山本山
山本山
山本山の山頂から越後三山をのぞむ(写真提供小千谷市)
 信濃川が魚野川と合流して東ヘ大きく湾曲する信濃川左岸に盛り上がるのが山本山。標高336mは信濃川から約270mの比高がある。頂上の平坦部は20万年以上前の信濃川の河床であったという。頂上一帯の高原は、長岡東山山本山県立自然公園指定の区域。頂上の展望台に立つと眼下に信濃川が大きく蛇行し、上流には越後三山や魚沼の山々が連なり、下流には新潟平野がかすむように望める眺めはすばらしい。
 その頂上に絶佳な眺望とふるさと小千谷をこよなく愛した西脇順三郎の詩碑が立つ。白御影の自然石で、北面に
    「山あり河あり暁と夕日とが綴れ織るこ の美しき野にしばし遊ぶは永遠にめぐる 地上に残る偉大な歴史」
と刻む。短章の中に雄大な自然と幽玄な世界が漂う。
 近くに山本山放牧場がある。県下の育牛牧場としての歴史は古い。中腹には「市民の家」や体育館などの施設も整っている。川岸にあるのがJR小千谷発電所。昭和23年、国鉄(現JR)の輸送量増加と電化計画をすすめるため工事に着手、昭和26年に5万kwhの発電を開始。現在は最大出力12万3000kwh。平成2年二つ目の調整池の竣工で最大出力27万3000kwhの新発電所を建設。信濃川を母とするクリーンなエネルギーを首都圏に送り続けて人々の足を支えている。