地獄平砂防えん堤奥飛騨の砂防チェック!-⑩

基本解説
  • 神坂の前方に見える「めがね橋」のような建造物は、蒲田川の水害や土砂災害から温泉郷を守る砂防えん堤。
  • 昔、この周辺では火山から吹き出る硫化水素によって、餌を捕るためにここに迷い込んだ多くの動物が死んでしまったことから、このあたりは地獄平と呼ばれていた。
  • 現在は、周りに温泉街が発展して豊かな土地になり、地獄が地獄でなくなった。そうしたことへの感謝の気持ちを忘れず、これまで砂防にかかわってきた先人の労苦を讃え、今後の地域の更なる発展を願って地獄平砂防えん堤と名づけられた。
  • えん堤には高さ5.5mの大暗渠が5門設けられ、普段は水や魚が普通に通ることができるようになっている。そして、洪水が発生した時は大量の土砂が一度に流れ出ないように食い止めるように作られている。
  • また、えん堤本体には、現地産の石を利用した約20種類の亀甲型の玉石が使われ、えん堤上部には中国産の御影石が使われている。
«参考»

なお、北アルプスの山岳には二重稜線や非対称山稜のような高山地形、圏谷や氷河堆石などの氷河地形や周氷河地形、山稜や山頂などで砂礫が線状や亀甲型に並ぶ構造上の現象が多く見られるという。

(「飛騨地誌」より)

  • 上を人が通れるようになっており、晴れた日には遠く槍ヶ岳を望むことができる。