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■下水道施策の紹介■
8.合流式下水道の改善
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 下水道事業はトイレの水洗化のみでなく、自然環境の保全や未利用エネルギーの利用、親水空間の整備、最近課題となっている集中豪雨等による都市型浸水への対応など様々な役割を果します。
 ここでは各種事業を北陸管内で実際に行われている事例とともに紹介します。



8.合流式下水道の改善
概要
 比較的早期に整備された下水道では、1本の管渠で汚水と雨水の両方の排除を行う「合流式」を採用しています。大雨の際は処理能力を超えて雨水が大量に流入するため、下水が処理されないままポンプ場や雨水吐口などから直接河川に放流されるため、雨水によって希釈されているものの、その下水の影響で河川や海の大腸菌濃度などを高める問題が指摘されています。このため、当面の改善策として、1.汚濁負荷量を分流式下水道と同程度以下、2.未処理水の放流回数を半減、3.きょう雑物の流出防止、の3つの目標を設定し、おおむね10年以内に緊急的に改善します。

【合流式下水道の実態】
 北陸地域では、右図のとおり合流式下水道を採用しているのは自治体は、新潟市など8市あります。下に示すように8市全体の面積で約2割、処理人口では約3割の35万人の人が合流式に接続されています。また、雨水により希釈されていますが未処理の放流量は年間で約4%の1千万m3にもなります。
【合流式下水道の採用自治体】

【新潟県新潟市での合流改善の取り組み】
 新潟市万代地区の下水道は合流式で、過去にたびたび浸水被害を受けています。この地下空間を有する万代地区を浸水被害から守るために雨水貯留管を整備中です。この雨水貯留管は、雨天時に汚水が未処理で放流されることを防ぐため、貯留された雨水を晴天時に再び合流式の下水管にポンプアップし処理場に送ります。また、この他にも新潟市ではスワール分水槽(流入する下水の速度により渦流を発生させて、固形物を中央に集め除去し、放流水の水質を改善する施設)を試験施工する予定です。
【貯留管による合流式下水道改善】




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北陸地方整備局建政部