アルプスSABO NEWS

Date:
2010/01/12
釜ヶ渕えん堤天端の石張補修工事が完成しました。
  平成21年7月から施工していた釜ヶ渕えん堤補修工事(今年度施工分)が完成しましたのでご紹介します。
  釜ヶ渕えん堤は、松本市安曇の県道上高地公園線・釜トンネル脇の梓川の峡谷部に設置されているアーチ式砂防えん堤です。本堤の長さは79m、基礎から水通し天端までの高さは29mあり、戦前に建設されたアーチ式砂防堰堤では国内でも最大級の規模といわれています。
現在も変わらずその役割を果たしていること、高度な設計・施工技術、優れた景観が評価され、平成14年には「登録有形文化財」として文化庁の登録を受けています。
 
 その釜ヶ渕えん堤も厳しい環境から少しづつ傷みがきており、本堤・副えん堤ともに水通し天端の石張りが欠損しているほか、本堤の基礎部の洗掘、副えん堤の袖部の損傷等が確認されています。
  今年度は、右岸岩盤斜面の落石防止ネット設置と本堤の天端石張り復旧を行いました。このうち、石張りの復旧にあたっては、文化財に登録されていることもあり、建設当時と同様に現地の転石(焼岳起源の安山岩)を加工して設置しています。
 
  施工は松本土建(株)さんが行ったもので、いずれの工種ともたいへん危険な高所作業でしたが、無事故で完成を迎えたことをうれしく思います。関係された皆さんにお礼申し上げます。
釜ヶ渕えん堤全景(着手前)
天端損傷状況(着手前)
石張り復旧状況
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


アルプスSABO NEWS一覧へもどる