以上のことから、整備計画案として、現道拡幅案、バイパス案(2案)、近接バイパス案(2案)の5案について提案を行う。
■ 整備計画案のルート図 ■
現道拡幅案 | バイパス案(2案とも) | 近接バイパス案(2案とも) | |
---|---|---|---|
まちづくり | ○拡幅に伴う資金を活用して、快適で魅力的な沿道環境を形成できる可能性がある △不整形や狭小な土地が発生する可能性がある |
○将来の町づくりの可能性が広がる ○バイパス沿いでは、減反等による遊休農地の利活用を行うチャンスが広がる ×農地を斜行する部分で利用しづらい土地が発生する ×現道の沿道施設との競合が生じる |
○現道の賑わいを残しつつ、現道とバイパスとが一体となって、まちづくりを行う事が可能である ○現道とバイパスの間で一体的なまちづくりを行える可能性がある ○減反等による遊休農地の利活用を行うチャンスが広がる △農地を斜行する部分で利用しづらい土地が発生するが、斜行する区間は短い |
自動車利用者 (通過交通) |
○沿道施設を利用できる事から、利便性にすぐれる △生活交通と混在する事から交通量が多く、沿道施設への出入り車輌の影響により、走行性、安全性がやや劣る |
○生活交通と分離され、走行性、安全性にすぐれる |
△生活交通と分離され、走行性、安全性にすぐれるが、分離される区間は短い |
自動車利用者 (生活交通) |
△通過交通と混在する事から交通量が多く、沿道施設への出入り車輌の影響により、走行性、安全性がやや劣る △ 中央分離帯の設置により、沿道施設への出入りは片側のみとなる |
○通過交通と分離され、走行性、安全性にすぐれる ○現道での沿道施設への出入りは、現在と同様に行える △交差道路では新たな交差点が1ヵ所増える |
△通過交通と分離され、走行性、安全性にすぐれるが、分離される区間は短い ○現道での沿道施設への出入りは、現在と同様に行える △交差道路では新たな交差点が1ヵ所増える |
歩行者・自転車 | ○歩道整備により歩行者の安全性、利便性、快適性が高まる |
×現道での歩行者の安全性、利便性、快適性は改善されない |
△現道での歩行者の安全性、利便性、快適性は改善されないが、近接するバイパスでは歩道が整備される |
沿道施設 | ○交通量の増加に伴い、利用者の増加が見込める △中央分離帯の設置により、沿道施設への出入りは片側のみとなる ×拡幅に伴う沿道施設への影響が大きい |
○現道での沿道施設への出入りは、現在と同様に行える ×現道では交通量の減少とともに、バイパス部に新たに立地する沿道施設との競合が生じる |
○現道での沿道施設への出入りは、現在と同様に行える △現道では交通量の減少とともに、バイパス部に新たに立地する沿道施設との競合が生じる |
地域生活者 | △交通量の増加に伴い、騒音、振動の影響が大きくなる △交通量の増加や中央分離帯の設置により、地域が分断され、道路横断も困難となる |
△現道では交通量の減少に伴い、騒音、振動の影響が小さくなるが、バイパス部では新たに影響が生じる △バイパス部で新たな地域分断が生じるとともに、道路横断が困難となる ×バイパス部で新たに農地の一部で斜行が生じる |
△現道では交通量の減少に伴い、騒音、振動の影響が小さくなるが、バイパス部では新たに影響が生じる △バイパス部で新たな地域分断が生じるとともに、道路横断が困難となる △バイパス部で新たに農地の一部で斜行が生じるが、距離は短い |
施工性 | ×交通規制が全線で必要であり、工事期間が長い ○完成した区間からの部分的な開通により、道路整備効果が発現できる |
○交通規制は部分的であり、工事期間が短い ×部分的な開通では、バイパスとしての効果が発現できない |
△現道拡幅区間が長い事から、工事期間は比較的長い ○ 近接する現道を活用して部分的にバイパスが開通でき、効果が発現できる |
経済性 | ×沿道施設の補償費が高く、経済性に劣る |
○経済性にすぐれる |
△現道拡幅区間が長い事から、経済性はやや劣る |