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〜梓川の砂防を担って60年〜
「釜ヶ渕堰堤」 ―日本で最初のアーチ式砂防堰堤―
登録有形文化財の登録について


 去る平成14年5月17日に、文化庁の文化審議会において、安曇村中ノ湯の「釜ヶ渕堰堤」を国の登録有形文化財に登録するよう、文部科学大臣に向け答申が行われました。
 「釜ヶ渕堰堤」は、昭和17年の竣工以後、およそ60年あまりもの長きにわたって、上高地の急峻な山々に囲まれた広い谷間を流れる梓川を災害から守り続け、いまも現役で梓川の砂防を担っています。なお、アーチ式砂防堰堤として登録有形文化財に登録されるよう答申されるのは全国で初めてです。

なお平成14年9月3日に登録有形文化財として登録されました。

−釜ヶ渕砂防堰堤の概要−
○所在地 長野県南安曇郡安曇村4460
○施工時期 昭和11年(1936年)着工
          昭和17年(1942年)竣工
○規模・構造等
 ・堰堤の効果  貯砂量210万m3
 ・調整量  約26万m3
 ・堰堤の大きさ  高さ29m 長さ79m
             体積約10,986m3
 ・構造  粗石コンクリート(法面は練石張) 


○文化財登録にあたっての推薦理由等
 1)国土の歴史的景観に寄与している。
 落水が天然の滝のようにも見え、石積みのパターンやアーチ式の形状も周囲の景観と調和しており、景観的に評価が高い。また、上高地のランドマークとして、建設当初より来訪者に親しまれている。
 2)造形の模範となっている。
 わが国における初期のアーチ式堰堤であり、その形態や構造、先端的な築造技術は、その後のアーチ式堰堤の手本になったと考えられる。なお、本堰堤は、日本土木学会によっても「重要な近代土木遺産」としてその保存が望まれている。

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