掲載日:2017年6月29日

平成29年度建設副産物対策連絡協議会上越分科会を開催しました

6月22日(水)、平成29年度北陸地方建設副産物対策連絡協議会新潟県上越分科会(分科会長:高田河川国道事務所長)が、高田河川国道事務所で行われました。
平成9年に、北陸地方建設副産物対策連絡協議会が設立され、資源循環型社会を構築するため、建設廃棄物や建設発生土の発生量の抑制の取り組み、再利用や減量化、適正処理の推進に関する必要な技術開発や情報の収集・交換等を行い建設事業の円滑な推進に寄与することを目的としています。
北陸地方建設副産物対策連絡協議会には、新潟県下越、中越、上越、富山県、石川県に分科会があります。上越分科会は、北陸地方整備局、新潟県、上越市、東日本高速道路(株)、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構、(一社)日本建設業連合会、(一社)日本道路建設業協会、(一社)新潟県建設業協会、上越市建設業協会、北陸建設リサイクル協会、(一社)建設コンサルタンツ協会で構成されています。
分科会では、5月23日に行われた北陸地方建設副産物対策連絡協議会の報告、上越分科会の前年度活動報告、今年度の活動計画が承認されました。

明星セメントリサイクル事業を視察

上越分科会終了後、糸魚川市にある明星セメント株式会社糸魚川工場のリサイクル資源事業を視察しました。
明星セメントでは各種多くの廃棄物をリサイクル処理しています。セメントを製造する工程は「高温焼成」と言う特性を持つため、安全かつ大量の廃棄物を処理します。
セメント製造焼成温度が1,450℃と非常に高温なことから、ほとんどの廃棄物を無害処理することができます。 可燃性の廃棄物はセメントを焼成するエネルギーの一部として利用し、残った燃え殻についてもセメントの原料の一部として取り込まれます。廃棄物の成分の全てを再利用することができるため、副産物が一切発生しません。
リサイクル処理している廃棄物は主に火力発電所から発生するばいじん・燃え殻、下水処理場から発生する汚泥や、鉄鋼業から発生する鉱さい、廃プラスチック類、木くずなどがあり、この他にも多くの種類の廃棄物を受入れ処理しています。
木くずについてはセメント製造工程でのリサイクル処理だけでなく、破砕処理を行い、木質系バイオマス燃料として隣接する糸魚川バイオマス発電所へ供給をしています。
ここから発生するばいじん・燃え殻についても明星セメントでリサイクル処理をしています。
各産業から発生する多種多様な廃棄物をセメントの原料および燃料としてリサイクルし、社会全体のリサイクル活動に大きく貢献し、循環型社会の構築と地球環境の保全につながります。

リサイクル事業説明を受ける参加者

糸魚川駅北大火、熊本地震ガレキもセメント原料と燃料に

明星セメント株式会社糸魚川工場では、2016年4月の熊本地震により発生した震災がれきの一部を、姫川港経由で、バイオマス燃料等としてリサイクル処理、再生セメントとして熊本県八代港まで出荷しています。被災地の復興に貢献するとともに、循環型社会の構築にも寄与しています。
また、2016年12月の糸魚川市駅北大火では、焼失した家屋などの廃材を2017年1月より早速受け入れ、街の復旧に向けた、いち早い対応を応援しています。
「がんばろう糸魚川 まけるな糸魚川」を合言葉に、地元の復旧・復興に協力しているとのことです。