手取川ダムは昭和49年に「治水」「都市用水の供給」「発電」を目的に手取川総合開発事業の一環として工事に着手し、6年の歳月と約770億円の予算をかけ、昭和55年に完成しました。高さ153m、総貯水量2億3,100万m³。(有効貯水量1億9,000万m³)ダム建設に伴う水没面積は約510ha、補償戸数330戸にのぼった、日本でも最大級のロックフィルダムです。
手取川水系河川整備基本方針に基づいて、基準地点の鶴来観測所における基本高水のピーク流量6,000m³/sを大日川ダムと合せて、1,000m³/s調節し、計画高水流量を5,000m³/sにする役割をはたしています。
平成23年9月20日〜9月23日の台風15号による大雨では、昭和9年7月11日の大洪水とほぼ同程度の洪水であったにもかかわらず、上流からの洪水を全て貯留しました。
位置 | 石川県白山市女原 |
河川名 | 手取川水系手取川 |
型式 | 中央遮水壁型ロックフィルダム |
ダム天端標高 | EL 469.00m |
堤高 | 153.00m |
堤頂長 | 420.00m |
堤頂幅 | 12.00m |
堤堆積 | 10,050,000m³ |
計画洪水量 | 2,400m³/s |
白山の山々を湖面に映し、 満々と青い水をたたえる手取川ダム。 巨大な岩や土を緩い勾配で盛りたてて作った ロックフィルダムです。
石川県鶴来浄水場
手取川ダムの水は金沢市を中心として、北は七尾市能登島から南は加賀市まで供給。県内の給水人口の実に7割以上をまかなっています。
手取川ダムを水源として、1日に水道用水で最大44万m³、工業用水で最大5万m³の供給を行うことができます(計画)。白山市の中島地先で取水された水は、現在、9市4町へ供給されています。平成6年夏の渇水においても供給制限の措置を行わず、安定した供給を確保しました。
手取川ダムの水は、下流第二ダム、第三ダムを経て、それぞれ第一発電所(電源開発(株))、第二発電所(北陸電力(株))、 第三発電所(北陸電力(株))により発電されて、白山市中島地点において手取川本川に放水されています。3発電所の認可出力は最大367,000kwで、火力等も含めた県内発電所の合計出力に占める割合は10%(平成13年度)です。水力発電は、クリーンエネルギー、資源の有効利用として見直されています。
手取川ダム取水塔
第一発電所 最大出力250,000kw
手取川ダム直下流の2.2kmは、発電バイパス区間であることから、水がほとんど流れていませんでした。そのため、藻類発生による悪臭の発生や、魚類の生息環境の悪化など、著しく河川環境が悪化している状況でした。
そこで、河川環境の改善を図るべく、平成14〜15年度にダム下部の放流管から分岐した維持放流管を設ける工事を行い、平成16年4月より維持放流を開始しました。これにより、魚類等水生生物の生息環境等、水環境が大きく改善されました。
ダム直下流の状況(維持放流前)
藻類の発生状況(維持放流前)
維持流量放流設備からの放流状況
環境の改善
国土交通省と水資源機構の管理するダムでは、ダムのことをより知っていただこうと、「ダムカード」を作成し、平成19年度の「森と湖に親しむ旬間」(7月21日〜31日)中より、ダムを訪問した方のみに配布しています。カードの大きさや掲載する情報項目などは、全国で統一したものにしており、おもて面は、ダムの写真、うら面は、ダムの形式や貯水池の容量、ダムを建設したときの技術、といった基本的な情報からちょっとマニアックな情報までを凝縮して載せています。
ダム名 | 設置場所 | 配布日時 | Ver. | ダム所在県名 | 設置場所住所 |
---|---|---|---|---|---|
手取川ダム | 手取川総合開発記念館 | 9:00〜16:30 (毎週木曜・祝日の翌日 木曜が祝日の場合はその翌日は除く) 12月〜3月閉鎖(積雪により開館月は不定期) |
1.0 | 石川県 | 白山市桑島9-24-30 |
白山砂防科学館 | 開館時間 午前9:00〜午後5:00 観覧料 無料 休館日 毎週木曜日、年末年始(12月29日〜1月3日) |
白山市白峰ツ40番地1 | |||
道の駅「瀬女」 | 9:00〜17:30(白山観光物産センター) 水曜日は除く(6月上旬〜11月中旬は無休) |
白山市瀬戸寅163-1 |
森と湖に親しむ旬間(例年7月ごろ)の期間に合わせて、手取川ダムでは手取川ダム見学会・流木無料配布を実施します【令和6年度詳細はこちら】PDF/263KB
|戻る|