掲載日:2017年9月27日

無事故・無災害へ決意新たに

高田河川国道事務所工事安全対策協議会は、9月21日、糸魚川市マリンドリーム能生で、「建設労働災害防止大会」を開催しました。
この大会は、毎年9月第4週の北陸地方整備局「建設労働災害防止週間」活動の一環として、発注者・受注者が一堂に会し、新たな決意のもと安全管理の原点に立ち返り、工事現場における労働災害の撲滅を図ることを目的に行っているものです。
工事担当者、安全協議会役員、監督支援業務担当技術者、事務所職員など、約150人が参加、安全への意識を再確認するとともに、労働災害のない安全で安心して働ける職場環境の形成を目指して邁進することを確認しました。

安全は「担い手確保・育成、働き方改革」の基本

冒頭、挨拶に立った村下会長(高田河川国道事務所長)は、「建設産業は社会資本整備、管理、災害があればいち早く取り組んでいただける、地域に欠くことのできない産業、地域に根付かなければならない産業です。少子高齢化、人口減少を背景に建設産業も苦労しているが、担い手確保・育成、働き方改革など新たな取り組みなど変革期にあります。
安全が確保されていなければ新たな取り組みも出来ない、労働災害に関する取り組みはその基本となるものです。
冬を前に、工事現場は最盛期に入りますが、事故が1件でも発生しないようご協力をお願いしたい。」と呼びかけました。

上越労働基準監督署 村山安全衛生課長

上越警察署 大島交通課長が講話

村山安全衛生課長は、「上越労働基準監督署管内の建設業における労働災害は、長期的には減少傾向にあるが、墜落災害が多く最近比較的低い脚立、梯子からの落下が目立ってきている。厚労省のパンフレットでも記載されているが、墜落災害防止対策として、「はしごや脚立の使用自体を避け、墜落の危険性が相対的に低い可搬式作業台(ローリングタワー)や場所が広ければ高所作業車に変更できないか。」と話されました。
また、「墜落時の身体保護の観点から、フルハーネス型安全帯の着用を原則とする関係法令を改正予定」と説明されました。
上越警察署大島交通課長は、高田河川国道管内の上越、妙高、糸魚川警察署の交通事故発生状況、死亡事故事例の説明、受傷事故防止のポイントとして、「道路は常在戦場である」という自覚をわすれずに、交通誘導警備員との連携、相互に声を掛け合い、注意を喚起することが重要と話されました。

「現場で求められる安全管理」

建災防新潟県支部糸魚川分会 安全指導者 保坂義博氏

安全指導者の保坂義博氏は、「現場で求められる安全管理」と題して講演を行いました。
労働安全衛生法の条文は、「事業者は・・・」と書かれている。即ち、管理監督する人まで含まれており、事業者がこの法律を守ることが大事です。
本音の危険予知活動はなかなか難しい。①本当に今日一日の安全につながるのか。②KYボードの掲示は、働く人たちが仕事の合間に見て、思い出して事故防止につながる。③始業前点検はチェック項目が膨大にあるが、大事な部分はそう多くないので、チェックマークをただ付けるだけになってしまわない様に、簡単なものから徐々にレベルを上げて行くことが大事です。

事故が起きてしまった場合、同種災害防止のために原因究明を行うと、これをやっておけばと意見は10個くらい出ます。多分、その中の一つでもやっておくと事故は防げたと大体はそうなります。
計画届けは参画者を加えて社内審査を行うこと、労働者不足、時間外労働、時間外労働に関する協定届け(36協定)等の話がされました。

安全優良受注者表彰者が安全管理事例を報告

9月19日に行われた北陸地方整備局安全管理優良受注者表彰がありました。
北陸地方整備局管内で17者が受賞、高田河川国道事務所安全協議会員から、「歌高架橋切替改良工事」を施工した(株)笠原建設が受賞され、大会で受賞披露が行われました。
また、同工事の現場代理人磯貝浩氏から歌高架橋切替改良工事での安全管理に関する取り組みについて、現場における様々な取り組み、会社としての取り組みなど事例報告をして頂きました。

安全十訓唱和、安全宣言を採択

田辺建設(株)の山岸昌治氏の先導で参加者全員が「安全十訓」を唱和、田中産業(株)の渡辺貴洋氏から、『安全管理の基本に立ち返り、労働災害のない安全で安心して働ける職場環境の形成を目指す』と、「安全宣言」を提案、採択しました。

西田副会長が閉会挨拶

大会の最後に、西田副会長は、「少子高齢化を迎え、新卒者の採用困難が建設業に限らず全産業で発生、働き方改革で労基法が改正されると、建設業も時間外労働の罰則付き上限規制適用が5年後から見込まれています。
工事は限られた人員と工期の期間の中で行う受注者には、技術者の育成、効率化、休日確保等、管理の変更が求められています。
降雪期まであと三ヶ月、限られた期間の中で不順な天候を考慮した計画と実施、会社のバックアップにより、今年度残り六ヶ月の安全確保をお願いします。

発注者の皆さんには、工期変更の柔軟な対応、施工時期の平準化に向けた一層の取り組みにより、事故の起こりにくい環境作りをお願いします。
両者の協力により、無事故で工事が終えられることを祈念し本日の会を閉じさせて頂きたい。」と大会を締めくくりました。

大会で採択された安全宣言