焼岳奥飛騨の砂防チェック!-⑥
基本解説
- 長野県と岐阜県の県境にまたがる活火山。火山活動度ランクBに分類されている。
- 約2万年前に活動を初めて以来、数千年~数百年間隔で大きな噴火を繰り返してきた火山で、約2300年前の大噴火では、山頂にできた溶岩ドームにより「中尾火砕流」と呼ばれる火砕流が発生した。このときの火砕流によって焼かれた樹木が地中から発見され、奥飛騨さぼう塾(神通砂防資料館)の中に展示されている。
- 最近では明治以降に活動が活発になっており、中でも上高地の梓川をせき止めて大正池を作った1915(大正4年)の噴火が有名。
- その10年後の大正14年にも噴火を起こしており、足洗谷で泥流が発生している。また、このとき麓では飲み水がなくなってしまい、下流にある「たるまの滝」から氷結した水を持っていって使用したという。
- 最近では、昭和37年に噴火し、中尾地区の山腹に長さ500メートルという大きな亀裂ができた。このとき、飛んできた巨大な噴石で河口付近にあった山小屋が壊され、山小屋の従業員2名は怪我をしながらも一目散に長野県の方へ駆け出して助かったという。
- 平成7年2月、中ノ湯側の取り付け道路付近で水蒸気爆発が発生し、噴出した6000立方メートルの土砂があたり一帯を埋め尽くし、4人の作業員の方が亡くなった。その後、遺体は立ったままの状態で見つかり、逃げる間がないほどの一瞬の出来事だったことがわかる。この事故で、安房トンネルの工事は中ノ湯側のトンネルの坑口を山側へ振るという迂回コースに変更されている。