白山砂防女性特派員

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  第3回
平成15年1月29日(水曜日)

●白峰村の暮らし・歴史に関する学習会


    ●講師● 永井 隆一氏(白峰村村長)


白峰村 白山国立公園センター

特派員参加人数 14名



 年が明けて初めての白山砂防女性特派員の活動は、白山のふもと・白峰村について、現地での学習会になりました。当日は大変な大雪で、県内の交通もかなりマヒしており、雪国の恐ろしさを改めて思い知ることとなりました。

 講師の白峰村村長・永井隆一氏から、白山および白峰村の災害を中心とした歴史について解説がありました。

 手取川下流域では、1700年代に入ったころから水害の記録が多く見られるようになり、また白峰村などの手取川上流域でも明治時代(1800年代後半)あたりから水害の記録が非常に多くなってきます。資料でいただいた年表を見ても、明治時代の45年間で、二十数回の水害の記録がありました。
 手取川流域でだんだん水害が増えていった原因には、白山の大量の雪解け水や、雨水、地震による白山の崩壊などもありますが、明治以降、国内での木材の需要が高まり、白山の国有林の伐採が盛んになったことで、山の保水力が低下したことがあると考えられています。
 こうした度重なる水害を抑止するため、大正時代、遂に白山での砂防工事が始まりました。

 このほかにも、白山麓の伝統的な生活形態である出作り ……夏には山の住居で焼き畑や養蚕、炭焼きなどに従事し、冬には母村に帰って農具の手入れや制作、機織りなどに従事する生活…… のお話や、白山をめぐる加賀馬場、越前馬場、美濃馬場(現在の石川県鶴来町白山比盗_社、福井県勝山市平泉寺、岐阜県白鳥町長滝寺)の争い、白山の杣取(そまとり)権(木を切る権利)をめぐる白峰村と尾口村、白山本宮の対立など、興味深い話がたくさんありました。

 

 お話の後は村長を交えての昼食とディスカッションになりました。昼食は白峰村特産の堅豆腐の料理で、和やかな雰囲気の中、特派員からは白峰村の生活や行事などに関する様々な質問や意見が相次ぎました。

 最後に、今後の特派員活動について意見交換会がありました。
 今後の特派員の活動として、白山砂防についてもっと情報発信をしていきたいという意見が多数出ました。具体的にはグループに分かれて活動し、ホームページやパンフレットの制作をしたらどうか、という意見がありました。また、砂防についての知識をもっと深めたいので、今後の活動では砂防の勉強をする時間を入れてほしいという要望があり、これに対し、白山砂防についてのパンフレットを特派員で制作し、内容を考えながら勉強していったらどうか、という意見も出ました。このほか、白山で砂防を目的とした植樹をしたいという意見もあり、実現するにはどういった問題点があるかということが話し合われました。



 この日は白峰村の有名なイベントである「雪だるま祭り」の日でもあったため、雪だるまの制作体験なども予定に入っていたのですが、大雪で予定が大幅にずれこんだため残念ながら見送りとなりました。雪の中、移動の大変な一日でしたが、雪と生活、災害について考える良い機会ともなりました。





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