関川流域委員会第2回ワーキンググループ議事要旨 |
日時 : 平成15年5月30日(金) 10:00〜12:00
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場所 : ホテル センチュリーイカヤ |
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1.概要
ワーキンググループ・流域委員会の目的、内容、スケジュール、合意形成の進め方等について、ワーキンググループメンバー持参のメモ等に基づき検討を行い、とりまとめたワーキンググループ案を次回流域委員会(6月18日開催予定。)に諮ることとなった。
2.ワーキンググループメンバー持参のメモの取扱い(公開)について
各メンバー持参のメモの取扱い(公開)については、各メンバーの判断に任せることとする。(「傍聴者を含め室内の全員に配付する」「手持ちとし配付しない」等)
3.ワーキンググループ・流域委員会全般について
(進行等について)
( 1 ) |
目的が今一つ浸透していない面があるように感じる。何をどう行動するのか早い時期に明らかにし、具体的なたたき台を出した方が、より分かりやすく、議論が進むのではないか。(住民の意識調査、シンポジウム、住民参加型協議を含む。) |
( 2 ) |
流域委員会の委員に指名された際、昨年実施した現地調査や、資料−3のようにその立場立場で発言することを主と考えていたが、現在は委員会の進め方・方法論の議論が相当多くなっているので、もう少し委員会の内容を整理してほしい。 |
( 3 ) |
資料−1の案は、切羽詰まらないようなやり方である。これまで、切羽詰まると問題が発生している。同案は基本的なところで合意しておいてから、みんなで考えていこうという案である。 |
( 4 ) |
当委員会は、実質的な調整役と考えてはどうだろうか。行政に提言して終わりではなく、その後の監視、行政・住民間の合意形成、あるいは住民同士の合意形成などの調整を行ってはどうだろうか。 |
( 5 ) |
当委員会及び国土交通省の取り組みを広くアピールする(世論に訴える)ため、シンポジウムも必要なのではないか。 |
( 6 ) |
委員会の活動を支援する組織・仕組みを国土交通省に立ち上げてもらいたい。 |
( 7 ) |
関川・川づくりワークショップにおける実務的なサポートと同様な枠組みが当委員会についても必要であろう。このサポートは、経験・蓄積があって初めてできるものであろう。 |
( 8 ) |
前回のワーキンググループでは、行おうとしていることが自分のイメージと食い違っていると感じたが、ワーキンググループの目的はもっともなものだと思っている |
( 9 ) |
先にマスタープランのようなもの(関川流域における水の基本的な考え方)をとりまとめておいた方が個々のものに対してコメント(見解)を出しやすいであろう。 |
(10) |
関川流域マスタープランといったものを作成するのは、当委員会だけでは無理であろう。上流から下流まで全部の市町村の方に入ってもらい議論しないと恐らくできないであろう。 |
(11) |
当委員会における議論が流域圏構想等に反映され、関連市町村が集まり「関川流域ネットワーク」といったものに発展するのは大いに結構であろう。 |
(合意形成について)
(12) |
合意形成に関する技法については専門家に検討してもらえば良いのではないか。委員は地域色のある内容について発言できれば良いのではないか。 |
(13) |
上記技法の分野については、まだ確立されていない。 |
(14) |
いままでいろいろな検討委員会に出席してきた。そこでは行政がいろいろな施策を提示し、それに対して委員がコメントし、行政が持ち帰って直し、また検討会を開き、それで合意が得られたと思っていたが、アリバイづくりに使われていたのではないかとも思っていた。 |
(15) |
妥協点を見つけることが本当の合意形成なのかと、今回改めて考えさせられた。 |
(16) |
できる限り多くの流域住民に参加してもらうことを重要視するとともに、繰り返し意見を聴取し合意を図ることが必要ではないかと思うので、モニター制度を導入して はどうか。モニター制度では、住民から意見を聞き、委員会で調整・検討し、検討結果を住民に返し、再度住民から意見をもらい、その意見を委員会で集約・調整し、また住民に返すというように繰り返す必要があろう。 |
(17) |
流域住民からの提案事項は基本的に公開とし、いつでも意見・提案を出せる状況にしておく必要がある。 |
(18) |
流域住民の合意形成には非常に難しい面がある。一番の難題は放水路問題であろうが、以前紹介のあった東京都庁職員(全国の放水路を調査し学位を取得。)の講演を聞くことにより何かつかめればと思う。 |
(19) |
合意形成を難しくしている原因として、住民・行政・専門家間の「相互不信」があろう。互いにパートナー(仲間)と認め合い、相互不信を取り除いて(パートナーシップ(協力関係)を構築して)いくことが大事である。 |
(20) |
第三次全国総合開発(三全総)からずっと、「流域圏」から国を考える「流域圏構想」が言われているが、実質的には、流域として河川・道路・町・農地等が話し合う場はない。 |
(21) |
モニターをお願いする際には、その地区で経験を持ち、あるいは近所の意見をまとめる役割を担っている方にお願いすることなどをうまく組み合わせていくことが大事であろう。 |
(その他)
(22) |
過去、建設省が案を提示し河川工事を実施してきたが、それが色々なところで行きづまってきた。このため、プロセスを変えようと、法律を改正した。 |
(23) |
上記法律改正は、予算も限られていることから、公共事業について住民全体のまとまりがあるところに予算を付けようということだと思っていた。 |
(24) |
例えば川の環境整備と治水安全度の確保がお互いに問題なく実現できる場合にはすんなり進む。しかし、どちらか又は流域内のどこかが痛みを伴うことがあり、その痛みを感じたところが問題を提起し、全体のプラスになると思っていた計画が頓挫することがこれまでいろいろなところで起こっている。 |
(25) |
下流域のみならず流域住民の意識として、7.11水害以降河川の改修が進められ、その計画がほぼ完成したと思っている。ここ何十年も、地域の開発に応じて内水被害が発生している。河川の改修計画で想定した規模を超える豪雨があると大規模災害が発生する可能性が常に内在していると思う。 |
(26) |
上越の中心拠点となろうとしている謙信公大通り周辺の関川沿川に、平常時には防災教育・環境学習の場などとしても活用できるとともに、非常時には防災上の総合的な司令所となる建物を設置すると良いのではないか。 |
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4.住民参加型協議について
( 1 ) |
今までの例から、現行のインターネット・新聞広告等で募集する方法では、ある程度 参加者が限られてくるのではないか。環境・水辺を守ろうといった方は大いに出席し意見を述べるが、実際問題として災害を経験している流域の方、年輩の方たちは(相対的に)積極的には参加しないだろう。 |
( 2 ) |
参加者のバランスを取るための手段を尽くしたうえでの住民参加型協議は結構だと思うが、そうでないのなら、3回実施する必要性があるのか疑問がある。 |
( 3 ) |
いろいろな問題を抱えている方々が参加でき、発言することができ、そういった意見を組み入れることができる住民参加型協議をどのように進めるかが大きな課題である。 |
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5.住民の意識調査について
( 1 ) |
こちらの意見、考え方を提示し、その反応を聞けば意見が出てくるかもしれないが、ただ「関川に対してどう考えますか」では意見が出てこないと思う。 |
( 2 ) |
調査結果より地区ごとに疑問点・知識のレベル等を集計し、地域が何に疑問を抱いているか、何を問題としているか分析し、この分析結果に基づき再度聞き返す、又は、委員会から提案して聞き返すというように、調査を繰り返すことが大事ではないか。 |
( 3 ) |
棚田、水銀の問題などから、上流域の住民の意識についてもある程度無作為で抽出して調査する必要がある。住民が関川に対してどのような思いを持っているのか幅広く調査し、ある程度住民意見の集約の中に取り込んでいくことが大事であろう。 |
( 4 ) |
意識調査の内容の案については、防災・環境といった各専門分科会で検討して作成した方が良いのではないか。 |
( 5 ) |
意識調査の内容については、ワーキンググループで概略の合意ができたら専門分科会での議論に移れば良い。 |
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6.次回流域委員会におけるワーキンググループ案の提案について
( 1 ) |
ワーキンググループ案の提案に当たっては、基本的な考え方(委員会の役割、住民・行政との関係、住民・行政・専門家間の相互不信を取り除きながら合意形成を進めていく考え方)を整理したものを出すことが必要であろう。 |
( 2 ) |
より具体的な項目等を提示しながら説明することが重要であろう。 |
( 3 ) |
住民意識調査を有効に行うため、専門分科会を早期に立ち上げる提案をする。 |
( 4 ) |
流域住民の意識調査については、流域規模で実施する案を提案する。 |
( 5 ) |
住民参加型協議については、それぞれの意見の代表者に必ず参加してもらう形態について十分検討する必要があり、一つの案としてモニター制度の活用が考えられる。 |
( 6 ) |
資料−1を委員長が修正し、事務局よりワーキンググループメンバーに照会したうえで次回流域委員会に提案する。 |
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7.専門分科会について
( 1 ) |
不利益を被るような、利害関係のある部分における合意形成が一番難しいと思うので、専門分科会等で十分審議してほしい。 |
( 2 ) |
当面「防災専門分科会」と「環境専門分科会」を立ち上げてはどうか。(利水について独立して議論する必要が出てきた場合には、その時に専門分科会の設置について検討してはどうか。) |
( 3 ) |
流域委員会の委員にはどちらかに入ってもらい、ワーキンググループメンバーは専門分科会における議論をリード(先導)してもらいたい。 |
( 4 ) |
専門分科会の仕事としては以下の5つが考えられる。
1) 住民の意識調査の内容に関する検討
2) 同調査の解析結果のとりまとめ
3) 住民参加型協議のあり方の検討
4) 関川流域における水の基本的な考え方のとりまとめ
5) 整備計画案への意見書のとりまとめ |
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8.利水に関する検討について
( 1 ) |
周辺が農業地域であることなどから、利水についても専門分科会で検討してほしい。 |
( 2 ) |
農業用水の合理化などの防災面への影響については防災専門分科会で議論してはどうか。利水の水質に関する事項については環境専門分科会で議論してはどうか。 |
( 3 ) |
下流域が水利権を押さえており、水を使いたいと思っているのは上流域の人々であると思う。 |
( 4 ) |
水がきれいになれば、川に対する思いが随分変わってくる面もあろう。 |
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9.第3回ワーキンググループについて
( 1 ) |
住民の意識調査と河川整備のオプションに関する議論を行うものとする。 |
( 2 ) |
7月4日(金)10時30分〜12時30分に開催する。 |
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