はじめに

第1章
新潟県中越地震の概要
第2章
北陸地方整備局所管施設
等の被害及び応急復旧状況
第3章
様々な支援の取り組み
第4章
北陸地方整備局所管施設
等の本復旧及び復興
第5章
地震発生後の動き
第6章
地域への情報提供
第7章
参考資料



国土交通省
北陸地方整備局


第3章 様々な支援の取り組み

第2節/市町村道の災害緊急調査
1.経  緯
2.支援の内容及び体制
3.調査状況
4.調査結果
5.課題・留意事項

5  課題・留意事項
(1) 支援体制関係
1) 連絡要員として調査対象市町村へ職員1名ずつ(栃尾市除く)を派遣したが、地震発生から1週間しか経過しておらず、各市町村でも対応に追われている中での情報収集となったため、本部への情報伝達が滞る場合もあった。

2) 被災箇所の現地調査が予定より時間を要したため、現地調査員の増員及び調査期間の延長を行い、調査班の再編成が必要となった。

(2) 現地調査関係
1) 当初、現地調査本部(湯沢町)で使用できる情報伝達手段は携帯電話とFAXのみであり、電子データの送受信が必要な場合は同町内にある長岡国道事務所湯沢維持出張所を経由して行っていた。今後、現地に調査本部等を設置する際は、電子デ−タの送受信が可能な環境を早急に整備する必要がある。

2) 現地調査にあたって、衛星携帯電話が有効であるが、管内の保有台数には限りがある。そのため隣接地整等と情報を共有し必要台数の確保を行っていくとともに、応援派遣者に対して、衛星携帯を持参しての参集協力を求めることも今後は重要である。

トピックス
道路被災調査に関わる「道路先遣隊」の活躍
 新潟県中越地震の発生直後は、通信の途絶やCCTVも停電や光ファイバーケーブルの断線などが重なり、中越地域の道路情報はマヒ状態となった。「国道が崩れて車が埋まっている」、「長岡市まで車で行けるのか」といった情報が錯綜しつつ、しかし確認のすべもない状況であった。そこで、「情報は取りに行こう」という気運が高まり、道路部職員5名からなる「道路先遣隊」を編成し、地震発生から約2時間後の平成16年10月23日午後7時45分、4WDワゴン車で一路、被災地へ向け本局を出発した。
 途中、国道8号沿いの黒埼維持出張所で無線機、誘導灯等の装備を積み込み、通行止め箇所を迂回し路面の段差を乗り越えながら、23日夜半には長岡国道事務所へ到着。その後、長岡市妙見の土砂崩落箇所を確認し、24日の明け方には国道17号小千谷バイパスまでたどり着いた。途中の状況は、無線で長岡国道事務所へ、携帯メールで本局へと随時連絡を入れた。多くの人が路上の車中に避難していたり、地震発生の23日夜半には既に富山県や山形県からの救急車やレスキュー車両が50台ほど連なる光景に圧倒される。
 24日昼前には、山古志村役場の状況を確認するため、地元の方から経路を教えてもらいながら、四輪駆動の軽自動車で走れるところまで行き、最後は徒歩にて午後4時頃、役場へたどり着くことができた。
 戻る際には、孤立している被災者へ長岡地域の状況を説明したり、逆に必要な物資のリストを預かり自衛隊へ渡すなど、臨機応変に様々な任務を果たし、出発から24時間後の24日の午後8時には長岡国道事務所へ全員無事に戻り、24時間ぶりの食事をとった。
 道路先遣隊が撮影した写真を以下に示す。
山古志村役場へ向かう県道の被災状況 孤立した小千谷市蘭木集落の様子
山古志村役場へ向かう県道の被災状況


孤立した小千谷市蘭木集落の様子

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