梅雨時の出水に備え洪水対応演習(机上)を実施しました
高田河川国道事務所は、梅雨時の本格的な出水期を迎えるにあたり、関川、保倉川、姫川における洪水予測や水防警報等の情報伝達、樋門、排水機場等河川管理施設の操作状況の確認、堤防欠損を想定した緊急復旧対策、関係市町村への情報連絡など、防災体制に万全を期すことを目的に、総合的な洪水対応演習(机上)を行いました。
今回の演習項目
①水位予測の演習
②河川巡視、河川管理施設等の操作状況確認演習
③関係機関への洪水予報、水防警報等の情報伝達の演習
④自治体等との重大情報伝達の演習
⑤被害を最小限にくい止める緊急災害復旧演習
⑥利水ダム等との情報伝達演習
⑦市長要請にもとづく排水ポンプ車出動演習
⑧迅速な災害時広報の演習
赤倉(関川)で降り始めから雨量360mm(13時現在)
12日2時に降り始めた雨は、13時現在、赤倉雨量観測所で360mmに達したとの想定、高田水位観測所では13時現在、はん濫危険水位を超え、さらに計画高水位(6.68m)を超え6.69mに達し、13時00分には上越市今池地先で堤防の欠損が発生、災害協定業者に出動を要請、欠損箇所に応急復旧工事として、袋詰め玉石と盛り土、シート張りにより堤防補強工事を実施、被害拡大防止の訓練を行いました。
上越市頸城区西福島(保倉川右岸)に排水ポンプ車出動
保倉川流域では、菖蒲雨量観測所で13時現在179mmとなり、上越市長の要請により出動したポンプ車は、3時間にわたり排水作業を行う訓練となりました。
問題点を解決し大雨時のもしもに備える
9時から開始した演習は午後5時まで続きました。防災業務計画にもとづく各担当班は、本番さながらに機敏な対応で演習を行っていました。高田河川国道事務所では、今回の演習の反省点を解決し、今後の大洪水に備えて行きます。
上越地域の過去の洪水
発生年 | 発生要因 | 流域平均 1日雨量(mm) | ピーク流量 (m³/s) | 被害状況 |
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明治30年8月 | 豪雨 | ― | ― | 死者4名、 負傷者3名、 行方不明者2名、 全半壊152戸、 浸水3,386戸 |
昭和39年7月 | 台風5号 (熱低) | 63(高田上流) 87(松本上流) | 約1,050(高田) 約750(松本) | 死者1名、 全壊1戸、 半壊床上浸水436戸、 床下浸水1,075戸、 浸水面積2,578ha |
昭和40年9月 | 台風24号 | 197(高田上流) 210(松本上流) | 約2,060(高田) 約1,160(松本) | 死者3名、 全壊7戸、 半壊床上浸水4,584戸、 床下浸水1,434戸、 浸水面積3,152ha |
昭和44年8月 | 豪雨及び 台風7号 | 104(高田上流) 82(松本上流) | 約2,170(高田) 約850(松本) | 半壊床上浸水264戸、 床下浸水978戸、 浸水面積1,548ha |
昭和56年8月 | 台風15号 | 106(高田上流) 114(松本上流) | 約1,720(高田) 約740(松本) | 半壊床上浸水512戸、 床下浸水538戸、 浸水面積443ha |
昭和57年9月 | 台風18号 | 167(高田上流) 134(松本上流) | 約2,460(高田) 約660(松本) | 全壊5戸、 半壊床上浸水2,738戸、 床下浸水4,472戸、 浸水面積717ha |
昭和60年7月 | 梅雨前線 | 90(高田上流) 104(松本上流) | 約1,360(高田) 約600(松本) | 床上浸水302戸、 床下浸水2,171戸、 浸水面積2,699ha |
平成7年7月 | 梅雨前線 | 179(高田上流) 184(松本上流) | 約2,580(高田) 約920(松本) | 行方不明者1名、 全半壊70戸、 半壊床上浸水2,167戸、 床下浸水2,620戸、 浸水面積2,217ha |
直江津駅前浸水状況
春日山橋から上流の氾濫状況(上越市木田)
稲田橋上流左岸溢水状況(北城町付近)
上空より関川大橋を望む
保倉川右岸溢水状況
妙高市月岡地先破堤状況(旧新井市)