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信濃川中流域水環境改善検討協議会

第30回協議会

以下の事項について承認、審議していただきました。

  • 規約の改定
  • 報告事項
  • 議事
  • その他

規約の改定について

<事務局から、所属・役職等の変更により一部規約改定の提案を行い了承された。>



報告事項

1.第4回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果(資料1)

<事務局から、「第4回西大滝ダム下流水環境調査検討会開催結果」について報告があった。>



2.宮中取水ダム減水区間にける平成29年度モニタリング調査結果(資料2-1)

<東日本旅客鉄道(株)から、「宮中取水ダム減水区間における平成29年度モニタリング調査結果」について報告があった。>



3.第7回信濃川発電所宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会開催結果(資料2-2)

<東日本旅客鉄道(株)から、「第7回信濃川発電所宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会開催結果」について報告があった。>

<十日町市から小水力発電計画について以下のとおり補足説明があった。>


委員:
十日町市では、第2次総合計画において、消費エネルギーの30%を再生可能エネルギーにするという目標を掲げており、そのなかで重要な位置を占めるのが宮中における水力発電である。信濃川に40m3/sの水が戻ったことからそれを有効に活用したいという思いがあり、東日本旅客鉄道(株)からも技術的分野で協力を頂けるとのことから計画をしている。今後計画案を作成する段階で、有識者や漁協、上流の自治体の皆様などを含めた委員会を発足させて、河川環境への影響について議論しながら慎重に進め、当協議会にも経過を報告をさせて頂きたいと考えている。



議事

1.宮中取水ダム減水区間における平成29年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)(資料3)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における平成29年度モニタリング調査結果のまとめと評価(案)」について説明があった。>




委員:
資料3のp10のグラフ中に日別捕獲数の推移とあるが、正しくは日別累積捕獲数の推移であるため表題を修正して頂き、別途日別捕獲数についても記載して頂きたい。また、表中の調査期間は調査中止期間も含まれているため、実際に調査を実施した日数を追記して頂きたい。


事務局:
了解した。なお、日別捕獲数は今後記載することとしたい。


委員:
モニタリング調査はいつまで実施するのか。または、どのようなことが明らかとなったら完了するといった目標はあるのか。


事務局:
本協議会のモニタリングは、40m3/sの維持流量が決定されたことを受けて、その放流量で水環境に問題がないかという視点で調査している。今回の協議会は3年目にあたるが、いつまで実施するかは会長と調整しながら検討したい。


会長:
モニタリングが十分かどうかについては専門家の判断が必要となると考えられるが、結論がある程度見えた段階で、協議会の出口についても検討していくことが必要である。


委員:
現在様々な主体が調査をしているが、今後、モニタリング調査の費用について持続可能な資金分担になっているのか。国がいくら、自治体がいくらといったような調査体制なのか。また、本当に必要な項目が調査されているのか。モニタリング調査結果を見ると、過去からあまり変化していないように思える。


事務局:
現在の調査項目は、過去に色々な調査・検討が実施され、それらの結果から減水区間の河川環境を評価するに必要な調査として絞り込まれた経緯がある。また、分担は、現地調査は東日本旅客鉄道(株)が、とりまとめは国土交通省が実施している。


委員:
モニタリング調査の結果が過去からあまり変化してないという意見があったが、資料3のp10のグラフをみると、直近5ヵ年のサケの遡上数がそれ以前よりも多く、維持流量の増加や魚道の改善の効果が明らかに出ていると考えられる。統計的に判断するにはデータ数が足りないが、これまでの取組みで成果が出ていないとは思わない。魚類相調査の継続については議論の余地があるが、サケの遡上調査は長野県がサケ稚魚を放流することも踏まえると、非常に意義がある調査だと思う。


<以降、特に意見がなかったため、サケ遡上調査の項目で「日別捕獲数という表題を日別累積捕獲数に修正」、「調査期間に実施に調査した日数を記載」することとし、まとめと評価(案)は了承された。>




2.宮中取水ダム減水区間における平成30年度モニタリング調査計画(案)(資料4)

<事務局から、「宮中取水ダム減水区間における平成30年度モニタリング調査計画(案)」について説明があった。>




委員:
サケの遡上調査の時期は、9/11~11/10で良いと思うが、魚道のメンテナンスの時期は、後期遡上群の遡上を阻害しないように配慮して頂きたい。


委員:
魚道のメンテナンスは先日の「第7回信濃川発電所宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会」で河川環境にとって非常に良い取組みであると評価いただき、魚道のメンテナンスの実施は重要だと考えている。メンテナンスの実施時期は、いろいろな魚が上下流に移動する時期と、作業の安全性を考慮して決めている。前倒しすると台風による出水の問題があり、後ろにずれると降雪の問題もあるため、現状では調査が終わった一瞬をねらって実施する。このため、11/10以降の20日間程度の期間が最善だと考えている。また改めて相談させて頂くが、当面はこの時期でお願いしたいと考えている。


委員:
魚道のメンテナンス時期の変更については、ぜひご検討頂きたい。


<以降、特に意見がなかったため、平成30年度モニタリング調査計画(案)は了承された。>




その他

1.迷入防止対策について

委員:
西大滝ダムではサケの迷入防止の対策が計画されているようだが、宮中取水ダムではどのような対策を実施しているのか、またそれに対してどのような評価がされているのか。


委員:
遡上してくる親魚に対しては、魚道が右岸側、取水口が左岸側にあるため遡上経路に関しては大きな問題はないと考えている。降下稚魚に対しては、①取水口周辺の気泡発生、②オイルフェンス、③放流ゲートの位置の調整、④集魚灯の設置、⑤稚魚降下期間における魚道入口への呼び水の停止を実施している。


委員:
上流の西大滝ダムでも同じような対策を実施するため、対策の効果があるのであれば情報共有をしてより良い形で進めて頂きたい。


委員:
効果については定量的に評価できる段階には至ってない。できるだけのことはやりつつ、上流の西大滝ダム関係者と情報共有しながらやっていきたい。


2.魚道のメンテナンス時期について

委員:
魚道のメンテナンス時期を変更することが難しい場合、長野県が放流する後期遡上群のサケが宮中取水ダムより上流に遡上しなくなることは明らかである。長野県が放流するサケを後期遡上群から前期遡上群に変更することはできないか。


会長:
まず前期遡上群や後期遡上群といったサケの種類等、そのあたりについてご説明頂きたい。


委員:
サケには前期遡上群と後期遡上群が存在することが知られている。前期遡上群から捕った稚魚は前期遡上群、後期遡上群から捕った稚魚は後期遡上群になる。そこで、宮中取水ダム地点と西大滝ダム地点で放流するサケ稚魚を、それぞれ前期遡上群と後期遡上群に区分した方が、長野県側で放流したサケが宮中取水ダム地点で捕獲される率が低くなり評価しやすいというのがそもそもの提案である。


委員:
魚道のメンテナンス時期は、他の魚類への影響と水量を考えた場合、9月に実施してやり残した分を11月に実施するといった妥協策もあるのではないか。


委員:
長野県としては河川での捕獲のインパクトを受けにくく、かつ野生魚になる割合が高い後期遡上群の放流が来年度以降も望ましいと考えている。放流する稚魚は中魚沼漁協から購入予定であるが、長野県には中魚沼漁協から購入の後期遡上群が遡上し、中魚沼漁協は自らが放流した前期遡上群のサケを捕るということで棲み分けできると認識している。


会長:
委員から説明があったデータは北海道のものであるが、前期遡上群・後期遡上群というのは信濃川でも存在するのか。


委員:
長野県が放流予定の稚魚は、信濃川の支流に遡上してきた後期遡上群の親魚から採卵し、孵化させるものであると聞いているので、信濃川全体で見れば前期遡上群も後期遡上群も存在すると理解している。


委員:
魚道のメンテナンス期間に信濃川の下流で後期遡上群のサケを漁獲すると聞いている。メンテナンスが終了する12月初めからは魚道へ通水しており、その時期に後期遡上群のサケが宮中取水ダムあたりに遡上してくるのではないかと認識しているが、そのあたりがわかれば教えて頂きたい。


会長:
事務局で情報を把握しているようであればご発言頂きたい。


事務局:
実際の採捕期間とは異なるかもしれないが、下流域の各漁協の採捕許可期間は、年度によって変わっている可能性もあるが、信濃川下流の信濃川漁協では10/20~11/25、中流域の中魚沼漁協では9/20~12/31、魚沼漁協では9/15~1/31、大河津の寺泊漁協では10/1~1/31と伺っている。


会長:
今後サケの遡上調査期間をどうしていくかについては関係者間で調整し、必要に応じて変更を認めるという形にさせて頂ければと思うが、問題ないか。


事務局:
魚道のメンテナンス時期とサケ遡上調査期間は、必ずしもリンクして設定する必要はないという考え方もある。これまで継続しているモニタリング期間であるため、調査時期を変更すると過去との比較ができなくなるという問題が生じる。


委員:
長野県が放流予定のサケは、今年放流してから親魚として遡上してくるまで3~4年かかるため、今すぐに魚道のメンテナンス時期や遡上調査の時期を決める必要はない。それまでに関係者で議論して合意すれば良いのではないか。


会長:
了解した。サケが遡上してくるのは、しばらく先ということであるため、今後の検討課題としたい。


3.十日町市の小水力発電計画について

委員:
私としては、十日町市の小水力発電計画は実現が難しいのではないかと思っている。水力発電によって魚が影響を受けないということは考えられないし、国交省管轄の1級河川において新規の水利権を獲得することは難しく、仮に水利権が許可された場合には、漁業被害やサケ稚魚の降下阻害等の問題が発生すると考えられる。更に言うと、水力発電によって利益を得るのは十日町市に限られ、周辺の市町村は損をするため不公平を覚えるからである。


4.その他

<事務局から、次回開催を2月中に西大滝ダム下流水環境調査検討会と同日開催を予定すること及び今年度試行的に信濃川河川事務所HPで行った、サケ遡上数の速報値の公表を次年度継続実施する提案があり、了承された。>









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