平成16年12月10日の中越地震土木学会調査団からの緊急提言に発した「シーニックバイウェイ」(沿道の景観や自然環境の保護・整備、観光振興に配慮した道づくり)を活用した中越地域の復興を考えるプロジェクトを進めるため、地域再生の今後の方向性を市民とともに考えるフォーラムを開催した。その後、学識者による検討会を経て、関係行政機関や地域代表も参加する「ふるさとニッポン・よりみち街道『中越』推進協議会」を平成17年10月4日に設立し、「道」を通じた中越地域の復興と活性化を支援する具体策について検討を行っている。
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(1) |
中越地震復興 シーニックバイウェイフォーラム
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座談会 |
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国道291号をはじめ被災した道路をただ単に復旧するのではなく、美しい景観を保ち、振興と交流を促し、ふるさとの可能性を広げてくれる道へと進化させる−「シーニックバイウェイ」の考えをもとに、「道」をきっかけとする地域復興の未来像について、約400名を超える市民とともに景観やまちづくりの識者らがパネルディスカッションを行った。
「日本の原風景を語り継げるような道づくりが必要である」、「震災前より暮らしも道もより魅力的にしなければならない」、「国道291号の復興は全国のモデルになる」などの活発な発言がなされた。
一方、アメリカのようなスケールの大きいところを連想する「シーニックバイウェイ」という言葉は、日本の原風景と呼ばれている中越地域には馴染みが悪いと市民から意見が出される。
開催日時: |
平成17年4月26日(火) 15:00〜
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開催場所: |
ホテルニューオータニ長岡
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主 催: |
国土交通省北陸地方整備局、新潟県、長岡市、長岡商工会議所、新潟日報社 |
【基調講演】
<講師:長島 忠美(長岡市復興管理監、前山古志村長)>
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地震の翌朝目にした村の光景 −山が動き、川は流れを変え、道路は寸断され集落が孤立し、住民は不安におののく− は、想像をはるかに超える悲しいものだった。全ての村民が復興は可能かと不安を持っていたが、国や県が連携して復旧に取り組み、マスコミに数多く取り上げられ、全国から大きな支援を受ける中で、再び村へ戻ることを許された気がした。
中山間地は住まいだけの空間ではなく、住民が自然と闘い、思いを共有し支え合ってきた地域である。そこへ帰れる可能性を示すことが行政の大きな役割である。 |
【パネルディスカッション】
座 長: |
家田 仁(東京大学大学院工学系研究科・社会基盤学専攻教授)
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パネリスト: |
臼井 純子(富士通総研取締役PPP(官民協働型プロジェクト)推進室長)、
上山 良子(上山良子ランドスケープデザイン研究所代表取締役所長)、
長島 忠美(長岡市復興管理監、前山古志村長)、
木村 哲郎(新潟日報社編集局次長) |
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(2) |
新潟県中越地震被災地の復興と活性化を支援する道路及び周辺施設のあり方に関する検討会
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4月のフォーラムの座長である、東京大学大学院の家田教授の呼びかけに賛同して集まっていただいた30人の官・学・民の有志により、「道」という切り口から地域の復興と活性化を図るために何ができるかについて様々な立場で意見交換を行うことを目的に開催された。
開 催 日 |
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平成17年9月13日(火)
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開催場所 |
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ホテルニューオータニ長岡
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出 席 者 |
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学識経験者、地元市町、新潟県、国土交通省北陸地方整備局
座長:家田 仁(東京大学大学院工学系研究科・社会基盤学専攻教授) |
このプロジェクトが描くビジョンを地域の人々に示し、理解と協力を得る必要がある。そのため、できるだけ早く具体策を提案することとした。また、この取り組みを「ふるさとニッポン・よりみち街道『中越』」と提唱し、継続的に活動するために協議会を設立することも快諾された。
具体的な道づくりにおいて、次の方向性を示した。
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1) |
地域固有の景観や自然、歴史・文化を活かすこと |
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2) |
昔の街道のように人・物・文化の交流や地域の連携が促進されること |
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3) |
地域の人々が愛着や誇りを持つこと
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4) |
地域のコミュニティを育むこと
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(3) |
「ふるさとニッポン・よりみち街道『中越』推進協議会」の立ち上げ(第1回推進協議会の開催)
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第1回協議会の開催状況 |
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シーニックバイウェイを活用し、「道」を通じて被災地域の復興と活性化を支援する具体策の検討を継続的に行うことを目的に推進協議会を平成17年10月4日に立ち上げる。
会長に東京大学大学院 家田教授、副会長には長岡造形大学 鎌田学長が選任される。
なお、具体の検討を進めるために三つの分科会を設けた。
開 催 日 |
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平成17年10月4日(火) |
開催場所 |
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ホテルニューオータニ長岡
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参 加 者 |
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第7章第5節参照 |
【委員から出された主なアイデア等】
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・道の駅の整備や道の駅と連携した集合住宅の検討
・巡回バスの運行
・外からではわからない沿道の地域資源の発掘と整理
・地域の情報発信や交流拠点の整備
・語り部の育成等によって地域の魅力の発信
・復興フラワーロード
・イベントや市場や食を目的とした周遊コースの設定
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【分科会の名称と座長】
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1) |
よりみち街道の基本的考え方に関する分科会(座長:長岡造形大学 平井教授)
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2) |
一般国道291号パイロット分科会(座長:(社)雪センター 酒井理事長)
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3) |
よりみち街道『中越』クラブ設立・推進分科会(座長:(株)富士通総研 臼井取締役)
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この他、長岡造形大学の鎌田学長デザインによるロゴマークが披露された。
推進協議会では引き続き、被災地域の方々に喜ばれ、地域で持続できる「道」を通じた復興と活性化を支援する具体策を考え提案していくこととしている。
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