荒川水系流域委員会の設立趣旨書


山形県の大朝日岳に源を発し新潟県下越地方を貫流して日本海に注ぐ荒川は、その名も示すように古来から度々氾濫を引き起こす暴れ川でした。

昭和42年8月28日の羽越水害を契機に荒川は一級河川の指定を受け、昭和44年3月28日に「荒川水系工事実施基本計画」が決定しました。

その後、昭和63年と平成6年の2回の改定を経ながら河川の整備を実施してきました。地域住民の復興への努力とあいまって、今日では安全な郷土形成の確固たる土台となっています。
一方、人と河川との豊かなふれあいを目指し、平成9年に河川法が改正され、従来の「工事実施基本計画」に代わり、河川整備の長期的な方向を示す「河川整備基本方針」と、具体的な河川整備の実施に関する事項を定める「河川整備計画」を策定することとなりました。

荒川水系においても、早期に「荒川水系河川整備基本方針」を定め、引き続き直轄管理区間を対象とした「荒川水系河川整備計画」の策定を進める方針で、鋭意検討を実施いたしております。

「河川整備計画」の策定に際しまして、河川環境の整備と保全を求める国民のニーズに的確に応え、河川の特性と地域の風土・文化などの実情に応じた河川整備を推進するために、地域との連携が不可欠との観点から、関係地方公共団体の長、学識経験者、地域住民等の意見を聴き、計画に反映する手続きが導入されました。

北陸地方整備局では、この手続きの一環として、荒川に造詣の深い学識経験者等の方々の意見を頂戴するための「荒川水系流域委員会」を設置するものです。