メニューをスキップして、このページの本文へ
このウェブサイトでは富山河川国道事務所管内の河川・道路の状況、防災情報及び事業の紹介をしています
https://www.hrr.mlit.go.jp/toyama/
文字サイズの変更
文字拡大(小)文字拡大(中)文字拡大(大)
背景色の変更
文字色(白)文字色(黒)文字色(青)

かわの情報

委員会・ワークショップ

庄川扇状地水環境検討委員会(H13.9.28〜H16.2.24)

第6回 庄川扇状地水環境検討委員会 議事要旨

●開催要件
○開催日時  平成16年2月24日(火) 14:00〜16:00
  ○会■■  富山市於 「高志会館」
  ○出 席 者  
  ■■委員長  榧根勇 筑波大学名誉教授(水文学)
  ■■  佐竹洋 富山大学教授(地球化学)
     佐藤芳徳 上越教育大学教授(自然地理学)
     藤縄克之 信州大学教授(地下水学)
     吉岡龍馬 同志社大学文学部嘱託、日本地下水学会顧問(地球化学)
    【五十音順】
  ■■事務局  富山河川国道事務所 目黒副所長、松本調査第一課長、佐藤河川計画係長
 
●結■■
1庄川扇状地地下水の涵養・流動機構について
     庄川扇状地の地下水は、地表面からの雨水や融雪水の浸透の他、庄川の伏没や水田灌漑水の地下浸透を受けて涵養された後、小矢部川に向かって流動している。一方、降水量(冬季の降・積雪量)の減少傾向や水田面積の減少に伴う地下水涵養量の減少、さらには地下水揚水の偏在化等と相まって、扇状地扇頂部〜扇央部では長期的な地下水位低下傾向が継続している。
  2地下水流動機構の定量化
       継続的かつ詳細な現地観測データや調査成果に基づき、庄川扇状地の地下水を再現する地下水シミュレーションモデルを構築・改良したことにより、実用的な精度で定量化可能なモデルが完成した。これにより、庄川扇状地の水環境を定量的に議論することが可能となった。
  3庄川の伏没機構について
       現地観測データを再現対象とした浸透流解析の結果、扇頂部の庄川本川から数m3/s規模の河川水の伏没を確認した。伏没量は河川水位の変動に応じて変化すると予想されるが、平常時の河川水位・流量の変化がさほど大きくないため、ごく限られた洪水期間を除けばほぼ一定の伏没涵養が継続している。
  4扇状地地下水の保全・適正利用に係る基本方針
       庄川扇状地の豊富な地下水資源を積極的にかつ安全で永続的に利用するための方策についてステークホルダーの間で検討を進める必要がある。その際、a.)当該地域の地下水利用は地下水脈を通じて相互に影響しあっている、b.)扇状地地下水の保全・適正利用に当たっては、ハード・ソフト両面からのきめ細かな対策が必須であり、関係行政機関等による協議・調整の場を設けて対策の実現を目指す必要がある、と言う基本的留意事項を認識することが重要である。
  5総括及び今後の方向性
     
庄川扇状地の地下水涵養・流動機構が相当の精度で解明され、地下水の将来予測が定量的に議論可能となった。また、保全・適正利用に係わる対策工の効果についても議論できようになった。今後、これまでの成果を現場で実際に実行することが重要である。
本委員会は今回をもって閉会とするが、対策の実施にあたって富山県・各市町村との連携,調整が不可欠であり、今後、「連絡会」のような組織を構築し、重点的かつ効果的な施策の実現に向け努力する。
●議事要旨
1庄川扇状地地下水調査の概要
 
○事 務 局 : 資料-2およびパワーポイントで説明。
○審議結果: 既往成果の内容と過去の審議内容及び作業の進捗状況について、確認了承された。
   
  2補足調査結果
   
○事 務 局 : 資料-2およびパワーポイントで説明。
○審議結果:  
     
(委員)
電気伝導度検層結果において測定孔等のよって異なるがもう少し説明してほしい。
(事務局)
塩淡境界を確認するべく設置した観測孔では、設置当初の検層結果からは塩淡境界が判別できず、観測孔の構造に問題があるのではとの考えから観測孔を改良した。その結果、電気伝導度が全面的に低下したが、測定期間が冬期であり、消雪揚水の影響を受けていることが考えられる。塩淡境界は、この近傍にあるのではないかと推測している。
(オブザーバー:北陸地方整備局)
水利用の観点からクロ−ルイオン濃度で規制されており、基準値があるが、電気伝導度との関係を説明してほしい。
(事務局)
ほとんど海水に近い電気伝導度を示しており、低下後においても500mS/m程度である。
  クロ−ルイオン濃度との関係については、検討する。
(委員)
観測孔の柱状図から地質的に複雑であり、地盤沈下との関係においても粘土層の分布など重要だと思われる。
(委員)
現実に地盤沈下の被害が出ているのか。
(オブザーバー:富山県環境保全課)
最近では、昭和63年度に本地域の海岸部で面的な調査を実施しており、地盤沈下は終息したと解釈している。現在、点的に2地点継続観測しているが、地盤沈下は認められない。今後、平成16年度に面的に調査を実施予定であり、平成16年度の後半には評価できる。
(委員)
同位体成分から見てMW-4の最深部では、庄川の水とは異なる。平野部あるいは山側からの水と考えられ、庄川の右岸と左岸では涵養状況が異なるのではないか。
(事務局)
そのとおりである。
   
  3庄川の伏没機構
   
○事 務 局 : 資料-2およびパワーポイントで説明。
○審議結果:  
   
(委員)
宙水と水質の関係はどうなっているか。
(委員)
同位体から浅い水は庄川起源であるが、深い水は山側から雨を含んだような水が来ているのではないかとの印象を受ける。
(委員)
同時流量観測結果と解析結果で区間によって逆転している理由はなにか。
(事務局)
同時流量観測が支川からの流入量に左右される関係で、解析区間と直接的に対応していないことが考えられるが、全体として概ね妥当な結果であると判断している。
   
  4地下水シミュレーション
   
○事 務 局 : 資料-2およびパワーポイントで説明。
○審議結果:  
     
(委員)
自噴高のモデルはどの層を対象としているのか。
(事務局)
  粘土層直下の層である。
(委員)
  河川流量と計算結果を比較したグラフで整合していると判断しているのか。
(事務局)
  同時流量観測結果が1ヶ月の平均値であり、オーダー的に再現できていると判断している。
(委員)
  観測結果と計算結果の比較で、扇状地内部は非常に整合しているが、河川近傍における違いは、河川近傍のデータが少なく、河川の影響を評価して計算したために現れたものと解釈して良いか。
(事務局)
  そのとおりである。
       
  5水環境のまとめと今後の基本方針の提案
   
○事 務 局 : 資料-2およびパワーポイントで説明。
○審議結果:  
     
(委員)
河川水が庄川に湧出しているとはどういうことか。
(事務局)
同時流量観測結果と地下水等高線図より河川に水が戻ってきていると判断している。
(委員)
水収支で、海への流出が1.7m3/sとなっているが、もう少し大きくても良いのではないか。
(事務局)
塩淡境界をモデルで反映させた結果である。
(委員)
  水田涵養が大きいのであれば、水質(同位体)に現れても良いのではないか。
(委員)
  流動している水では顕著に現れないものである。また、濃縮していることも考えられる。
       
  6総括報告書概要版(原案)の提案
     
(事務局)
これまでの結果の集大成として、概要版及び総括報告書として発行したい。
(委員)
この成果を社会に広めることは重要である。
(事務局)
地元だけでなく、ホームページなども利用し、パンフレット的なものも作成して配布したい。
(事務局)
発行にあたって、各委員の先生に一言頂きたい。
(委員)
個人の意見であれば執筆するとのことなので、個別にお願いすることとする。
概要版及び総括報告書の発行については、最後のまとめを私に一任して頂くこととし、ご意見等は事務局へお伝え頂きたい。
       
  7総括
     
(事務局)
庄川扇状地の地下水涵養・流動機構が相当の精度で解明され、地下水の将来予測が定量的に議論可能となった。また、保全・適正利用に係わる対策工の効果についても議論できようになった。今後、これまでの成果を現場で実際に実行することが重要である。
       
  8庄川扇状地水環境検討委員会について
     
(事務局)
本委員会は、今回をもって一応の閉会となるが、対策の実施にあたって富山県・各市町村との連携,調整が不可欠であり、今後、連絡会のような組織を構築し、重点的かつ効果的な施策の実現に向け努力する。

 
印刷前のページに戻るトップへ