白山砂防女性特派員

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  第1回
平成14年10月25日(金曜日)

●白山砂防事業実施箇所見学
●白山砂防科学館見学


特派員参加人数 15名



 白山砂防女性特派員初めての活動の日はとても良い天気に恵まれました。
 まず午前中に白峰村にある白山国立公園センターと白山砂防科学館で白山砂防の概要について講義を受けました。
 高山植物やブナ林などの美しい自然のイメージが強い白山ですが、実は活火山であり、その火山活動で変質した地質はとても崩れやすく、谷の崩壊と浸食、地すべりが現在も続いています。大規模な土砂災害の原因となるこの崩壊と浸食を治めるため、白山では大正時代より砂防事業が続けられてきました。
崩壊の進む白山柳谷
 講義のあと白山砂防科学館で
「昭和9年の手取川大災害」
「百万貫の岩は語る」
「挑む!白山を守るために」
以上3本の白山砂防と手取川の災害についての映画を鑑賞し、午後からは白山の砂防事業の実施現場を見学しました。

現在、金沢河川国道事務所が白山で行っている主な砂防事業は、

1,谷の崩壊と浸食をくい止める砂防堰堤等の修復および施工(柳谷砂防堰堤群)
2,甚之助谷地すべりの地すべり対策工事
3,光ケーブルによる災害情報監視ネットワークの整備


の3つがあり、今回は白山の柳谷と甚之助谷、別当谷を見学しました。

 一般の白山登山者が車を乗り入れることができる標高1250mの「別当出合」を過ぎて、砂防工事用道路に入り、標高1500mの中飯場に到着しました。
 中飯場では現在、修復および施工が進められている「柳谷砂防堰堤群」と、その上流に続く「甚之助谷砂防堰堤群」、甚之助谷地すべり対策工事のひとつである集水井工を見学しました。



甚之助谷第10号砂防堰堤の様子

 現場は非常に崩れやすいところで、対岸の崖から崩壊した土砂が施工中の堰堤に大量にかかっているのが確認でき、作業現場の危険さがうかがわれました。
 このような危険な場所に作業員が入らなくてもいいように開発された、型枠ブロックと遠隔操作のできるクレーンを使った砂防堰堤の無人化施工の解説や、昭和初期に施工され、今なお谷の崩壊を抑制し続けている甚之助谷砂防堰堤群のお話など、実際の現場を見ながらの解説はとてもわかりやすく、また記憶に残るものでした。ただ、10月のこの時期は工事そのものは終了していて、工事作業中の様子を見ることはできなかったのが残念でした。


 最後に別当谷上流砂防堰堤群を見学しました。別当谷では現在砂防工事は行われていないのですが、昭和初期から平成にかけて施工された34基の堰堤が谷の崩壊と浸食を防いでいる様子が大変わかりやすい状態で確認できました。砂防堰堤のない谷の上部は崩壊が進み、荒れているのですが、堰堤のあるところでは崩壊が止まって、谷の斜面に草や木が生え、緑化が進んでおり、砂防堰堤の効果がよくわかりました。


別当谷最上部の崩壊状況 別当谷砂防堰堤群と緑化状況

 当日の白山はさわやかな秋晴れの空の下、紅葉が大変美しい日でした。砂防事業は、人命・財産を守るとともに、このすばらしい自然を守る一端を担っていることが実感でき、感慨深い1日となりました。





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