存在していることや、白山に本来は生えていなかった植物が砂防工事や登山者によって侵入し、あらたな植生を作っていることなど、興味深いお話がたくさんありました。災害を生む白山の崩れが、その反面豊かな自然をも生み出している。ただ単に土砂をくい止めるのではなく、その自然の植生を活かした、土砂を管理する砂防事業が求められていると、先生は締めくくられ、特派員も大いに納得しました。

白山山地帯植物群落環

 午後は石川動物園の佐野修先生による、手取川に生息する動物(主に魚類)に関する学習会でした。


 先生が自ら撮影されたという、豊富な魚類や水生動物の写真スライドを見ながら、手取川の河口から上流域へと生息する動物について解説がありました。

白山合口堰堤付近

 手取川上流域での砂防事業、昭和55年の手取川ダムの完成などで昔と様相の変わってしまった手取川ですが、急流河川であることは違いなく、それは生息する魚類や動物を見てもはっきり現れているそうです。犀川(さいがわ)や梯川(かけはしがわ)で普通に見られるフナやタナゴ、ドジョウなどは手取川ではほとんど見られません。手取川扇状地では湧水の小川が数多く見られましたが、近年は減少し、以前は数多く見られたトミヨなどが絶滅の危機に瀕しているとのことでした。

 特派員からは手取川に遡上するサケについて、砂防堰堤の魚道の効果についてなど、盛んに質問がありました。また、近年話題になっている手取川ダム直下の無水区間への水の放流と河川生態系への影響についてのお話もあり、皆熱心に聞き入っていました。


 最後に、金沢工事事務所・流域対策課課長から砂防法についての講義がありました。白山・自然・砂防とその関わりについて勉強した充実した一日となりました。





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