2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により大規模な地すべりが発生し、白米千枚田へと繋がる国道249号が寸断されました。能登復興事務所では、白米千枚田周辺の地形を「マインクラフト」のワールドデータ上で再現し、『未来につなげる道路計画』をテーマとして、これから復旧する将来の道路計画のデザインを広く募集しました。
・当時のポスターはこちら ※データの配布・作品募集は終了しました。
・千枚田工区の復旧状況はこちら(能登復興事務所-書庫 へ移動)
応募いただいた作品は、2025年3月12日に石川工業高等専門学校にて、土木工学や情報通信技術を学ぶ学生たちの視点や感性で評価を行っていただきました。その内容を受け、能登復興事務所にて最終審査を行い、各賞を決定しました。
審査の評価項目
的確性 | 作成する場所や構造物がコンテストのテーマに沿っているか。また、土木的視点があるか。 |
実現性 | ワールドに作成した構造物を実際に建設する場合、災害復旧の対策方法として現実的なものであるか。 |
独創性 | ワールドに作成した構造物にオリジナリティがある。また、未来への希望感や現地条件(奥能登地域の地理的条件)を考慮した作品となっているか。 |
景観性 | 実際の土木現場では周辺環境への配慮も欠かせないため、構造物周辺の見た目や細部へのこだわりがあるか。 |
賞の種類と基準
最優秀賞 | 総合的な審査結果が最も高かった作品 |
優秀賞 | 最優秀賞に次いで審査結果が高かった作品 |
土木技術賞 | 特に優れた土木技術的視点が含まれていた作品 |
アイディア賞 | 独創性、景観性などが高かった作品 |
チャレンジ賞 | 未来につながる道路計画を創造した作品 |
・「ようこそ能登へ」という大きな看板、山頂に神社があり、景観に配慮されています。
・エレベーターや地下鉄も作られており、細部までのこだわりを感じる作品です。
・構造物には塩害を防ぐための特殊塗料を使うなど、耐久性への工夫がみられます。
・カフェテリアを設け、鉄道と海の絶景が見られるように配慮されています。
・風力発電設備が設置されており、環境への配慮と未来へのワクワク感が感じられます。
三つのうち二つの道は道幅を少し広くし、道をなおしました。残りの1つは土砂を取り除くのは大変だと思ったのでトンネルとして道を作成しました。そして観光できる場所をいくつか作成しました。
道路はトンネル復旧し、別ルートから行く観光施設のアイディアが面白い作品です。
土砂災害の起きた場所を通らないよう山中に自動車道を作成しました。
理由は別の場所に新しく道路を開通させることで土砂を撤去する必要がなく、将来的にも使い続けられる道路になると考えたからです。
元の道より山側に、トンネルと橋を組み合わせた道路を造っていて、今後の復旧の参考になります。
・自然との共生を考え、崩れた地形をそのままの形で残し、道をつなぎました。
・次に地震が来ても大丈夫なように、①道路脇にガードを、②海側に地震観測所を、③崩れた地形の下に大規模の地下避難所を作りました。
安全対策として道路沿いに防護柵を設置し、津波観測所を設置するアイディアは復旧への参考になります。
地すべりの発生した部分は崩れた土で不安定なので、補強する形で覆い、避けるようにしてルートを作成した。津波対策として、海面からやや高めの位置で道を通した。
崩れた土をコンクリートにより補強し、道路も崩れた場所から避けていて土砂災害の対策についてよく考えられています。
・土砂災害や津波が発生しても道路に影響がなく、地盤の変化による影響も受けないように、隆起地面の上に橋を架けるルートを選びました。
・海抜の低い名舟地区の住民が津波避難に使えるよう、集落まで橋を繋げました。
隆起した海岸の上にに元の道より高い位置で橋を造ることで、土砂災害と津波への対策されている点が良いです。
災害前と同じようなルートで、能登の美しい桜をはじめとした四季の景色を楽しめるドライブ・サイクリング向けの道を設計しました。安全対策を強化して、家族だけでなく、ひとりで来ても楽しめるような企画を盛り込んで、魅力のある復興ルートを目指しました。
千枚田ポケットパークの細かい作り込みや、新たに遊び場を作成したアイディアが面白い作品です。
・トンネルをぬけたら、あたらしい能登が広がっているようにしたかった。
・トンネルを丸くして、いつものトンネルのようにした。
・道路をらせんじょうにしたのは広いスペースをとらないようにした。
トンネルとラセン状の道路で復旧する面白いアイディアがあり、商業施設には多く人が集まりそうで見ているだけでもワクワクする作品です。
災害で崩れた山の土砂や資材を集めて道路の復興に使えないかと考えました。土砂や資材を使って壁をつくることで、この先の災害の時には避難所として使える道路を考えました。
崩れた土砂や災害で出た資材を活用して、道路を造るアイディアは素晴らしいです。
僕たちは土砂崩れの回避方法にトンネル採掘を選びました。理由としては地上に道などを作らず、動植物の繁栄などに影響しにくいようにするためと、ほぼ直線ルートにすることで、行き来の時間を短縮するという理由からです。
道路はトンネルでつなげ、道路斜面に安全対策していることや山の中に自然を感じられる施設を設けたところが良いです。
不死鳥のように何度でも美しくよみがえって欲しいという思いを込めて作品を作りました。
隆起した海岸を使って地すべりした道路をうかいするルートを作りました。
海岸は砂浜に変えて美しい海を見られる海岸道路にしました。
隆起した海岸を砂浜に変えて海岸に道路を造り、「走れる砂浜」にしたアイディアが素晴らしいです。
「希望の架け橋~能登~」は、白米千枚田へ続く新しい道を考えて作りました。もし地震で道が壊れても大丈夫なように、鉄道と道路を組み合わせ、安全に通れる工夫をしました。崩れにくい橋やトンネルを作り、土砂崩れを防ぐ壁も設置しました。観光で来る人も楽しめるように「ようこそ能登」の看板や海が見えるカフェを作り、みんなが安心して通れて、わくわくするような道を目指しました。