(委員A) |
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黒部川の連携排砂・通砂を行うには、この地域の信頼の中で行うということが最も重要であると思う。その中で、目標排砂量は今年度も当初は3千m3、その後2千m3から6万m3に変更となり、結果として実績が12万m3となった。このように土砂量の精度がほとんど失われていることが、連携排砂・通砂の信頼性にかかわると思っている。 |
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この目標排砂量の精度をどのように上げていくのかということについて、来年度に向けて具体的に、また効果のある方法を示していただきたい。 |
(委員B) |
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今年度における愛本合口堰堤での取水停止時間は47時間ということであったが、これまで連携排砂・通砂を11回実施している中で、今年度の実績と比べてどの程度であったのか、時間的に何番目ぐらいであったのかを教えていただきたい。 |
(事務局) |
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平成13年から今年度まで全体で11回、連携排砂・通砂実施時に取水停止が生じているが、今年度の取水停止時間である47時間7分は、長いほうから数えて5番目に長い時間であった。 |
(座 長) |
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今年度の計画では自然流下時間は出し平ダムで2時間ということで、従前の12時間に対して自然流下時間を2時間に短縮する努力はしていたと思うが、その辺りの関連について補足していただきたい。 |
(事務局) |
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これまでより自然流下時間は10時間短縮されたが、降雨状況によって結果的に今年度は47時間と、若干長くなった。 |
(委員B) |
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入善町には農家が多いため、できるだけ取水停止時間を少なくしていただきたい。昨年もお願いしているが、連携排砂を開始する場合、できるだけダムの貯水位を下げる対応により連携排砂にかかる時間を短くしていただきたい。出穂の時期に取水停止となると農家へ大変な迷惑となることから、できるだけ取水停止時間を短くしていただきたい。 |
(事務局) |
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平成18年度に実施しました試験通砂では、通常より7m下の高さからダム貯水位の低下を始めた。これにより取水停止時間は27時間48分と、過去、最短を記録した。ダムの貯水位を低い状態から始めるというのは、取水停止時間の短縮には非常に効果があると考えているので、今後も、このような方法を検討していきたいと思っている。 |
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ただ、このような方法の実施については、関西電力さんの協力も必要かと思っている。 |
(委員B) |
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関西電力さん、ぜひ宜しくお願いします。 |
(委員A) |
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排砂量に関して、目標と実績の差を縮める具体的な方法を聞かせいただきたい。 |
(委員C) |
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できるかぎり精度の高いシミュレーションを目指して今後とも検討していきたいと思っている。 |
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ただ、洪水の波形、洪水が運んでくる土砂の密度、河川の形状など、非常に多くの要因を含んでいるため、データを今後とも積み重ねながら精度向上を図っていきたい。 |
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また、評価委員会の委員より、ある程度の幅を持たせて評価してはどうかというような意見も出ているので、評価委員とも相談しながら、幅を持たせることが可能かどうかも含めて検討していく。 |
(委員A) |
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もともと目標と実績とを合わせることは、ほとんど不可能であると思う。 |
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3千m3というのは、河床の面積に換算すれば1cm程度の厚みであり、そのような状態の土砂をどのように排出するかという調整は、もともと無理な計画である。土砂量の精度を上げるということより、排砂量の表現の仕方を変えるべきであると思う。 |
(委員B) |
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排砂時においては、やすらぎ水路へ水が流れなくなってしまう箇所が多くある。そのような箇所への対策を、今後どのようにされるのか教えていただきたい。 |
(事務局) |
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今年度、洪水時を含め排砂・通砂時にやすらぎ水路の水が枯れないようにするには、どのようにすればよいか検討を行った。その結果、例えば自噴の井戸を掘る、あるいは川の底に有孔管を埋め、そこへ川底の土砂の間を通ってろ過されてきた水を集めて、やすらぎ水路に導水するという方法の2つが有効であると考えている。 |
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来年度以降、このような方法を新たに整備するやすらぎ水路に活用し、水が枯れてしまうという問題のある既存のやすらぎ水路についても順次改修していきたいと考えている。 |
(委員A) |
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土砂量に関して、目標と実績を合わせるということは非常に困難であると思っている。もう少し一定の幅を持った目標排砂数量で決めていくことのほうが、地域にとって安心、信頼につながると思うので、検討いただきたい。 |
(事務局) |
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排砂量の幅につきましては評価委員よりも提案はあったので、前向きに検討していきたいと考えている。 |
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幅を持たせることについては、どのような要因を幅に組み込ませるのかといった問題もあるが、今まで得られたデータをもとにして評価委員会の中で審議いただき、できるだけ次年度の計画の中に何らかの形で反映していきたいと考えている。 |
(委員D) |
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朝日町では、あまり大きな問題はないが、やはり、土砂量に関して目標と実績が合わないというようなことが、土砂管理協議会での信頼や評価につながるものと思われる。2千m3、3千m3などの少ない厳格な数字ではなく、これまで13年間で実施した中で一番少ない排砂量は6万m3であったが、そのような数値を土砂量幅の目標として設定していくことも一つの方法であると思う。また、環境の問題については、時間をかけてデータを積み重ねていかなければ新しい方向性は出ないので、継続した調査は重要だと思う。 |
(座 長) |
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地域の方々の信頼を得るような形での、しっかりとした説明責任が必要である。地域の方々に理解していただけるような表現を意識して説明していくことが大事である。特に、土砂収支の精度向上や、農家の方々にとっての取水停止時間も非常に関心が深く、また、環境の面からは、やすらぎ水路への流水の確保といった課題が挙げられた。 |
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環境調査についても継続して実施していくことが必要である。 |
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これらを踏まえて、平成20年度の連携排砂及び環境調査計画を策定し、次回の協議会に提示していただく。 |