手取川は、その源を白山(標高2,702m)に発し、山間部を経て白山市鶴来大国町付近より穀倉地帯である加賀平野を西流し、白山市湊町付近にて日本海に注ぐ、幹川流路延長72km、流域面積809km2の一級河川です。白山市鶴来大国町地先から海に至るまでの区間と、手取川ダム区間が大臣管理区間となっています。
手取川流域の関係市町は、白山市、小松市、能美市、川北町、野々市町の3市2町にまたがっており、水量豊かな手取川の水は、古くから発電や農業・生活用水などに広く利用され、地域の住民に恩恵をもたらしてきました。
また、上流域には治水、利水を目的とした手取川ダムや大日川ダムが完成しており、下流域の治水安全度の向上だけでなく、発電、上水道水、かんがいの供給などを行っています。
しかし、その反面、度重なる洪水氾濫により多くの人命、財産を失った歴史もあり、手取川という大自然との共存が地域住民の重要な課題でありました。
手取川扇状地は石川県を代表する穀倉地帯であるとともに、豊富な地下水を利用した先端技術などの企業立地が進んでいるほか、一般国道8号、北陸自動車道、JR北陸本線などの重要な交通幹線や、石川県の人口の約8割に給水する上水道をはじめとするライフラインが横断するなど、経済、社会面での重要な基盤をなしています。
また、上流域も含め、豊かな自然や史跡、名勝なども多いことから、文化面でも重要な役割を果たしています。
手取川は加賀平野を潤し、白山の豊かな恵みを未来につなぐ“母なる川”なのです。
「加賀平野を潤し、白山の豊かな恵みを未来につなぐ“母なる手取川”」を河川整備の基本理念とし、次の3つの項目を基本に手取川の川づくりを実践します。
急流河川である手取川での洪水氾濫から流域住民の生命と財産を守るため、住民参加による安全で安心な『かわづくり』を目指します。 |
清流手取川がもたらす恩恵を守り継承する『かわづくり』を通じて、魅力と活力のある『ふるさとづくり』を目指します。 |
サケやアユに代表される優れた自然を保全しつつ、地域の文化を踏まえた魅力ある河川空間の整備や、川を中心としたネットワークなどの構築を通じて、歴史、文化、先人の知恵、技術の伝承を目指します。 |
||||