掲載日:2020年10月22日

令和2年度建設労働災害防止大会開催

 高田河川国道事務所工事安全対策協議会は、9月24日、上越市ユートピアくびき希望館で、「建設労働災害防止大会」を開催しました。
 この大会は、毎年9月第4週の北陸地方整備局「建設労働災害防止週間」活動の一環として、発注者・受注者が一堂に会し、工事現場における労働災害の撲滅を図ることを目的に行っているものです。
 今年度はコロナ禍の状況であるため、参加者を絞っての開催とし、受注者の工事担当者、安全対策協議会役員、監督支援業務担当技術者、事務所職員など、約90人が参加、安全への意識を再確認するとともに、労働災害のない安全で安心して働ける職場環境の形成を目指して邁進することを確認しました。

社会基盤の担い手として、社会的使命を果たす

 開会の挨拶で堀会長(高田河川国道事務所長)は、「建設産業は社会資本の整備や維持管理を担い、地域の経済、雇用を支える基幹産業であるとともに、災害発生時にはいち早く現場に駆けつけ、応急対策、復旧作業に取り組むなど、地域の安全・安心を支える重要な役割を担っている。
 管内ではこれまでに労働災害1件、公衆災害1件が発生し、前年同期比より1件多い。
現在のコロナ禍の状況においても感染拡大防止の対策を講じつつ、インフラの維持管理、公共事業を継続し、地域の生活を支える社会基盤の担い手として、社会的使命を果たしていかなければならない。

 建設産業の役割を果たしていくためには、担い手確保を図ることが喫緊の課題となっているが、そのためにも、労働災害を無くしていくことが最も重要。
 工事も最盛期を迎え、また、降雪期を控えこれから気候も厳しくなるので、これまで以上に気を引き締めて、安全衛生管理を行うことが求められる。」と、呼びかけました。

来賓ご挨拶

 上越労働基準監督署の五十嵐副署長からは、「労働災害は、新潟県内では減少傾向であるが、上越労働基準監督署管内においては急増している。終業時間前や作業の切り替え時など、一瞬の気の緩む時に多く発生している。危険に関する感性を磨く教育をして欲しい。」と、お話しがありました。

上越労働基準監督署 五十嵐副署長

上越警察署交通課 板垣安全教育係長

 上越警察署交通課の板垣安全教育係長からは挨拶と講話を頂きました。
「上越警察署管内では、1~6月までは死亡事故が無かったが、7月以降立て続けて起こっている。補償運転を心がけるなど、交通事故発生防止に努めて欲しい」と、お話しがありました。

講演「建設業における労働災害の防止に向けて」

上越労働基準監督署 五十嵐副署長

 上越労働基準監督署の五十嵐副署長には、ご挨拶に引き続き、「建設業における労働災害の防止に向けて」と題してご講演をいただきました。
 労働災害が急増する上越労働基準監督署管内では、特に17日、火曜日、17時、50代の労働災害が多発しており、〝17〟のつく日と時間は特別な警戒をと、呼びかけがありました。
 また、事故の現場へ行くと、KY活動で話し合った内容が実際の事故として起こっていることから、KY活動の形骸化について、注意がありました。

安全優良受注者表彰の取組事例報告

 9月14日に令和2年度の北陸地方整備局安全管理優良受注者表彰があり、北陸地方整備局管内で19社が表彰されました。
 高田河川国道事務所安全協議会員からは、「平成元年度関川大橋橋梁補修工事」を施工した西田建設(株)が受賞されました。大会では受賞披露と、安全管理に対する取組事例報告をしていただきました。

受賞披露と取組事例報告をする西田建設(株)の小山さん

安全十訓、安全宣言を採択

 JFEエンジニアリング(株)の吉良さんの発声により参加者全員で「安全十訓」を確認しました。毎年行っている安全十訓の唱和については、新型コロナウイルス感染防止のため、唱和を取り止めとしました。その後、(株)伊藤建設の園田さんから、「一人の被災者も出さないため、本大会を契機として安全管理の原点に立ち返り、労働災害のない安全で安心して働ける職場環境の形成を目指す」と、安全宣言を提案、採択しました。

JFEエンジニアリング(株)の吉良さんより
安全十訓の発声
(株)伊藤建設の園田さんが安全宣言の提案

閉会挨拶

 閉会の挨拶に立った西田副会長より、「上越労働基準監督署副署長から、管内の事故は増加傾向であり、KY活動が形骸化しているのではないかと指摘があり、これは真摯に受け止めないといけない。
 これから作業をする人たちに、これからやろうとすることにどういう危険が潜んでいるのか、毎日やらなければいけないことをどうやって意識させていくか、そういうことを着実にやっていくことで、事故が避けられるのではないかと感じた。
 これからもう6か月、除雪の時期も含まれてくるが無事故を目指して、皆さんで良い春を迎えられるよう頑張っていただきたい。」と挨拶があり、本大会を終了しました。