メニューをスキップして、このページの本文へ
このウェブサイトでは富山河川国道事務所管内の河川・道路の状況、防災情報及び事業の紹介をしています
https://www.hrr.mlit.go.jp/toyama/
文字サイズの変更
文字拡大(小)文字拡大(中)文字拡大(大)
背景色の変更
文字色(白)文字色(黒)文字色(青)

かわの情報

委員会・ワークショップ

庄川扇状地水環境検討委員会(H13.9.28〜H16.2.24)

第4回 庄川扇状地水環境検討委員会 議事要旨

●開催要件
○開催日時  平成14年10月10日(木) 13:00〜15:00
  ○会■■  富山市 「高志会館」
  ○出 席 者  
  ■■委員長  榧根勇 筑波大学名誉教授、愛知大学教授(水文学)
  ■■  佐竹洋 富山大学教授(地球化学)
     佐藤芳徳 上越教育大学教授(自然地理学)
     藤縄克之 信州大学教授(地下水学)
     吉岡龍馬 同志社大学講師(前富山県立大学短期大学部長(地球化学))
  ■■事務局  国土交通省 北陸地方整備局 富山工事事務所
     前川富山工事事務所副所長
     石川調査第1課長、大角河川計画係長
 
●結■■
1庄川扇状地の地下水涵養・流動機構について
  通年の地下水変動状況及び各調査結果から、概ね地下水の流動機構を明らかにすることが出来た。
    庄川扇状地の地下水は、地表面からの雨水や融雪水の浸透の他、庄川の伏没や水田灌漑水の地下浸透を受けて涵養された後、小矢部川に向かって流動している。一方、降水量(冬季の降・積雪量)の減少傾向や水田面積の減少に伴う地下水涵養量の減少、さらには地下水揚水の偏在化等と相まって、扇状地扇頂部〜扇央部では長期的な地下水位低下傾向が継続している。
  2地下水流動機構の定量化
    庄川扇状地の地下水を再現する地下水シミュレーションモデルを構築した。
    本モデルに基づく流域全体の水収支は、地下水涵養量の殆どが扇状地の水田灌漑水を起源とする涵養量で占められること、地下水涵養量に対する地下水利用量の割合は僅かであることが特徴付けられる。
  3データの蓄積・精度の向上
    扇状地地下水の保全や有効利用を図るためには、今後、
     
1) 長期的視野に立った水資源のあり方
  2) 水循環を踏まえた流域の開発と地下水涵養
  3) 地下水動向の監視等について調査検討
      を進めて行く必要がある。
    このためアンケート補足調査による地下水利用実態の把握、地下水ポテンシャルに係る諸調査(一斉測水調査、層別観測井の水位観測、庄川河道部地下水観測)、水質調査、同時流量観測、塩水侵入実態調査等の水文・地下水調査を継続的に実施する。
  4地下水の保全・適正利用に向けて
    庄川扇状地の貴重な水環境を保全し、安全かつ持続的な地下水利用を行っていくため今後、関係する行政機関などによる協議・調整の場を設け、ハード、ソフト両面からのきめ細かな対策を検討していく
●議事要旨
1既往成果の総括と作業進捗状況
 
○事 務 局 : 資料-2およびパワーポイントで説明
○審議結果:  
   
(委員)
切り込んだ調査が短期間に精力的に実施されており、扇状地の地下水状況がかなり分かってきた。この結果は意外なものではなく、概ね予想された結果と言える。
(委員)
きめ細かな調査がよくなされていると思う。
  2調査概要と調査進捗状況について
   
○事 務 局 : 資料-3およびパワーポイントで説明
○審議結果: 調査概要と進捗状況について、事務局案通り了承された。
 
  3現地調査結果(庄川扇状地の地下水現況)について
   
○事 務 局 : 資料-3およびパワーポイントで説明
○審議結果:  
     
(委員)
アンケート調査で塩水化したという報告はあったか。また井戸枯れ、水位低下についての詳細はどうか。
(事務局)
今回の調査結果で塩水化したという報告は無かった。また水位低下に関する報告はあったが原因など詳細は多岐な内容にわたっており、再度確認する。
(委員)
濁りの原因についてはどうか。
(事務局)
濁りに関する記載はあるがその原因など詳細は多岐な内容にわたっており、再度確認する。
(委員)
濁りの報告があった井戸について、その深さや位置の関係を分析すると何か傾向が見えるかもしれない。
(事務局)
今後、分析及び整理を行う。
(委員)
アンケート調査結果において扇央部にデータの空白域が残されている。位置的に重要な場所なのでデータを補強する必要がある。
(事務局)
今後追加の調査を行ってデータの補強に努める。
(委員)
アンケートの回収率から見て今回の結果はかなり実態を捉えていると思う。データとしては重要であり、データベース的にまとめて今後とも利用できるようにすると良い。
(事務局)
了解した。
   
  4地下水シミュレーション解析について
   
○事 務 局 : 資料-3およびパワーポイントで説明
○審議結果:  
     
(委員)
地下水モデルとしては妥当な結果であり、検討するための「道具」が出来たことになる。今後は色々なニーズに応じた検討ケースについて協議していく必要がある。
(委員)
  本モデルを用いて特定地域の水田が減少するケースの検討は可能か。
(事務局)
  250mメッシュという条件下で検討は可能である。
(委員)
  予測評価のケースとしては今回の2ケースだけでなく色々なシナリオが考えられる。本モデルではその組み合わせが可能であり、次回委員会までにより具体的な条件を検討する必要がある。その場合、具体的な保全対策を取り込んで検討した方が良い。
(事務局)
  了解した。
       
  5庄川扇状地の地下水流動機構について
   
○事 務 局 : 資料-3およびパワーポイントで説明
○審議結果:  
     
(委員)
学問的に河川と地下水の関係を議論するデータは殆ど無い。今回の調査結果から河川水と地下水の関係(伏没浸透量)を是非定量化して欲しい。
(委員)
扇頂部では河川水と地下水の乖離が認められるが、扇頂部の地下水がどこから供給されるかについて水質的な検討が有効と思われる。
冬期の水位変動については、今後とも調査も継続して行く必要がある。
(委員)
既往同位体分析結果からみて、梅雨時には水質的な特徴が認められており、梅雨時の調査を実施することが望ましい。
(委員)
層別観測井のデータを基に今後モデルの精度向上を図っていくことも必要である。
(事務局)
  了解した。層別観測井については8月からデータ取得を開始したため、来年8月までの1年間のデータを蓄積して最終的な評価・検討を行いたい。
       
  6総括
     
(委員)
研究と実際の地下水利用を結びつけることが必要な時代になった。ここでの結果はいわば「庄川モデル」であり、これを如何に応用していくかが重要である。

 
印刷前のページに戻るトップへ