小松市を守った水防活動


(1)もしもに備えて・・・

 梯川洪水予報や梯川水防警報、その他の情報に基づき、小松市では、20日21時20分に梯川沿川の8地区2,273世帯に対して、また寺井町では、23時5分に1地区21世帯に避難勧告が発令されました。


(2)水防団の活動 写真:古府町で行った土のう積み(21日撮影)
古府町で行った土のう積み(21日撮影)

 金沢河川国道事務所が発表した水防警報などに基づき水防団が出動し、市内各地の河川や水路の増水に対処するため、夜を徹して厳重な警戒にあたりました。20日夜から21日早朝にかけて、市内6箇所で延べ259名の水防団員が、排水作業や土のう積みを行いました。


(3)内水被害を防ぐ

 国土交通省、小松市や各町内会では、梯川の水位が上ってきた20日17時頃から、排水樋管のゲートを締めて梯川の洪水が逆流するのを防ぎました。
 また、前川排水機場をはじめ梯川の各排水機場では、ポンプをフル稼働させ、内水の排除にあたったほか、排水機場の手助けとして金沢河川国道事務所の排水ポンプ車や小松市が準備した仮排水ポンプを使い、浸水被害の防止にあたりました。

写真:水位が上昇した梯川の様子  梯川の水位上昇により、前川の水が自然に梯川へ流れなくなりました。そこで、梯川逆水門を全閉し、20日18時45分から21日10時まで、前川排水機場のポンプをフル稼働し、前川の水を梯川へ排水しました。

前川排水機場のポンプは、小松ドーム1杯分の水(約60万m3)を約2時間半で排出する能力があります。
写真左:20日22:30 右:21日6:30
20日22時30分 国土交通省監視カメラ撮影 21日6時30分 国土交通省監視カメラ撮影
写真/九竜橋川排水機場での排水作業状況

 国土交通省では、小松市の要請により、「九竜橋川排水機場(丸の内町)」に排水ポンプ車1台と照明車1台を出動させ、10月20日21時30分から翌朝7時まで、排水ポンプ車で九竜橋川排水機場の排水の手助けをしました。
 その後、まだ梯川の水位が高く、樋管のゲートを開けると梯川の水が逆流してくる恐れのある「どうば川樋管(平面町)」にて、水路に溜まった水を排水しました。



 「梯川がもし氾濫したら」


 下の地図は、100年に1回の確率で起こる大雨が降った場合に梯川の氾濫により、浸水が想定される区域と浸水深を示した「梯川浸水想定区域図」です。図中の写真は、この浸水想定区域図を基に、小松市の各地域で想定される最大の浸水状況を合成写真により表現したものです。
 小松市が製作した梯川洪水避難地図(洪水ハザードマップ)と合わせて、万が一に備え、避難場所や避難経路を確認したりするなど、水害に対する日頃の備えをしておきましょう。

※下の図と同じものをPDFファイル(434KB)でもご覧いただけます。《こちらをクリックしてください》

丸内中学校周辺の想定水深は、1.0m〜2.0m未満 梯川浸水想定区域図 梯川浸水想定区域図 能美小学校周辺の想定水深は、1.0m〜2.0m未満
小松市役所周辺の想定水深は、0.5m未満  梯川浸水想定区域図
JR小松駅周辺の想定水深は、0.5m未満 ロードパーク中海周辺の想定水深は、1.0m〜2.0m未満
苗代小学校周辺の想定水深は、0.5m〜1.0,未満 第一小学校周辺の想定水深は、0.5m〜1.0m未満 凡例

説明文

  1.  この浸水想定区域図は、梯川水系梯川の河口から上流12.2k地点までの洪水予報区間で洪水はん濫した場合において、水防法の規定により指定された浸水想定区域と、当該区域が浸水した場合に想定される水深を示したものです。
  2.  この浸水想定区域図は、現在の梯川の河道整備状況、赤瀬ダムの洪水調節施設の状況等を勘案して、洪水防御に関する計画の基本となる降雨である概ね100年に1回程度起こる大雨が降ったことにより、梯川がはん濫した場合に想定される浸水の状況をシミュレーションにより求めたものです。
  3.  このシミュレーションの実施に当たっては、前川、八丁川等の支川や隣接する手取川のはん濫、想定を超える降雨、高潮、内水によるはん濫(雨水が河川に排水できなくなり生じる浸水被害)等を考慮していませんので、この浸水想定区域に指定されていない区域においても浸水が発生する場合や想定される水深が実際の浸水深と異なる場合があります。
  4.  なお、梯川右岸部については、隣接する洪水予報河川手取川のはん濫の影響が考えられますので、手取川水系手取川浸水想定区域を参照する必要があります。