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信濃川中流域水環境改善検討協議会

第32回協議会

以下の事項について承認、審議していただきました。

  • 規約の改定
  • 報告事項
  • 議事
  • その他

規約の改定について

<事務局から、委員の変更により一部規約改定の提案を行い了承された。>



報告事項

1.第6回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果(資料1)

<事務局から、「第6回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果」について報告があった。>



2.宮中取水ダム減水区間にける令和元年度(平成31年度)モニタリング調査結果(資料2)

<東日本旅客鉄道(株)から、「宮中取水ダム減水区間における令和元年度(平成31年度)モニタリング調査結果」について報告があった。>



議事

1.宮中取水ダム減水区間における令和元年度(平成31年度)モニタリング調査結果のまとめと評価(案)(資料3)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における令和元年度(平成31年度)モニタリング調査結果のまとめと評価(案)」について説明があった。>




委員:
資料4の水温回帰モデルでは、減水区間の河川水温に与える影響は、魚道の水温が一番大きいとして整理されている。一方、資料3のp6では、日照時間が7時間以上、日最高気温が32℃以上の日が継続したから、河川水温が高くなったという印象を与えるので、誤解を与えないような表現にした方が良い。


事務局:
了解した。表現については、修正したい。


委員:
まとめと評価の文章は、調査結果のまとめが記載され、評価は記載されていないように思う。評価とは、結果を基に、ある程度踏み込んだ事に言及することだと思う。


事務局:
指摘のとおり、事実をまとめたという体裁になっているが、表現については、従前の記載内容を踏襲させて頂き、特に異常はなかったという評価をしていると認識している。より踏み込んだ評価については、5ヵ年の総括とりまとめで実施しているため、そちらもご理解頂きたい。


会長:
表現については、若干の問題はあるかもしれないが、今年の結果を数字として正確に記載して、それが過年度と比較して変化があるのかといった評価をしているということで、原案を認めて頂きたいたいと思う。ただし、委員からの意見を踏まえ、まとめと評価の表現に、もう少し評価を付け加えるよう事務局の方で検討して頂きたい。


<以降、特に意見がなかったため、一部表現の修正を行うこととし、まとめと評価(案)は了承された。>




2.宮中取水ダム減水区間における過去5年間の総括とりまとめと評価(案)(資料4)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における過去5年間の総括とりまとめと評価(案)」について説明があった。>




委員:
水温回帰モデルを用いると、栄橋の水温を1℃下げるために、どの程度ダムから放流する必要があるか試算できるはずである。モデルの係数をみると、かなりの流量を流さないと水温は下げられないと予想できるが、試算結果があれば教えて頂きたい。


事務局:
魚道の水温などが同じ条件として、水量だけを変えて水温を1℃下げるためには、200㎥/s以上の放流が必要と試算される。


委員:
p24の標準偏回帰係数は、水温上昇に与える寄与率と考えて良いか。また、上流側の水温が下流に影響するのはある意味当たり前なので、魚道水温と減水区間の水温の差分が、減水区間の特徴を表しているのではないか。


事務局:
標準偏回帰係数については、そのように認識している。魚道水温と減水区間の差分については、魚道水温自体を予測しなければならなくなること、宮中取水ダムから下流を対象とした検討であるため、現モデルでご理解頂きたいと考えている。


委員:
水温回帰モデルに投入している説明変数間に多重共線性はないのか。各変数が独立していないと問題がある。


委員:
多重共線性は排除されていると思う。


委員:
魚道7時の水温とその後の日照時間に関係性はないので、2つの説明変数は独立と理解して良いと思う。


委員:
p24の標準偏回帰係数は、各変数が独立して重要であるということを示している。標準偏回帰係数の絶対値が大きい程、影響力が高く、正負は、影響がプラスに効くか、マイナスに効くかを示している。


会長:
色々意見をもらったが、この水温回帰モデルは説明変数の独立性を担保して、その影響を回帰分析により整理したという認識で良いと思う。


<以降、特に意見がなかったため、過去5年間の総括とりまとめ(案)は了承された。>




                         

3.宮中取水ダム減水区間における令和2年度モニタリング調査計画(案)(資料5)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における令和2年度モニタリング調査計画(案)」について説明があった。>




委員:
水温回帰モデルは精度が高いと思うが、夏季水温は河川環境の重要な要素であるため、引き続き、下流の何地点かで実測をして精度の検証をして頂きたい。


事務局:
本モデルは28℃を超過する日数を対象に構築されたものであり、1日の水温の時系列的な変化を検証するということであれば、ここで返答することは難しい。


会長:
了解した。モデルの精度の検証について、事務局の方で検討して頂きたい。


委員:
魚類の調査は、昨年に台風19号の出水があったため、来年度調査を実施することとなっている。その結果を踏まえて、再来年度以降をどうするか議論して決めれば良いと思う。現時点で、再来年度以降の魚類調査を、5年毎の水国調査年と併せて実施するとすれば、委員会で議論する意味がなくなってしまう。西大滝ダム下流水環境調査検討会でも、再来年度の調査は、来年度の調査結果を踏まえて判断することとした。


委員:
ご発言のとおり、西大滝ダム下流水環境調査検討会でも、来年度の調査結果を審議してから再来年度調査をどうするかという議論になったと記憶しているので、本委員会も同じ考え方で進めるのが良いのではないかと考えている。


会長:
了解した。委員からの指摘を踏まえ、魚類調査は、令和2年度の調査を実施し、調査結果を踏まえ、再来年度調査の必要性を判断するということに変更したいと思う。


委員:
西大滝ダム下流水環境調査検討会では、11月11日以降に宮中取水ダム魚道がメンテナンス作業により閉め切られることについて困るという意見があった。西大滝ダムの方で後期群のサケ稚魚を放流したのに、11月10日で調査が終了するのは問題があるという指摘もあったので、サケ遡上調査の調査期間をもう少し延長してはどうか。また、魚道メンテナンスも、作業期間の短縮ではなく、作業時期を抜本的にずらして改善を図ることはできないか。


事務局:
貴重なご意見として認識している。一方で、魚道機能を回復させるためには、メンテナンスを毎年実施しなければならない事も承知している。12月という降雪期がある中で、現状ではメンテナンス開始時期は変えずに、作業のどこを確実に短縮できるかを検討している。作業期間短縮が確立できれば、作業開始を遅らせる余地が見えてくるが、現在、まだその見極めがついていないので、引き続き、ダム管理者であるJR東日本さんと検討したいと考えている。


委員:
サケだけではなく、アユなど様々な魚類を対象に魚道の維持管理が必要であるため、どうしても断水によるメンテナンスが必要となる。メンテナンス作業では、かご詰め玉石工を一旦魚道の外に出して、構造物自体の検査と必要な補修を行う。かご詰め玉石工についても、検査と目詰まりの清掃といった作業を行うため、一定期間の作業時間が必要となる。西大滝ダム下流水環境調査検討会で漁協の組合長さんから指摘があったように、この時期に下流の漁協の採捕が始まり遡上数が少なくなるということも踏まえたものでもある。補修作業の期間等を考慮すると、11月10日の調査終了後の11月11日に着手させて頂きたい。特に今年は、昨年の台風で魚道内にかなりの土砂が堆積し、暫定通水したことも影響して、魚道内にまだ土砂が残っており、アユなどの遡上時期までにどこまで土砂を取り除けるか、サケの遡上時期までに取り除けるのか、作業量を踏まえながら検討している。一方、来年度は、長野県によりH29年度に放流された稚魚が3年魚となり、回帰のピークにも該当する。遡上時期までまだ時間もあるので、サケの遡上時期を見定めて、メンテナンス作業の早期終了を第一に考えながらも、上手くいかない場合は、一時中断と魚道への通水も考えるなど、サケの遡上に影響の少ない方法を検討していきたいと考えている。


            

委員:
この地域のサケを考える時の一番の問題は、調査が11/10で終了するため、いつ、どれだけのサケが遡上してくるのかが分かっていない事である。特に、来年は3年前に50万尾の後期群のサケ稚魚を放流したため、11月に遡上数が伸びる可能性がある。そこに配慮するため、2年前から本委員会において、一時的に通水してはどうか、通常よりもメンテナンス開始時期を10日間遅らせて、その間調査をしてはどうかと提案した。この時期にしか魚道のメンテナンスができないかどうかは、今まで検討していないので分からないと思う。今年みたいに雪が少ない場合は、アユ遡上前の3月、4月にできるだろうし、7月~9月は、台風が来るかもしれないという事であるが、来ないかもしれないし、来ても規模が小さいかもしれないので、色々と柔軟に考えて頂きたい。また、技術的に2点、提案したい。1点目は、大型魚道を閉鎖しても、小型魚道を通水してサケを遡上させられないか。2点目は、発電の需要に併せて取水量を変えて、魚道メンテナンスを実施しながら、本流を遡上させるように工夫できないか。これらについて今すぐ回答することは難しいと思うが、是非検討してもらいたい。


             

委員:
魚道のメンテナンス時期は、色々検討はしている。さまざまな魚類の遡上・降下期を避け、作業の安全性を考慮して洪水期、積雪期などを考慮して設定している。川の中に入って作業をするため、計画段階では危険性を排除して進めたい。ただし、今年は雪が少ないので、状況に応じながら適切に、タイミングを見計らって作業を進めたいと考えている。技術的な提案については、これからの継続検討という形にさせて頂きたい。


            

会長:
サケ遡上調査の調査期間については、引き続き検討して頂き、柔軟な対応をしてもらうということで、ここでは資料のとおりの11/10までとすることで了承頂きたい。


<以降、特に意見がなかったため、水温はモデルの検証方法を追記、魚類の生息状況は令和3年度以降の調査方針を削除することで、令和2年度モニタリング調査計画(案)は了承された。>




その他

1.水温回帰モデルを用いた増放流の検証について

委員:
現在、6月から11月までは60㎥/sを放流して頂いており、夏場は最高気温等の条件によっては、80㎥/sの放流を実施してもらっており、大変ありがたい。80㎥/s放流の条件は、2日連続して最高流入水温が25℃を超え、日最高気温が31℃以上を観測し、さらに翌日の最高気温予報が31℃以上という場合となっている。昨年の厳しい夏には、8/5~8/16の80㎥/sの放流時にも28℃を超える状況がみられた。JR東日本さんに、このモデルを使って、夏季の放流量を検討する考えはないか、お聞きしたい。


会長:
モデルの検証が必要という意見もあるなか、この場で放流量について言及するのは難しいと思うので、モデルの精度の検証を進めてから議論してはどうか。


委員:
今回の水温回帰モデルで1日のうち何時間28℃を超えるかを予測することは難しいかもしれないが、最高水温を予測するモデルとしては有用だと思う。JR東日本さんには、夏場に、20㎥/sを追加して80㎥/sの放流をしてもらっているが、その検証をこの水温回帰モデルを利用して検討して頂けないかと改めてお願いしたい。


委員:
水温回帰モデルは、適用範囲に限界があると思われるが、3地点の最高水温を推定し、28℃を超過する日数を把握するという点からは、十分精度が高いと考えている。そのような中で、河川水温に影響を及ぼす要因は、魚道の水温が一番大きく、次に日照時間と認識している。放流量がダム下流の河川水温に与える影響は、魚道の水温や日照時間と比べると大きくないとのことであった。水温を1℃下げるためにどれくらい放流量が必要なのかという話もあり、JRとしてもできる範囲のことは最大限考えていきたいが、放流量だけで水温の問題が全て解決できるかというと難しいと思われる。その点についてはご理解頂きたい。


会長:
モデルはデータに依存している。今回の変動幅の中のデータに関しては、予測可能であるが、その範囲を外れた場合にどの程度の精度を持っているのかというのは、より本格的な検証が必要になってくる。今回、事務局にはモデルの検証という課題ができたので、引き続き、検討して頂きたい。


2.宮中取水ダムと西大滝ダムの最大放流量の違いについて

委員:
昨年の台風19号において、西大滝ダムの最大放流量が8,872㎥/sという新聞報道があったが、下流の宮中取水ダムの表示モニターでは、7,398㎥/sとなっており下流の方が少ない結果となっていた。宮中取水ダムの放流量の測定、管理方法について、改善をお願いしたい。


委員:
宮中取水ダムには11門のゲートがあるが、モニターに表示している流量は3号~11号の9門分のゲートによる観測値である。残りの1号および2号ゲートは排砂ゲートであり、手動操作のため、流量計測のシステムに開度等の情報が入っておらず、その部分がモニター表示の流量に計上されなかった。今回のように、この2門を開けなければならない状態は、宮中取水ダムが完成して80年のうち今回が2回目であった。それほど稀有な事象であったとご理解頂きたい。ただし、現在、ゲートの巻き上げ装置を順次取り替えており、この作業が終われば、放流量の表示に取り込むことができる。今しばらくお待ち頂きたい。


3.適切な河川整備と流量について

委員:
河川整備の推進を進めて頂くとともに、適切な流量も大事だと認識している。


委員:
現在、流域一体となった河川整備を進めている所であり、その中で議論していきたいと考えている。


4.その他

<事務局から、次回開催を例年どおりの2月上旬に開催したいと提案があり、了承された。>









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