宮中取水ダム試験放流検証委員会
第8回委員会
以下の1点について審議していただきました。
- 5年間の試験放流調査結果のとりまとめの方向性(中間報告)
5年間の試験放流調査結果のとりまとめの方向性(中間報告)
【資料説明】
5年間の試験放流調査結果のとりまとめの方向性(中間報告)については事務局が説明
【欠席委員の意見紹介】
委員1:
28℃を超えた水温域でも魚類が確認されているのは魚類が水温に慣れるからであるが、魚類の生息に適した水温は文献にあるような水温である。
委員2:
水温について、今後想定している予測計算の条件以外に必要な条件があれば連絡する。
魚類について、古いデータと最近のデータで魚類相に変化がないかどうかを確認し、変化があるようなら古いデータは除いて解析した方が良い。
調査結果を図表に示す場合、何の図表なのかが一目で分かるようにする。また、調査未実施と確認無の区別を明記する。
1週間前までの最大流量が付着藻類の繁茂状況に影響したことが分かったという結果なので、今までの委員会で検証してきた結果についても、1週間前までに出水のあったデータを除いて評価し直すと良い。
底生動物についても付着藻類と同様に、調査日以前の出水の状況の影響を検討した方が良い。
生物指標を使った解析をしたら、試験放流による環境の変化について何か言えるのではないか。
【議事】
●底生動物
委員:
資料の3.2.3-10ページにあるEPT指数について、信濃川だけでなく魚野川も低下している。水質にも関わることなので、原因を深く掘り下げる必要がある。
委員:
3.2.3-11ページにあるように多様度が上がっていることを踏まえ、平林委員にもご指導いただきながら更に検討を進めて参ります。
●魚類調査時の水温
委員:
資料の3.2.1-35ページにある現地調査時の水温が8℃から32℃となっているが、間違いないのか。また、見方によっては、全ての地点で8℃から32℃が記録されているとも読める。
委員:
5年間の調査時の水温を全て示しているので、このような水温の幅となった。見せ方については、誤解を受けないように見直す。
委員長代行:
少し澱んだところだと32℃くらいになることがある。どのようなところで測定されたのか元データの検証が必要である。
●水理・水温予測モデル
委員:
水理・水温予測モデルの再現性については精度が重要である。どの程度観測値と一致しているのか、相関係数のような客観的なもので示して欲しい。
委員:
まだ適合度までは検討していないが、次回の委員会で何かしら説明できるようにしたい。
委員:
魚類の生息には28℃という温度が重要であるというところからこの議論は始まっているので、28℃の設定は大事に貫き通したい。
水温推測モデルにより、猛暑の時を再現してほしい。なお、宮中取水ダム上流の水温設定がシミュレーションをスタートさせるための諸般の条件となっていることは再確認した。併せて、平成21年度の全量放流時には28℃を超えていなかった。この場合についても状況を再現し、その状況から検討を行ってどういう結果が得られるか教えてほしい。
委員長代行:
モデルの再現性は測定結果と比較して1℃以内ぐらいなのでよくできていると思われる。なお、計測時の温度計についても0.5℃程度の測定誤差があること等考慮する必用がある。
●サケマーキング調査
委員:
昨年度まで実施していたサケの標識調査を今年度実施しなかった理由について、説明願いたい。結果を得ることが出来なくなって終了したのか、データの抽出が出来たから終了したとか。次回の開催時でいいので教えてほしい。
委員長代行:
上田でマーカーの着いたサケが捕獲されたことがあり、重要な情報は得られたと思われる。なお、質問に対する回答は次回開催時に事務局よりお願いしたい。
●その他
委員長代行:
放流量が40m3/sを超えるまでは早瀬・平瀬・淵の河川形態に変化があるが、40m3/sを超えると大きな変化がなくなる等の現象がみられ、40m3/sを決めた立場としては面白い結果が出てきたと感じている。
事務局:
次回の開催は平成27年2月下旬から3月中を予定する。