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信濃川中流域水環境改善検討協議会

第31回協議会

以下の事項について承認、審議していただきました。

  • 規約の改定
  • 報告事項
  • 議事
  • その他

規約の改定について

<事務局から、委員の変更により一部規約改定の提案を行い了承された。>



報告事項

1.第5回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果(資料1)

<事務局から、「第5回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果」について報告があった。>



2.宮中取水ダム減水区間にける平成30年度モニタリング調査結果(資料2-1)

<東日本旅客鉄道(株)から、「宮中取水ダム減水区間における平成30年度モニタリング調査結果」について報告があった。>



議事

1.宮中取水ダム減水区間における平成30年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)(資料3)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における平成30年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)」について説明があった。あわせて、過年度の魚類生息状況調査における個体数誤りについて説明があり、会長より過年度の評価に影響がないことを確認していることが示された。>




委員:
減水区間の河川水温と宮中取水ダムの水温との差分は、減水区間によって発生した温度上昇量となる。その温度上昇量が放流量によって変わるのかといった整理はできるのかお聞きしたい。


事務局:
未だ公表には至っていないが、事務局の方で減水区間の水温を予測する回帰モデルを作成している。与条件として、宮中取水ダムの日平均放流量、魚道水温、十日町のアメダスデータを用いて下流地点の水温予測をしており、放流量によって減水区間の水温上昇が抑制されるというデータも得られている。ただし、過去に検討した水理・水温予測モデルでも、この回帰モデルでも、下流域では大きな水量を放流しても目標としている28℃をなかなか下回らないという結果になっている。


委員:
記憶では、宮中取水ダムの魚道の水温が支配的だったと理解している。河川水温の分析に関して新たな知見が出てきたら、また報告して頂きたい。


事務局:
了解した。


委員:
河川水温には様々な要因が影響しているため、水量だけで変動を説明するのは難しいと思うが、何か科学的な分析ができるのであれば、是非実施して欲しい。


委員:
平成30年は魚類の個体数が例年よりも多いが、一方でカジカが確認されなかったこともあるため、もう少し見ておかないといけない部分もあると感じた。


会長:
特に個体数が少ない種は、たまたま調査した場所に居なかった可能性もあるため、単年ではなく、多年度にわたる調査結果でなければ評価が難しい。


事務局:
カジカについては、協議会とは別の調査では生息が確認されており、漁協の方からも信濃川の中流域でカジカがいなくなることはないとの見解を頂いている。


会長:
カジカの過年度の個体数を見ると、過去にも多くは確認されておらず、今年はたまたま確認されなかった可能性もある。引き続きモニタリング調査を実施して状況を確認していくこととしたい。


<以降、特に意見がなかったため、まとめと評価(案)は了承された。>




2.宮中取水ダム減水区間における平成31年度モニタリング調査計画(案)(資料4)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における平成31年度モニタリング調査計画(案)」について説明があった。>




会長:
モニタリング調査は、5年計画と考えて良いか。


事務局:
モニタリング期間については特に定めはないが、宮中取水ダムで実施された試験放流検証委員会と同様に5年経過した段階で総括的な評価を実施した方が良いと考えている。


委員:
夏季高水温期は7月26日から9月5日とされているが、設定根拠について教えて頂きたい。猛暑日が早く到来する状況も経験しているため、期間を拡大して調査することはできないか。


事務局:
夏季高水温期は、過去の協議会の中で整理されており、具体的には平成14年から平成18年の水温データから28℃を超える日が多かった期間を根拠としている。経年変化を確認するという観点からこれまで同じ期間で調査を実施している。


会長:
河川水温の測定は、常時実施しているのか、それとも夏季高水温期のみ調査を実施しているのか。


事務局:
河川水温は、夏季高水温期のみ調査を実施している。


委員:
年によって夏季高水温期の水温や気象条件が異なるため、まとめの際に、7月26日から9月5日の特徴、各年の特徴を整理すれば良いのではないか。


委員:
水温は冷水性魚類の生息に影響を及ぼすという観点から、減水区間の水温が28℃を下回らないことについて心配している。河川水温の調査期間は、平成14年から平成18年のデータを使用して設定されているが、近年は7月上旬から非常に暑いという印象をもっている。もし大きな気候変化があれば、調査期間の延長や前倒しが可能かどうか、事務局等で検討して頂きたい。


会長:
委員からの指摘を踏まえ、河川水温の経年変化、経日変化等を整理して、後日各委員に報告頂き、その結果を踏まえて、今後、調査期間の拡大が必要か検討して頂きたい。


委員:
次年度調査については、継続性の観点から現計画で問題ないと思う。ただし、サケが遡上している宮中取水ダム下流でサケの分布状況を把握することができれば、サケ遡上数が少なく十分な調査ができない西大滝ダム減水区間の検討に活用できると思うので、そのような調査が可能かどうか。また、宮中取水ダムより上流へ遡上するサケの個体数を増やすため、サケ遡上調査の期間中にサケを捕獲しない期間を、例えば1週間程度設けることが可能かどうか。以上の2点について、次々年度ぐらいから実施できるよう、そろそろ検討しておいた方が良いと思う。


会長:
宮中取水ダム下流のサケ分布状況を調査する件について何か具体的な良い方法はあるか。


委員:
長野県が西大滝ダム下流で同様の調査を実施している。そこまで詳細な調査は必要ないかもしれないが、参考になると思う。また、どのようなデータが有るのか無いのかを事務局の方で整理して頂くと、より良い議論ができると思う。来年度に突然言っても整理が難しいと思うので、今年度申し上げた。


会長:
1点目の宮中取水ダム下流におけるサケの分布調査は、難しい調査という印象もある。直接的な調査ではなくても、どのような対応ができるのか、関連データとしてどのようなものがあるのかを整理して、委員個別にもしくは本協議会に報告して頂きたい。2点目のサケ遡上期間中のサケの捕獲状況について、調査期間中に確認したサケは全て捕獲され、再放流は実施されていないのか教えて頂きたい。


事務局:
調査期間中に捕獲した個体をすべて採卵に使っている訳ではなく、中魚沼漁協の増殖事業に必要な分だけを採捕し、残りは宮中取水ダムの上流へ再放流している。


委員:
再放流数は、重要な情報なので、データとして整理して報告して頂きたい。


会長:
調査計画について、色々意見を頂いたが、次年度調査は、5年間を一つの区切りと考え、事務局から提案された昨年度と同様の調査を実施することとしたい。ただし、頂いた意見を踏まえ、今後、どのようなことが実施可能か、次々年度以降の調査をどうするのかという点を検討して頂きたい。


<以降、特に意見がなかったため、平成31年度モニタリング調査計画(案)は了承された。>




その他

1.宮中取水ダム魚道のメンテナンス時期について

委員:
昨年度の協議会において、西大滝ダムで後期遡上群のサケの稚魚を放流した場合、宮中取水ダム魚道のメンテナンスを11月に集中すると後期遡上群の遡上期に魚道が閉ざされることになるため、メンテナンス時期の調整を検討して欲しいと意見を申し上げた。その後の検討状況をお聞きしたい。


委員:
今年度は、作業が延びてトラブルが発生してはいけないと考え、通常通り11月11日からメンテナンスを開始した。色々な工夫をしてメンテナンス期間を2日短縮し、魚道への通水も2日早めることができた。メンテナンス時期については、昨年度の協議会以降に改めて検討したが、サケ以外も含めた魚類の遡上・降下時期、降雪期における作業の安全性などの観点から、メンテナンス期間を20日と設定した場合、現在の11月11日から月末までという時期が最適と考えている。ただし、今年度同様に、今後もできる限りメンテナンス期間の短縮努力を続けていきたい。


委員:
メンテナンス期間全体の短縮も重要であるが、何日かに1回、例えば5日とか6日に1回通水して、ダム下流に滞留しているサケの遡上を可能にすることも緩和措置の一つとして必要ではないかと提案したい。


委員:
提案頂いた方法について、今後検討してみたい。ただし、一時通水するためには、大型の重機による角落とし設置、撤去を繰り返す必要がある。魚道内の横波防止用の玉石を撤去してメンテナンスを行うため、一時通水した場合に横波が発生する可能性がある。このような影響も踏まえて検討し、改めて報告したいと考えている。


委員:
一時通水して実際にサケが遡上するかどうかも確認する必要があるため、是非、検討して頂きたい。後期遡上群の稚魚を放流したのは、昨年の春であり、回帰まであと3年程度ある。それまでに検討し、最良の方法で対処して頂きたい。


委員:
近年サケの遡上時期が遅れてきている傾向が見られ、調査終了時点でもサケが遡上している印象を受ける。その理由として気候が暖かくなっているということであれば、降雪も同様に遅くなっていると思われるので、魚道のメンテナンス時期についても考慮して頂きたい。


会長:
指摘のとおり、11月にもサケが遡上していると思われる。ただし、宮中取水ダム魚道のメンテナンス時期も降雪期や安全性の観点から色々と検討した結果であることもご理解頂きたい。その上で、一時通水などの提案もあったので、緩和措置として何ができるのか検討することを、協議会意見としたい。


2.上下流の連携について

会長:
長野県がサケの稚魚放流を開始しており、長野県と新潟県で上下流の連携をお願いしたい。昨年度、長野県としては後期遡上群のサケを放流したいという意向であったが、宮中取水ダム魚道のメンテナンス時期の実情を踏まえて、できれば前期遡上群の可能性についても検討頂き、どうすれば上手く連携ができるか考慮して頂きたい。


委員:
昨年度の稚魚放流は、50.3万尾の後期遡上群であったが、今年度はサケが不漁のため、前期遡上群の10万尾になる予定である。長野県としては、子供達と一緒に稚魚放流を実施しており、今年のようなサケ遡上数がゼロという結果は避けたい。今は、後期遡上群もしくは前期遡上群のみではなく、両群を放流し、更にダム魚道だけではなく本川や支川でも放流して、稚魚放流のバリエーションを増やすことで、戻ってくることも期待できると考えている。


会長:
非常に努力されていると理解した。上手く成果が上がることを期待したい。


委員:
JR東日本としても、長野県と連携してサケ稚魚の降下をサポートしたいと考えている。具体的には、オイルフェンスの設置、3号ゲートからの放流、呼び水の停止、網場の撤去、右岸照明の点灯など5点の対策を準備している。これらの対策は、融雪出水で水量が多くなる3月10日ぐらいまでが限度であるため、後期遡上群の放流時には実施が難しいが、今年は、前期遡上群の放流となるため、連携が可能である。しっかりやりたいと考えている。


3.十日町市の小水力発電計画について

委員:
十日町市が計画している宮中取水ダムの維持流量を用いた発電事業の進捗状況について報告させて頂く。現況の魚類の遡上・降下環境が更によくなる発電方法があるのかなど多くの課題があるため、まずは課題の整理と検討を最優先で進めている。河川環境を議論する委員会を立ち上げたいと考えているが、未だそこまで至っていないというのが現状である。引き続き議論を重ね、協議会に経過を報告させて頂きたいと考えている。


会長:
了解した。引き続き、進捗があれば、協議会に報告して頂きたい。


4.その他

<事務局から、来年度の調査をもって5年間のデータが揃うため、とりまとめに向けたご助言をお願いしたいこと、次回開催を例年どおりの2月上旬にするのか、例年よりも早く開催するのかは改めて相談したいと提案があり、了承された。>









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