跡津川(あとつがわ)奥飛騨の砂防チェック!-⑯

基本解説
  • 国道41号と同じように、下を流れる高原川もクランク状に流れの方向を2度にわたってほぼ直角に変えている。
  • この高原川が東方向に流れている約3kmの北側に、大地震のたびに横ずれしてきた日本有数の活断層である跡津川断層がある。
  • 跡津川断層は、数百万年前から地震のたびに断層面がずれる活断層で、富山県の有峰から跡津川沿いに通り、この地点で高原川を横切って白川村、白山に達している。
  • 安政5(1858)年には、この活断層が原因で飛騨地方では角川(つのがわ)地震と呼ばれるマグニチュード6.9の大地震が起こり、現在の河合村を中心に70ヵ村に被害が発生し、倒壊した家は709軒(うち埋没13軒)、死者203人、牛馬87頭が死んだ。

→① 特に人口が集中していた河合村の角川地区では、全98戸のうち77戸が倒壊した。

→② この地震で隣の富山県では鳶山(とんびやま)が崩れて常願寺川の上流をせき止め、これが後で決壊して現在の富山市内が土砂で埋まってしまった。

  • この跡津川の周りの山は非常に崩れやすく、跡津川と高原川の合流地点から跡津川を約4km上流に上っていったところに佐古砂防えん堤がある。