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信濃川中流域水環境改善検討協議会

第35回協議会

以下の事項について承認、審議していただきました。

  • 報告事項
  • 議事
  • その他

1.報告事項

(1) 西大滝ダム減水区間における令和4年度モニタリング調査結果(資料1) 

<東京電力リニューアブルパワー(株)・長野県・事務局から、「西大滝ダム減水区間における令和4年度モニタリング調査結果」について報告があった。> 


委員:

p11のサケ遡上環境補足調査について、清津川、中津川等の合流部で環境DNA調査をされているが、11月7日のたった1回の調査でサケの遡上の有無について言及している。遡上の有無について言及するのであれば、調査頻度を多くして慎重にやらないと言い過ぎであると思う。実際に西大滝ダムまでは遡上しているが、調査日が違うと検出されなかったという結果になっているので、特に密度が低いような場合には慎重に対応しないといけない。

事務局:

頂いた意見を踏まえて、また慎重に検討してまいりたい。

 

(2) 宮中取水ダム減水区間における令和4年度モニタリング調査結果(資料2)

<事務局・東日本旅客鉄道(株)から、「宮中取水ダム減水区間における令和4年度モニタリング調査結果」について報告があった。>


(3) 第9回信濃川発電所宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会開催結果報告(資料3)

<東日本旅客鉄道(株)から、「第9回信濃川発電所宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会開催結果報告」について報告があった。>

委員:
環境DNA調査で代替することで、魚への負荷が少ない調査方法になり私は良いと思うが、この調査はコストが大きくかかるということはあるか。これは実際の捕獲調査よりもコスト的に良いということか。

東日本旅客鉄道(株):
環境DNA調査への切り替えに関しては、これからどのような形で実施できるかという勉強を始めたところで、現状としては検体数を多めに分析を行っている。今後どのような検体数で調査手法の代替が可能かということを勉強することにより、少なくとも今よりは費用は下げていけると思っている。

委員:
了解した。


2.議事

(1) 宮中取水ダム減水区間および西大滝ダム減水区間における令和4年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)(資料4)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間および西大滝ダム減水区間における令和4年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)」について説明があった。>

委員:
質問ではなく、私の意見を述べさせていただきたい。本協議会については、信濃川中流部の減水区間について水利用と水環境の現状を把握し、調和のための方策を検討し、実現に努めることを目的として今日まで活動を続けてきているものと承知している。また、今日まで調査・検討を重ねてこられた結果、現在の河川環境はサケをはじめとする魚類の移動を阻害しない条件が維持されており、問題はないと評価されていることについても理解している。その上で、今回の議事に対する意見ということではなく、私のサケの遡上環境に対する考えについて発言させていただく。江戸時代の資料と記憶しているが、飯山市内にある千曲川の支流、一級河川の皿川では、川面が見えなくなるくらい当時はサケが遡上していたという資料がある。当時のようにサケが遡上する河川環境を取り戻したいという思いがある。今回の調査報告では、サケの遡上数が少なかった要因として、本州日本海側と新潟県のサケ来遊数の傾向から自然変動による影響が大きいと評価されている。サケは生まれた川を遡上すると言われている。しかし、現在までの稚魚放流は、千曲川を西大滝ダムの上流まで遡上したサケの稚魚の放流ではない。また、ダムの放流量についても、様々な流量で試験が行われたと承知しているが、サケ遡上期の河川流量は遡上数への影響が大きいと考えていることから、遡上数が少なかった要因の一つに河川流量も関係しているのではないかと推測している。参考までに、この協議会で過去に提出された平成20年1月15日の第16回の会議資料を配付させていただいた。以上、私の思いであるが、多くの沿川住民の気持ちでもある。

事務局:
ご意見を承った。これまでの経緯や調査の結果等はご指摘のとおりである。河川流量については、本協議会で議論された流量を流して、現時点で問題は見受けられていない旨をご報告したところだが、沿川市民の思いや委員の思いを受け止めさせていただきたい。

会長:
本協議会でも10年間にわたり様々な検討を行い、サケの遡上数は年度によって差異はあるが、河川環境、遡上環境としては一定の効果があると判断しているので、その点についてもぜひご理解いただきたい。

委員:
西大滝ダムで5年前に60万匹という多くのサケの稚魚を放流しており、それに対する評価が重要だと思う。魚道で放流したため、西大滝ダムの取水口に吸い込まれる確率は無視できるが、遡上数は去年1匹、今年2匹と非常に少なかった。一方で令和2年度では26匹と多くの遡上数が確認されており、3年魚が多く上ってきたという評価もできるため、放流は全く効果がなかったわけではないと思う。また、令和2年度以前にも35匹上った年度もあれば、0匹か1匹という年度もある。これは自然変動が大きいことによると思うが、去年の2カ年だけで、サケが遡上していないと結論づけることはできないのではないか。

会長:
委員のご指摘のように、年度による差異が大きいため、その評価というのは慎重に行わなければならないことは協議会でも共通の認識である。しかしながら、遡上数が多い年もあるためサケが遡上できる環境は一応整備されているということがこれまでの見解であると考えている。

<以降、特に意見や質問がなかった。令和4年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>

(2) 令和5年度以降の協議会運営方針(案)(資料5)

<事務局から、「令和5年度以降の協議会運営方針(案)」について説明があった。>

委員:
サケの遡上調査が今年度で終了ということに関して、私はそれで良いと思っている。宮中取水ダムと西大滝ダムにサケ捕獲用のトラップは、今後は、調査を行わないので一切設置しないのか。それとも、漁協が関係しているため、今後もトラップは設置するということであるのか。もしそうであるならば、捕獲数等については報告をいただく等の工夫できると思うが、実態はどうか。

委員:
今回の協議会においてサケの遡上調査は一定の評価が得られたという形で終了するという考えを示されている。当社としては、施設管理者としてこれからも河川環境への関心を失わないように、引き続き何らかの調査を考えている。漁協がどのようにするかは承知していないが、我々としても新しい手法が良いと考えている。例えば環境DNAでの調査も一つの方法であるが、評価が固まっていないため、検証を目的に並行してサケトラップを使った捕獲を継続することも考えられる。調査手法に関しては専門家の皆様と相談させていただきながら検討していきたい。

委員:
捕獲によるサケ遡上数の調査は今回で終了するが、世間の関心も高いので、今後調査される内容については、広く関心ある方にも分かるような形で進めていただくと助かると思っている。遡上調査は西大滝ダムの方でも終了の予定であるが、長野県で何か考えられていることがあれば教えていただきたい。

長野県:
長野県河川課が事務局を務めている「千曲川(西大滝下流)水環境保全協議会」(以下、「保全協議会」とする)という協議会がある。そちらではサケ稚魚の放流を通じて河川環境の保全と子供たちへの河川環境に触れる機会の創出を支援することを目的としてサケ稚魚の放流や見学会等を実施しているところである。その一環として、サケの遡上に関して何らかの調査を実施するか否か、保全協議会の委員の皆様に検討していただいているところである。

委員:
了解した。もし継続してトラップを設置するようであれば、「遡上数等は把握できると思う」ということで、申し上げた。

委員:
サケの遡上調査をやめる理由が明確でない点が気になる。また、サケ稚魚の放流は去年まで実施しているため、これから4年間ぐらいの間に戻ってくると予想される。お金をかけて、サケがたくさん帰ってくるようにという希望を込めて放流しているわけであり、加えて子供たちも巻き込んでいるわけだが、これから何匹帰ってくるか分かりません、調べませんというのもどうかと思う。あらかじめ打合せで、何年からサケの調査はしないということを両者の合意の下にやっているのならともかく、ある時に突然このように言われると、サケ稚魚を放流した方は戸惑うのではないかと思う。そのため、その辺は了解を得てやるべきではないかと思う。また、遡上調査をしないということは、サケ稚魚放流もしないということか。

事務局:
実際にサケ稚魚放流を行っている保全協議会の事務局とも十分調整をさせていただいた上でサケ遡上調査終了の提案させていただいている。来年度以降のサケ稚魚放流については、長野県から何かあるか。

長野県:
保全協議会の方で今年度もサケの稚魚の放流は実施する予定であり、来年度以降の稚魚の放流についても、委員の皆様に協議を図って今後決めていくこととなる。

委員:
何匹戻ってくるか分からないのに放流するというのは、理解が難しい。何らかの形で把握できれば良いと思う。サケ稚魚の放流をやめる理由としては、回帰率が非常に悪いので、「コストパフォーマンスが悪い」と言ってもらうと一番分かりやすい。北海道であれば100匹放流したら1匹~6匹上がってくるが、長野県の放流効果は、かつては1万匹に1匹ぐらいであったと思う。それが今や20万匹~30万匹に1匹というのが最近の状況である。あまり遡上率が悪いのであれば、コストパフォーマンスが悪い点と、動物の福祉の点が問題である。動物の福祉とは、ほとんど死んでしまう個体を放流するのはいかがなものかという倫理的な問題のことである。そのような見方もあるが、非常に遡上数が少なかったのはこの2年のことで、3年前はたくさん上がってきたため、そこがすっきりしない次第である。

会長:
この協議会でもサケの遡上数に関しては非常に詳細な調査を実施していただいて、遡上数の報告を毎年していただいた。当然、委員の「遡上数をカウントしなくなるのはどうか」という気持ちは私どももよく理解できるところである。しかしながら、協議会で担当してきたミッションとして、減水区間でいかに維持可能な河川環境を守っていくかというところで様々な検討を10年間実施してきた。協議会設立当初は、どれだけの水量を流すのか議論が行われた。最近はそれも落ち着いてきており、この協議会のミッションもほぼ達成でき、定常状態になりつつあると考えている。その中で、委員からも、いつまでこの協議会を持続するのかというご意見を頂いたりすることもあった。その中でこの協議会の在り方も少し変わってきており、今後は河川水辺の国勢調査(魚類)に合わせて5年に1回の開催となった。そうすると、今までのように様々な調査結果に併せてサケの遡上数もモニタリングするということも、今までのようには実施できなくなる。そのような点では、本来のミッションに戻り、この協議会で当初目的としていた減水区間の環境の改善はどうなったのかということに関して一定の結論を出し、その評価もこの協議会の中で委員の皆様に承認いただいたという状況である。サケの遡上数も大変関心のあるところだが、この協議会の中で数を報告するという在り方を少し変えたいというのが今回の事務局の提案と私なりに理解している。本日も委員の皆様からいろいろなお話を頂いて、今後サケの遡上数のカウントをどのように実施するのかについてはこの協議会とは少し形を変え、長野県それから新潟県の県民の皆さんにそれを発信していただくということを、意見を交わし、可能な方法を模索していく形で今後の取組をお願いしたいと思っている。本協議会としては、この協議会の中でのサケ遡上数の調査の実施というのは今年度で終了したいという提案である。委員の皆様にぜひその点ご理解いただければありがたいと思う。

委員:
この10年を超える調査によってこの協議会のやるべきことも少しずつ変わってきたのではないかということであるが、十日町市としても、JRをはじめ、実際にいろいろな調査に携わっていただいている皆さんのご努力に非常に敬意を表したい。魚類調査は5年に一度実施することで前回の協議会で合意されており、併せて水温調査なども、私どものお願いもあり、隔年ではあるが実測調査も計画していただきありがたく思っている。この協議会が発足して、特に不正取水以来、サケの遡上数について少なくとも十日町市民の関心は非常に強かった。先ほどの委員のご発言もまさにそのとおりだと思っており、長野県においても縄をなうようにサケが上がってくる千曲川、信濃川が本来であるというご意見は非常に理解できる。JRが、協議会として今後サケ遡上数の調査はやらないとしても、引き続き調査をしていただけるということであった。そして、魚道の構造改善検討フォローアップ検討委員会においても、さらなる遡上環境の改善を図っていただけるということで、非常にありがたく思っており、この魚道は世界に誇れるものであると思う。JRに伺いたいが、トラップを設置し実際に採捕するのではないかと思うが、もしやられるのであれば、実質的に協議会での調査ができるのではないかと思う。整理の仕方はあるかとは思うが、関心の高いテーマであり、一つのシンボルみたいな指標であるので、ぜひこれからも継続的に、サケの遡上に関してはデータが残っていくほうが好ましいのではないか。JRに実質的にどういう調査をやっていただくかというのは、この場でお聞かせいただきたい。調査の実施について担保できないのであれば協議会としてもう少し続けていただければありがたい。十日町市としても、引き続き補助事業などを活用して、サケの稚魚放流など子供たちも巻き込んだ形で今後もやっていきたいと思っているので、JRの今後の調査方針をお聞かせいただきたい。

会長:
協議会としては、当初の目的を達成したと考えている。今後例えばサケの遡上数をカウントするということにしたときに、それがどういう形でまた実施されるのかは、また関係者の皆様にご相談いただきたいと考えているが、この協議会の目的として、減水区間の環境改善、それが持続可能なものになっているのかということを検討してきた。そのような視点では、河川水辺の国勢調査(魚類調査)の実施年に合わせて協議会の開催も5年に1回となり、最後に委員の皆様から多数意見を頂いているサケの遡上数の問題が残っている。それが本協議会の一番の大目標かどうかというと、それに関連はするが、減水区間の影響という点では一定の結論を出しているというところである。委員の皆様のご発言の趣旨はよく理解できるし、今までカウントしているので、継続されることが望ましいと考えているが、そのカウントをどのように実施するか、また、その在り方については、できれば関係者の皆様でご審議いただいて、協議会としては当初の予定どおり、サケの遡上数をここで取り扱うのは中止とさせていただきたいということでお願い申し上げたいと考えている。異なる意見があるということは承知であるが、いかがか。

委員:
5年ごとの河川水辺の国勢調査(魚類調査)の中では、サケについてはどういう取り扱いになるか。

事務局:
5年に1回の河川水辺の国勢調査(魚類調査)については、マニュアルがあり、投網を打つといった捕獲調査が基本になるので、調査でサケが捕れればサケがいるということは分かる。ただ、実際に栄橋での調査となるので、魚道の部分での調査ではなくなる。

委員:
協議会での調査をやめた場合、どのように今後、魚道の改善も含めて、宮中の魚道において魚類調査をしていくのかJRに伺いたい。

委員:
魚道の構造改善につきましては、当社で事務局をしているフォローアップ委員会で、いろいろ取り組ませていただいている。今年度実施した部分については、遡上環境そのものについては国内外からも評価いただいていると思っているが、中規模出水時の土砂堆積が発生した場合に復旧が非常に手間取っているということもあり、魚道停止の期間が長引く傾向があるので、この形を変えていきたいというところで、今回のメインテーマとしている。こちらについては、引き続き実施していくということと、魚類の遡上調査に関しても、環境DNAに取り組みながら、並行してトラップの調査も引き続き実施していくということを今回報告させていただいている。まだ形は固まっていないがサケの調査についても同じような形で環境DNAを試したいと考えており、この検証のためにトラップを使った調査も引き続き実施してまいりたい。

委員:
トラップで捕獲したサケはどうなるか。

委員:
当社としてはカウントした後に上流に放流するというのがこれまでの考えである。一方で、漁協のほうで採卵をされるための捕獲というのもしているため、こちらの形についてはまた漁協のほうと相談したいと思っている。

委員:
漁協はJRの施設を使って捕獲して、採卵を同時にしているということであれば、今後も漁協との関係で、ずっとトラップにサケを入れ続けるわけか。その場合、期間がどうなるかはわからないが、実態的には今までと同じように宮中の魚道のトラップにサケが捕獲されるということか。

委員:
現時点で確定したお答えができないが、並行した調査というのはぜひやっていきたいと考えている。

委員:
その作業をやられているのであれば、この協議会にそれを報告していただいて、サケに関しては毎年モニタリング結果という形で会長に報告していくということは可能ではないのか。

会長:
実際にカウントされているということであれば可能かと思うが、そのありようが、どんな形で実施していただけるのか、そういうところがこの協議会の必ずしも関与するところではないと思う。

委員:
JRが、大変なご苦労で、コストもかかってもうこれはできませんという話であればまだ分かるが、今までどおり同じことを来年も再来年ももしやっていただけるのならば、それをモニタリング結果として会長に報告いただいて、信濃川河川事務所のホームページで公表する中に、そのデータを載せることはそんなに厳しいことではないのではないか。

会長:
それは委員のおっしゃるとおりだと思う。しかし、協議会で実施をしている調査、もしくは協議会で関連して依頼している調査という形式ではなくなるので、この協議会の調査という位置づけではなくなると思う。そうしたときに、サケの遡上数を参考資料として出すことはできるかと思うが、事業者の方にこの協議会で調査を依頼するという形式は少し難しくなると思う。

委員:
先ほどいろいろなご意見が出たが、まだ4年前に実施した稚魚放流の成果を見るとか、協議会としても関心を持つべきデータになり得るのではないか。我々はこれからも稚魚放流にはコミットしていこうとは思っているが、過度なご負担がなければ、会長のほうからご下命いただければ、事業者もある程度考えていただける可能性があるのではないかと思った。

委員:
事務局を代表してお話させていただくと、委員の皆様のおっしゃるとおり、引き続き調査をしていただく方向で考えていただいていると思っている。そして、その調査をどういう位置づけで実施するのかという話であると思っている。協議会としては、減水区間の流量の問題やそれに対する影響について、この協議会の中で検討して、河川環境、流量の部分で問題がないのではないかという評価を一定程度頂いている。その中で、今後行う調査、例えばサケ稚魚の放流に対して評価するということであれば、サケ稚魚の放流事業をやられている千曲川の保全協議会があるので、そこでフォローしていくということもあるかもしれない。いずれにしても、調査の結果についてはこの協議会の協議事項ではなく、宮中取水ダムでサケが遡上しているかどうかという状況については、長野県のサケ稚魚の放流をやられている保全協議会にも分かるように、簡単に言えばホームページに公表するとか、そういう形でぜひ皆さんにも利用していただく形にしてもらいたい。会長のお話にあったとおり、この協議会の在り方についてはいろいろな意見もある中で、協議会の調査結果として出していくかというところは、少し切り分けたほうが良いと事務局としては思っている。その視点から今回、協議会としての遡上調査については終了させていただき、JRの施設管理者としての取組や、上流の稚魚放流の保全協議会としての取組等の調査をやっていただいて、皆さんに分かるような形で公表していただければ良いと思っている。

会長:
サケに対する委員の皆様、それから市民の皆様のお気持ちはよく理解できるというところである。その上で、サケ遡上調査を今後、関係者の間で継続されていくものと思うが、それはこの協議会とは少し形を変えて実施していただくということでお願いしたい。それを目的にこの協議会を継続するというのも少し本分が異なるので、私どもとしては委員の皆様にぜひご理解をいただいて、協議会も今後は河川水辺の国勢調査(魚類調査)を中心とした調査に移行し、サケの調査も今年度をもって終了したいと考えている。調査がなくなるという形ではなくて、サケの遡上調査に対するご要望は大変強いものがあるので、関係者の中で協議をしていただいて、また調査をするとしてもステージを変えて、そのときの調査目的もこの河川環境の改善検討協議会という形ではなくて、調査の目的を明確にした上でその方法、やり方についてご検討いただくという形に変更するということでご理解いただきたい。

委員:
了解した。確認であるが、JRは引き続き、西大滝はともかく、宮中でのサケの遡上調査は独自にされるということか。そして、その結果は信濃川河川事務所のホームページを通じて皆さんに報告していただけるということか。会長にご報告いただいた上で、協議会の成果として信濃川河川事務所のホームページでモニタリング結果を報告するのとは別に、信濃川河川事務所のホームページでJRからの宮中におけるサケの遡上調査の結果を見ることができるようにご配慮いただけるということでよろしいか。

委員:
我々としてはそのように思っている。公表の仕方については、これからJRと相談させていただくと思うが、信濃川河川事務所のページからもリンクを貼るなど見える形にしてもらいたい。

委員:
JRとしても、何らかの形で調査結果をご報告できるような形を整えたいと思っている。

委員:
了解した。

委員:
サケ以外の話をしたい。今日の総括を聞くと、台風の被害があったが、魚類の種類数や個体数は以前と同じであったということで結論づけられている。これで終わって、ずっと以前と同じままでいいのだろうかと思う。この協議会とは別に、もっと高いレベルを目標にするべきではないか。具体的に言えば、魚類の生息場所を多様に増やして、種類数を増やしたり、外来魚を減らして在来魚を増やしたりすることを将来的な目標としてはどうだろうか。その目標に基づいて、信濃川河川事務所や、ここにいる人たちの共通の認識として、何らかの事業を計画してほしいと思う。例えば魚がたくさんいるようなモデル地域をつくって、そこで環境整備をすることが想定される。同様の事業は、国交省のほかの事務所では多く行われている。もうこれからは何もしないで5年毎に調べればいいというだけでは、消極的な気がする。

委員:
河川を管理しています信濃川河川事務所長として、我々は河川環境の改善というのは取り組むつもりでやっておりますし、河川の改修のときには多自然の川づくりということでも考えておりますし、環境の改善に向けましていろいろ今後も考えていきたいと思うので、いろいろご指導いただければと思う。

<以降、特に意見や質問はなかった。令和5年度以降の協議会運営方針(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>

(3) 宮中取水ダム減水区間および西大滝ダム減水区間における令和5~9年度モニタリング調査計画(案)(資料6)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間および西大滝ダム減水区間における令和5~9年度モニタリング調査計画(案)」について説明があった。>

委員:
令和5年度のモニタリング結果は、水温回帰モデルの計算結果が9月5日に測定終了後、そのことが会長に報告されて信濃川河川事務所のホームページにあまり遅くないうちに載るという理解でよろしいか。そして、令和6年度は実測値の計測をしたものも加えて載るということか。

委員:
そのようになる。

委員:
了解した。

委員:
協議会開催が5年毎となったが、夏季高水温期として、7月26日~9月5日でこれまで水温を比較してきているので、当然この期間は大事だとは思うが、夏が早くなっている等の気候変動もふまえると、7月の前半あたりの水温を確認する必要もあると思う。ただ、それを測るとなると大変なので、アメダスの気温と降水量等を見て、この5年ぐらいは、どうも7月が暑いのではないか等の検証みたいなものをしておいたほうが、長い目で見たときは良いのではと思っている。別に現在の期間が悪いという意味ではない。

事務局:
今お話がありましたとおり、アメダスの気象データ等を活用して、長期的スパンで気温上昇の傾向があるのか・ないのかについて注視してまいりたい。

<以降、特に意見や質問はなかった。令和5~9年度モニタリング調査計画(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>

3.その他

(1) 新たな協議会設立について委員意見

委員:
協議会のほうは、ある程度方針も決まったが、先ほど委員の皆様がおっしゃったことを踏まえると、「信濃川中流域水環境協議会(仮称)」というものを新たに設立したらどうかと思う。せっかくこの会も信濃川・千曲川沿川の自治体トップの方々がいらっしゃるので、ぜひ信濃川・千曲川をもう少しうまく活用できるような点も含めて協議をする場をぜひまた作っていただきたい。私はサケばかりやるのがいいとは決して思っておらず、サケは一つのシンボルなので、川全体がどの様な環境で、どの様な生物がいて、どの様な物理環境で動いているのかというようなことを、総合的に把握し、常に地元の方たちが川に対して関心を持って観察・モニタリングしているという状況を創っていくことがとても重要であると思う。この協議会での調査結果の蓄積もあるので、これを踏まえて、その次の段階のものを創る、あるいは検討するようなことをしていただけたら、理想的であると思う。恐らくここにいる我々メンバーも協力できることがあると思うし、ぜひそのような形で発展的に考えていただけたら良いと思う。JRもそういう意味では、先ほどは「協力します」と発言されていたが、東電も同様であるが対等な立場で川を取り巻く一つの関係者として参加いただき、よりよい河川環境にしていくということを目的としてご検討いただけたら大変ありがたいと思う。

(2) その他

<事務局から、次回の開催については河川水辺の国勢調査(魚類調査)が実施される令和9年度を予定し、開催時期については、これまでと同様に2月上旬頃を目処とし、必要に応じて途中開催となる場合もある旨を説明した。>





                                                                                                                                                                                              -以 上-




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