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信濃川中流域水環境改善検討協議会

第34回協議会

以下の事項について承認、審議していただきました。

  • 報告事項
  • 議事
  • その他

報告事項

1. 第8回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果(資料1)

<事務局から、「第8回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果」について報告があった。>



2. 宮中取水ダム減水区間における令和3年度モニタリング調査結果(資料2)

<東日本旅客鉄道(株)から、「宮中取水ダム減水区間における令和3年度モニタリング調査結果」について報告があった。>

委員:
p11の表で自動計測「-1」とあるが、計測でマイナスというのはどのような意味か。10月1日の自動計測の数値が「-1」を示している。

東日本旅客鉄道(株):
(自動計測装置を)遡上する魚より降下する魚のほうが多い場合にマイナスとして記している。

委員:
了解した。


議事

1. 信濃川中流域水環境改善検討協議会 規約改正(案)(規約(案))

<事務局から、「信濃川中流域水環境改善検討協議会 規約改正(案)」について説明があった。>
<特に意見や質問はなかった。規約改正(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>


2. 宮中取水ダム減水区間における令和3年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)(資料3)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における令和3年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)」について説明があった。>

委員:
p7の日最高水温の観測値、計算値の比較における十日町橋、栄橋、川井大橋のデータについて、最大値が近年28℃を超え始めている。このデータは10分間隔で計測されたデータに基づくものであると思っている。10分間隔のデータで28℃を超えた日数を数える場合、1回でも28℃を超えれば「1日」と非常に粗くカウントしていることになる。令和3年の最大値を見ると他の年度よりも出ていることが分かるが、実際のところは1日しかなくても28℃を超えた時間が長く継続している可能性が考えられる。本年はそのような傾向がなかったか確認したい。

事務局:
今年度は水温実測ではなく水温回帰モデルによる計算値であり、日最高水温だけを水温回帰モデルにより算出している。従って時間単位では整理できない。

委員:
つまり、28℃超過日が1日だけであっても、例えば28℃を3時間超えていた、あるいは5時間超えていたということは評価できていないということか。

事務局:
指摘の通りである。

委員:
了解した。

委員:
p6の水温回帰モデルの入力データについて、7月26日は宮中取水ダムの平均放流量が60m3/s以上であるのに対し、8月5日以降は80m3/sを超えている。この時期にはJR東日本がフラッシュ放流という形で多めに水を流したということか。

委員:
指摘のとおり、8月5日~8月8日までの間はJR東日本が十日町市をはじめ、地元の方と約束している河川水温等に配慮した80m3/s以上のフラッシュ放流を実施した日となっている。

委員:
了解した。確認であるが、どのような条件のときに80m3/s以上のフラッシュ放流が実施されるのか。

委員:
この協議会の中で宮中取水ダムからの流入水温が25℃以上、加えて日最高気温が31℃以上という日に河川水温が28℃を超えることが多いという相関が分かっているため、これらの条件が両方満たされる日が3日以上連続すると想定される日に80m3/s以上のフラッシュ放流を実施している。

委員:
例えば8月4日は、朝に宮中での計測値が25.2℃であったが、先ほどの条件には当てはまらないため通常の放流だったということか。

委員:
p6の表に記載のある宮中取水ダム魚道の朝7時の水温はリアルタイムでわかるものではなく、後で水温計を回収して温度が判明する。この水温計とは別に宮中取水ダムの左岸側にダム管理用の水温計を設置しており、80m3/s以上のフラッシュ放流はダム管理用の水温計で計測された前日の最高水温より判断している。水温については2日間の実績値を基に、気温については2日間の実績値と翌日の天気予報の予測に基づいて放流をしている。

委員:
了解した。p6に記載されている水温はフラッシュ放流を判断するための水温ではなく、夏季高水温期に魚道に入れている水温計の温度であり、夏季高水温期が終わった後に分かる水温計の温度ということか。

委員:
指摘のとおり、夏季高水温期だけ調査として入れているものである。

委員:
了解した。

委員:
水温計は自記式温度計なので、p6に記載されている水温を計測している水温計は毎日回収して前日のデータを吸い上げているのか。

委員:
この調査で使っている温度計は自記式で、約2週間置きに水温計を回収している。

委員:
その場合、前の日や数日前の水温はどのように計測しているのか。本資料で説明している手法とは違う手法で水温を計測しているということか。

委員:
本資料に記載している宮中取水ダム魚道の水温はあくまでも調査のためであり、もう一つ別にダム管理用の水温計を有している。そちらはリアルタイムで我々も把握しており、そちらの水温計の計測値を使用してフラッシュ放流するかしないかの判断をしている。

委員:
本資料に記載している水温のデータではなく、異なる水温計のデータを用いて28℃超過日の予測を行い、28℃超過日が2日間を超えそうであれば流量を増やしていると判断して良いか。

委員:
指摘のとおりである。

委員:
了解した。

<以降、特に意見や質問はなかった。まとめと評価(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>

3. 宮中取水ダム減水区間および西大滝ダム減水区間おける令和4年度モニタリング調査計画(案)(資料4)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間および西大滝ダム減水区間おける令和4年度モニタリング調査計画(案)」について説明があった。>

委員:
長野県でサケ稚魚放流を継続することを踏まえ、迷入防止対策については東京電力とJR東日本で従来どおり3月の上旬に対策を行うということでよろしいか。

委員:
宮中取水ダムでは、この春も従来どおりサケの稚魚の降下サポートとして、オイルフェンスを取水口の前に張って物理的にサケの稚魚が迷入させないことをメインに、そのほかの可能な対策を組み合わせて迷入防止対策を実施する予定である。

委員:
西大滝ダムでは、従来どおり、迷入防止対策を実施していく予定である。魚道に集魚灯を立てて、そちらにサケ稚魚を誘導するような形で実施する予定である。

委員:
了解した。昨年の協議会で音響による迷入防止対策について効果があったと報告があったが、音響についても同様に実施するということでよいか。

委員:
音響による迷入防止対策については通年実施している。

委員:
了解した。期間については、資料1のp6上段に3月上旬に迷入防止対策を実施するという図が記載されているが、3月上旬のJR東日本に比べて東京電力の実施期間が少し短めに見える。これは何か理由があるのか。

長野県:
資料1のp6上段記載の図について、実施期間が少し短いのは、東京電力のほうが上流であるため期間を少し短めにした経緯がある。概略的な図であるため、正しく期間を示しているというよりも、上流であるため少し期間が短いということを表している。

委員:
了解した。

委員:
p1調査計画の考え方に、河川水温を実測する方針を示していただき、これは非常にありがたい。昨年の書面開催の際にもお願いしていたが、本資料にもあるように、水温回帰モデルの適用性の検証という観点は大事だと考えている。この水温回帰モデルをお作りいただいたことには大変敬意を表し、また感謝しているが、信濃川の形が令和元年の台風以来相当変わっており、これからも検証し続けていく必要があると考えている。ぜひこの適用性の検証という観点は常にこのような形で皆さんとともに検証させていただければありがたい。水温実測を行うことで、先ほど先生方からご意見があったように、実際に何時間ぐらい28℃を超えていたかといった情報も分かるため、これは意義のあることだと思う。大変評価したい。先ほど、令和4年度は十日町橋で実測していただけるという話であった。これは、令和5年度は実測を行わず、令和6年度を栄橋か川井大橋かどちらかで実測し、令和7年度は実測を行わず、令和8年度に残りの地点で実測し、その結果等を次の令和9年度の5年ぶりの協議会でご報告いただけるという理解でよろしいか。

事務局:
河川水温の実測結果ついては、それぞれ調査を行った年に示す予定である。信濃川河川事務所のホームページに掲載することで会長のみならず皆様に示したいと考えている。

委員:
了解した。もう一点、サケの遡上調査が11月10日までである件について、10日以降はJR東日本のメンテナンス期間に入るのでこのような設定になっていると思うが、この協議会においても以前からJR東日本からはメンテナンス期間の短縮を図るというご回答を頂いていたと思う。また、私どもは工期そのものを12月以降とするなどの改善を要望しているが、そのことについてもご教示いただきたい。

委員:
サケの遡上調査の期間について、過去には10月1日~11月10日の期間で実施していたが、もっと早い時期に遡上するサケの稚魚を放流しているということ考慮し、平成22年に調査開始日を9月11日からとすることを定めてこの12年間調査を実施してきた。その中で、10月下旬になると下流の漁協が採捕を始めるため、その影響として宮中取水ダム魚道への遡上数が収束することもあり、決して自然の状態だけではなく、人の営みによってもサケの遡上数は変化している。その点を踏まえながら調査期間が定められてきたと認識している。11月10日までという調査期間が前提にあるため、我々としてはダムのメンテナンスを11月11日から実施しているが、この点については、昨年度開催した魚道に特化した審議をしている宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会において議論されており、灌漑用水あるいは流雪溝用水を我々の取水したものから分水して供給しており、これに支障を及ぼさない期間ということで11月11日から30日の間、JR東日本としては集中的に水路施設のメンテナンス重点期間として実施している。この期間にダムを空にすることや、水位を下げるため、この期間の中で魚道のメンテナンスを行うことで全体の年間を通しての魚道の断水期間を減らすことができるということで、この点を魚道構造改善検討フォローアップ委員会にて説明し、特段のご意見がなかったという状況である。この件については昨年の協議会においても、書面開催にて報告している。今までの協議会の中でも他の時期にできないかというお話を頂いているが、我々も作業する中で、自然環境や洪水、あるいは降雪、積雪ということも考えると、作業を安全にできる期間にメンテナンスを計画したいと思っている。また、魚類への影響についても配慮したい。この2つの条件を重ね合わせると、11月11日からメンテナンス作業を始めることが最適であろうと考えている。しかしながら、この期間の中で可能な限り工期を短縮していきたいと考えている。昨年の秋については、11月下旬以降に遡上するサケが多いということを聞いていたため、2年計画を立てて工期短縮に努め、11月22日の夕方には通水を再開した。悩ましいところではあるが、このような取組にご理解を賜われればと思う。

委員:
そのようにしてメンテナンス期間の短縮を図っていただいていることについて了解した。

委員:
先ほどの資料3の宮中取水ダムの水温回帰モデルの話の中で、宮中取水ダムでは独自に水温計測をしているとのことであるが、西大滝ダムについてもダムの管理者である東京電力の方で水温実測は実施されているのか。

委員:
水温調査については、昨年の協議会の中で報告をして、問題ないということでご判断いただいているため、それ以降は水温の実測は行っていない。

委員:
モニタリング調査については平成22年度~令和2年度までの10年間の河川水温が問題なかったため調査が終了していることは当然認識をしているが、西大滝ダムの管理者として水温の測定などを独自で実施しているのか。

委員:
西大滝ダムの運用上必要なデータではないので、実測はしていない。

委員:
了解した。

<以降、特に意見や質問はなかった。令和4年度モニタリング調査計画(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>


4. 信濃川中流域水環境改善検討協議会の運営方針(案)(資料5)

<事務局から、「信濃川中流域水環境改善検討協議会の運営方針(案)」について説明があった。>

委員:
特に反対は全くないが、p2の、今後の協議会運営方針の4つ目の黒ポツについて、令和4年度以降、5年ごとに開催を基本にするとあるが、その文章の下の※印について、「必要に応じて」の定義が非常に曖昧である。当然開催するべきだろうと判断する人がいれば、開催する程ではないと判断する人もいると思うが、この判断は誰が、いつ、どのような形で判断するのか。会長が判断するのか。会長に報告となっているため基本的には会長だと思うが、これは誰がどのような形でどのような基準で決めるのかを明確にしておかないと、齟齬が起きると思う。

事務局:
事務局として、大規模な洪水等があった場合については河川巡視等を行い、その状況については取りまとめを行いたい。その結果について会長にご相談をさせていただき、その中でご判断いただければと考えている。

委員:
そうすると、例えば高水温の継続等というのも、事務局あるいは会長が多いと思えば開催し、そうでなければ開催はしないという判断になるのか。ここはある程度基準を決めたほうがいいのではないか。

事務局:
洪水の規模などは定量的な判断はできないと事務局としては考えているため、そのときの状況を踏まえてご相談させていただければと考えている。

委員:
私もそうだと思うのだが、その場合は、モニタリング結果は会長のみに報告するのではなく、委員全員に報告をして、その上で開催が必要だと判断されれば開催するという方式にしてはどうか。

事務局:
モニタリング結果については、信濃川河川事務所のホームページに公表し、それを見ていただく形になる。しかしながら、データが取りまとまる時期を考慮すると次の年に開催するなどの対応になると思う。

委員:
了解した。公表されるデータは今回配っていただいているようなレベルのデータを公表してもらえるのか。かなり省略された形で公表されても判断ができない。

事務局:
同程度の資料を予定している。

委員:
了解した。

会長:
開催時期については、各委員でも必要があると考えたら事務局にご連絡を頂くなりして、その必要性を認識するような形で開催すればいいのではないかと思う。データについては公開されるということであるため、情報を共有して引き続き円滑な協議会の運営ができるような形で配慮させていただきたい。

委員:
了解した。

委員:
例えば水温が非常に長い間高温になるような緊急に対処すべき状況が発生した場合、現状だとデータの公表が翌年になる可能性がある。異常事態の発生を防ぐために協議会は開催されると思うが、緊急に対処すべき事態が起きた場合にはどのような形で対応するのか。

事務局:
会長とご相談させていただき、緊急に開催する必要がある場合については、そのような対応を取らせていただきたい。

委員:
了解した。そういう場合にはタイムリーに対応していただけるということで理解してよろしいか。

事務局:
ご指摘の通りである。

<以降、特に意見や質問はなかった。運営方針(案)について承認を諮ったところ、全員一致で了承された。これに基づき(案)を削除することとした。>

その他

1. モニタリング調査データの管理について

委員:
信濃川中流域水環境改善検討協議会では、西大滝ダム(減水区間)、宮中取水ダム(減水区間)におけるこれまでのモニタリング調査のデータが蓄積されている。このデータはきちんと保存しておくと、過去と現在の状況を比較できるデータベースになるため、ぜひこのデータは逸失しないようにしてほしい。長野県、東京電力、JR東日本には綿密にデータを取っていただいているため、このデータを信濃川の中流域の基本的なデータとして保持していただくような工夫をお願いしたい。

       
事務局:
データの管理につきましては、十分留意してまいりたいと考えている。


2. その他

<事務局から、次回の開催については河川水辺の国勢調査(魚類調査)が実施される令和4年度を予定し、開催時期については、これまでと同様に2月上旬頃を目処に開催したいとお知らせがあった。>



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