アルプスSABO NEWS

Date:
2009/09/08
【地域の話題】小谷村で薙鎌(なぎかま)打ち神事が執り行われました
  8月31日、長野県と新潟県との境にある、小谷村中股小倉明神社にて薙鎌打ち神事が執り行われました。
  薙鎌打ち神事とは、御柱祭の前年に諏訪大社の宮司が小谷村戸土にある境の宮神社と中股の小倉明神の御神木へ7年毎交互に薙鎌と呼ばれる鎌を打ち込む行事で、平成3年に長野県無形民俗文化財の指定を受けたものです。古くから行われていたらしいのですが、明治時代に入って一時中断、昭和18年に再開されて現在に至っているようです。
 
  この薙鎌打ち神事は、諏訪大社の宮司が小谷村まで足を運んで行われていることから判るように、諏訪神と深い関わりがあります。大国主命と奴奈川姫との間に生まれたのが諏訪神である健御名方命(たけみなかたのみこと)とされ、小谷村には健御名方命の誕生や入信(信州に入ること)に関する伝説が数多く残っていると聞きます。江戸時代に起こった信越国境論争の際には、諏訪神の敷地として7年に一度その御神体としての内鎌(薙鎌)を打って来た事実等のため、信州側の主張が認められたということもありました。薙鎌には信州開拓のシンボルであるとか風雨鎮護の為の呪具とかいう説もあるようです。
 
  今年の薙鎌打ち神事は、雨上がりで曇った天候の下で行われました。修祓の儀、開扉の儀、献饌の儀と続き、いよいよ薙鎌打ちが行われる頃になると、新潟県側から霧が吹き上がってきて境内はちょっと神秘的な雰囲気に包まれました。そして雅楽が奏される中、薙鎌が諏訪大社の宮司により御神木に打ち込まれました。その後、玉串奉奠、閉扉の儀が行われ、最後に一同が拝礼して神事は無事終わりました。

  なお、今年薙鎌打ち神事が執り行われた小倉明神社のすぐ近くで、当事務所発注の中股第3号砂防えん堤資材運搬道路工事が行われています。今回の神事を行うにあたって道路整備等の協力に対して関係者の方々から感謝のお言葉を頂きました。

(参考文献 小谷村誌)
薙鎌打ち神事 (写真:小谷村ケーブルテレビ)
薙鎌打ちをされた御神木
中股第2号砂防えん堤付近 の見学者のバス
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


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