事業概要

環境保全・コスト縮減の取り組み

環境保全の取り組み

利賀ダムの湛水面積は110haであり、湛水面積200ha以上が対象の環境影響評価実施要綱(通称:閣議アセス)に該当せず、また、平成5年4月に事業着手していることから環境影響評価法(通称:法アセス)にも該当しません。

しかし、事業実施に伴う環境影響に配慮し、法アセスに準じた調査・検討を実施するとともに、環境保全への取り組みについて専門家の意見を聴くための委員会を平成12年より開催し、意見を反映した「環境レポート」を令和3年3月に公表しました。利賀ダム建設事業は、この「環境レポート」に基づき、必要な環境保全措置を行っていきます。

コスト縮減の取り組み

掘削ズリの骨材利用

工事用道路のトンネル区間では、岩質がとても硬く、コンクリート骨材として使用可能であるため、トンネル掘削に伴って発生した掘削ズリをダム本体のコンクリート骨材に利用する予定としています。また、ダムサイトの岩質も硬いため、ダム本体基礎掘削で発生する掘削ズリ同様にダム本体コンクリートの骨材に利用する予定です。

これらの掘削ズリを骨材として利用することで、原石山が必要なくなりコスト縮減が可能となりました。

取水設備の構造の簡素化

利賀ダムでは、夏~秋季の温水放流による影響が懸念されるため、当初、選択取水設備(多段式)を計画していましたが、現地観測データの蓄積及びシミュレーション精度の向上を踏まえ、ダム建設後の水環境への影響を詳細に検討した結果、放流水が環境へ及ぼす影響が大きくないことが確認されました。

このため、温水放流に対応した水温調節方法は、取水口を上部にある利水放流用取水口(1号)と低位の利水放流用取水口(2号)の2カ所に限定でき、選択取水設備(多段式)の設置が不要となりコスト縮減が可能となりました。