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管内の紹介‐流域の概況

管内の水源地は荒廃山地で、谷川連峰を中心とした「谷川岳」及び浅間山を中心とした「浅間・白根」の重荒廃地と、管内の水源山地のほとんどが含まれ る「只見・日光・上信越」の一般荒廃地域となっています。また、流域内には飯士山・浅草岳・守門岳・苗場山・鳥甲山・焼額山等の火山があり、これら火山よ り噴出した非常に脆弱な地質が約一割の地域を占めています。こうした荒廃地に加え、積雪が3~5mにもなる豪雪地帯で雪崩や融雪水による流出土砂が非常に 多い状況です。

また、人家集落等が水源地に近い位置に分布しており、土砂害を受け易く、都心に近いためスキー場や温泉を中心としたレクリエーション・ゾーンとなっ ており、地域開発が活発で、各地で砂防事業の必要性が高くなっています。

また、管内には苗場山を中心とする「上信越高原国立公園」、駒ヶ岳・中ノ岳・八海山を中心とする「越後三山只見国定公園」、巻機山を中心とする「魚 沼連峰県立自然公園」があり、国有林野も広く水源地を占めており、砂防事業の実施においては、いろいろな配慮が求められています。

流域全体図
河川名 幹川名 流域面積
(km²)
流路
延長
(km)
平均
河床勾配
代表地質 水源地
魚野川 1,503.6 68.4 1/49 谷川岳(1,963m)
芋川 38.4 17.2 1/41 泥岩 猿倉岳(679m)
破間川 509.3 46.0 1/39 安山岩 守門岳(1,537m)
佐梨川 88.4 21.7 1/38 花崗岩 駒ヶ岳(2,003m)
水無川 50.2 19.1 1/19 千枚岩 中ノ岳(2,085m)
三国川 153.4 23.3 1/20 斑れい岩 下津川岳(1,928m)
登川 83.2 18.5 1/16 花崗岩 朝日岳(1,945m)
大源太川 45.8 9.7 1/12 花崗岩 大源太山(1,597m)
魚野川上流 93.2 15.0 1/21 花崗岩 谷川岳(1,963m)
残流域 441.7
清津川 307.4 44.0 1/32 石英閃緑岩 白砂山(2,139m)
中津川 345.9 45.8 1/27 安山岩 岩菅山(2,295m)
志久見川 118.3 17.4 1/14 安山岩 鳥甲山(2,038m)

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魚野川

魚野川

水無川上流部の崩壊中ノ岳西斜面

魚野川は、流域面積1,504km²、流路延長68km、平均河床勾配1/49で管内流域の約3/4を占め、信濃川中流部における最大の支川です。 魚野川における代表支川は、芋川・破間川・佐梨川・水無川・三国川・登川・大源太川などがあり、すべて右支川で合流点附近には大きな扇状地が形成されてい ます。水源地となっている2,000m級の山岳地帯は、複雑急峻で風化浸食作用が活発で山稜は鋭く、山腹には多数の小渓が発達しており、特に花崗岩地帯で は顕著です。第四紀の守門火山噴出物から成る破間川上流域は変成岩や斑れい岩等から成り、破砕化が著しい水無川・三国川、風化花崗岩地帯の破間川下流域・ 佐梨川・登川・大源太川・魚野川上流域などは、土砂生産が著しく直轄砂防事業によって保全が図られています。

また、「平成16年(2004年)新潟県中越地震」により、芋川流域内で多数の土砂崩壊、地すべり、河道閉塞が生じました。今後予想される土砂流出 に対する芋川流域内及び下流域の安全を確保するため、芋川流域でも直轄砂防事業および直轄地すべり対策事業に着手しました。

魚野川本川筋には国道17号、JR上越線、関越自動車道、上越新幹線など北陸の動脈交通が併走しています。また、流域及び周辺は観光資源に恵まれ、 スキー場も多くレクリエーション地区となっており、地域開発が急速に進んでおり、奥只見レクリエーション地域整備事業等の大事業も実施されています。

清津川

清津川

清津川最上流部の崩壊白砂山東斜面

清津川は、流域面積307km²、流路延長44km、平均河床勾配1/32で北流しており、上流部で右支浅貝川及び二居川、下流部で左支釜川などが 合流しています。苗場山(2,145m)に源を発する流域は第四紀火山噴出物で覆われ、崩壊及び浸食が著しく、そのほとんどが上流域に集中しており、ブナ 等の原生林が多い状況です。また、流域は陵線近くまで深い谷となっていますが、全体的には壮年期の地形を呈しています。

中流部には“清津峡”と呼ばれるV字渓谷で名勝・天然記念物があり、これより上流域と下流域では生活圏が異なり、上流部は魚野川流域の生活圏となっ ており、苗場スキー場を中心としたレクリエーション地域です。

中津川

中津川

中津川上流部の崩壊鳥甲山東斜面を刻む白沢

中津川は、流域面積346km²、流路延長46km、平均河床勾配1/27で清津川と併走して北流しており、中・上流は長野県、下流は新潟県に位置 しています。支川千沢は、群馬県の野反湖に源を発し、烏帽子岳、鳥甲山等の高山は基盤が露出して急峻な地形を呈しています。

流域は第四紀火山噴出物で覆われており、特に苗場山西斜面には大崩壊を伴った火山食渓が発達しており、最も著しい荒廃地となっています。こうした 中・上流域には“秋山郷″と称する平家の隠れ里が温泉とともに点在しています。

また、下流部は段丘地形で、広い河道は不安定土砂の堆積の二次浸食による土砂生産源ともなっています。

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