本文へジャンプ

トップページ > 事務所 > 各種検討会 > 信濃川中流域水環境改善検討協議会 > 協議会の開催結果 > 第16回協議会

信濃川中流域水環境改善検討協議会

第16回協議会

第16回協議会では、以下の2点について協議が行われました

  • 平成19年度調査結果の報告
  • 協議会提言書に盛り込む内容について

平成19年度調査結果の報告

【事務局説明】

[河川形態]

ハビタット調査について

  • 宮中ダムの減水区間は、西大滝ダムの減水区間に比べて河原が多いことが分かった。
  • 代表的な写真とあわせて、概要書に反映させる予定である。

 

河川形態調査について

  • 宮中ダム減水区間では、川幅が広いことから流量が多くなると早瀬が増加し、さらに流量が多くなると淵が増加していく。西大滝ダムの減水区間では、川幅が狭いことから、変化量は小さい。
  • 調査の結果については、概要書に反映し、更新する予定である。

 

[水温]

  • 流量が10.3㎥/sでは、一番高い地点と一番低い地点で約5℃ぐらいの水温差があった。
  • 流量が93㎥/sでは、水温差は1〜2℃であり、流量が多くなると水温差が小さくなることが分かった。
  • 流量が約30㎥/sぐらいを目安にして偏差が小さくなっている。よって流量30㎥/s以上については、水温と水深の関係式の補正を行った上で水温分布のシミュレーションを実施する予定である。


 


[付着藻類]

更新状況調査(付着板を用い、藻類の更新状況を把握する調査)

  • 9月7日に大きな出水があり、この出水によって付着板の多くが流失した。
  • 付着板が残っている1回目と2回目を比較したところ、明確な傾向は見られなかった。

  • 剥離流速調査(藻類の剥離する流速について実験的に実施した調査)

  • 流速0.9mを超えると剥離する傾向があることが確認できた。また、流速0.9m以上の場合については、暴露時間が長くなるにつれて剥離する量が増加する傾向があり、24時間暴露すると付着物が50%以上剥離することが確認できた。

  • 増放流時調査(増放流時の前後で藻類の変化を把握する調査)

  • 宮中ダム直下の流速の速い地点以外では増放流の効果が明確に把握できなかった。

  •  

     

    [魚類]

  • 文献調査等の結果、昭和19年以前に確認されている種のうち、サクラマスは昭和20年以降、長野県(千曲川)で確認されていない。
  • 現地調査の結果、すみ場別の確認状況は、アユ及びヤマメは平瀬、カジカは平瀬及び早瀬での確認数が多い。オイカワは平瀬と淵、ウグイは早瀬と平瀬、ニゴイは早瀬と淵で確認数が多い。
  • 水温別の確認状況は、アユは約26℃から下で確認されており、約22℃以下で確認数が多い。ヤマメは、26℃以下で確認されており、約23℃で最も確認数が多い。カジカは26℃ 以下で確認されており、約24℃以下で確認数が多い。オイカワ、ウグイ及びニゴイ、いずれの種についても30℃以上で確認されている。このうち、ウグイは他の種に比べて低い水温域でも確認されている。
  • すみ場、水温別の確認状況を使用しシミュレーションを修正する予定である。

 

 

[景観]

  • 流域の住民に郵送によるアンケートを実施する予定である。
  • 対象地点は4地点、対象流量は10㎥/s、20㎥/s、40㎥/s、60㎥/s、80㎥/s、100㎥/s程度の6段階を設定している。
  • アンケートに使用する写真は、フォトモンタージュにより水面の色等の条件を統一している。
  • アンケートの調査期間は1月18日から1月末までを予定している。


[地下水]

  • 聞き取り調査の結果、信濃川の左岸側では地下水の水位が低下したという意見があるが、右岸側では信濃川と地下水は関係ないという意見が確認できた。
  • 文献調査の結果によると、昭和9年頃から導水路掘削が原因と思われる枯渇が相次ぎ、それに対して補償が行われた記録が確認できた。また、昭和19年から昭和25年の間に井戸が減水した又は枯渇したという記録があるが、こちらも同様に補償が行われた記録が確認できた。

 


[サケの遡上]

漁獲量の推移及びサケの放流量について

  • 漁獲量の推移について、宮中ダム及び西大滝ダムが完成した1940年代以降、捕獲量が大きく減少していることが分かった。
  • 漁協別のサケの稚魚の放流量を整理した結果、中魚沼漁協の放流量が、他の漁協と比べて開きがあることが確認できた。中魚沼漁協では、平成から年平均で約6万尾が放流されている。


 


魚道について

  • 宮中ダムの魚道における問題点は、①魚道の入口とみお筋の位置が離れており魚道の入り口が見つけ難い。②魚道で横波の発生が非常に顕著である。
  • 宮中ダムの魚道と洗堰及び妙見堰の魚道と比較した結果、宮中ダムは上下流の落差が非常大きく魚道の延長が長い。また、魚道の幅員が、他の施設では約2m前後に対して約10mという幅員がある。
  • 「信濃川魚がのぼりやすい川づくり技術レポート(平成15年3月,北陸地方整備局)」の評価では、宮中ダムの魚道は遡上が困難であると評価されている。

 
 

【質疑応答】

委員:
ハビタット調査結果について、水生昆虫(底生動物)の優占種は、現存量を基に整理するとよい。

事務局:
現存量を基に整理する。

委員:
千曲川放流事業について、サケの放流事業など表記を変え分かりやすくする。

委員:
ダム建設におけるサケの補償費はいつごろ、どれくらいであったのか分かるか。

事務局:
補償額は把握していない。


協議会提言書に盛り込む内容について

【事務局説明】

  • 提言書の内容について、協議会の科学的検討の結論として、「少なくとも流れてほしい流量」を提示する。
  • 提言書の形式について、本文は望ましい流量の方向性とあり方について二、三ページぐらいで示し、これまでの調査経緯等、根拠についは添付の概要書で示す。
  • 提言に盛り込むべき事項について、流量については、複数の観点から、「少なくても流れてほしい流量」について、各観点からの結果を併記する。さらに、これらを総合的に勘案して、総合的な「少なくとも流れてほしい流量」というものを幅として示す。
  • 今後の河川環境のフォローアップのあり方について提言書の中で提言を行うべきかどうか。

【質疑応答】

委員:
提言書に盛込む流量について、毎秒何m3/sの放流だけではなく、毎秒何m3/s放流の場合に年間利用率(何%)はどうなるという表現を付け加えれば、一般の方にも分かりやすくなる。 フラッシュ放流をする際にその利用率の範囲内で行う仕組みを考えていく布石になる。流量の変動が可能なように提言を書くことはできないか。

事務局:
一定の流量がある一方、「将来的な検討課題」として変動する必要な流量の概念も併記することを検討する。

委員:
フォローアップについて、提言した内容が実現された後には、チェックするための検討委員会などが必要である。

委員:
フォローアップについては、水利権の更新が行われた後に、必要に応じて行うことがよいと考える。更新の前にJRや東電が放流量増加に努力してくれるとよりよい。

委員:
宮中ダム及び西大滝ダム魚道の改築を提言書に盛り込んでおきたい。

委員:
水量だけではなく、宮中ダム・西大滝ダム魚道の改修についても提言に盛り込む必要がある。

委員:
継続的な地下水位の調査はできなかったのか。

事務局:
十日町市からデータの提供を受けており、1970年代までは遡る事ができている。

委員:
JRの水利用と対比して地下水位のデータを整理しているか。

事務局:
1970年代からのデータであるため、取水を開始してからどのように変化したかは把握できない。

委員:
産卵時期など、夏季以外の生物データについても、調査を行っているので概要書につけるべき。

事務局:
データがあるようであれば追加する。

委員:
生物の観点では、毎秒50m3/s程度流して欲しい。

委員:
土砂が補給されておらず、河床の低下が起きているのではないか。 時々は土砂を持ってくるような流量を流してもらうと自然ではないか。

事務局:
近年20年程度のデータでは、河床は大きくは下がっていないと思われる。 横断形状の変遷などをまとめることはできるが、河床変動量とフラッシュ流量とを関連付けることは難しい。

委員:
西大滝ダム及び宮中ダムにおける堆砂量と土砂流出量の整理が可能であれば、データを提示して頂きたい。

事務所:
検討する。

委員:
魚の遡上だけでなく降下についても提言の中に盛り込んで頂きたい。

委員:
十日町の床固めの改善について、提言の中に盛り込んで頂きたい。

事務局:
魚類の遡上降下の連続性としてまとめることは可能である。 ただし、個別箇所の具体的な内容を提言に入れることは難しい。

委員:
放流量は50m3/s以上が必要であると、明記できるようにお願いしたい。



ページの先頭へ戻る