アルプスSABO NEWS

Date:
2009/08/11
長野県治水砂防協会第71回通常総会が開催されました
  8月7日、長野県治水砂防協会第71回通常総会が長野市「メルパルクNAGANO」にて開催されました。
  開催にあたり、会長である中村信州新町長が、「今年も既に20道府県で土砂災害が発生し、昨日(6日)に長野県でも今年初めての土砂災害警戒情報が出され、道路や鉄道等で被害が出たと聞いている。先日の山口県の災害報道でも自然の牙の恐ろしさ、早期避難の必要性を痛感した。高齢者の住まう地域への施設整備や里山砂防など更なる砂防関連事業の推進を図っていかなければならない。砂防事業を取り巻く環境は厳しいが、より一層の事業の推進を希望していきたい。」と挨拶されました。
 
  引き続き来賓として、まず、森山裕二国土交通省河川局砂防部保全課長が挨拶され、「日本は急峻で、地質も脆く、雨が降れば土砂災害が発生する国。先の山口県や福岡県では大変な被害が出た。国土交通省としてはTec-Forceや研究者の派遣を直ちに行ったが、災害には迅速な対応が必要。災害予防という点では厳しい状況にあるが、多くの方が土砂災害で亡くなるということは憂うべきことであり、災害時要介助者の住まう土地への土砂法に基づく区域指定をしていくよう、皆様方もますますの協力をお願いしたい。」と述べられました。
 
  続いて岡本正男(社)全国治水砂防協会理事長が挨拶。「今回の山口県災害の時にたまたま山陽新幹線に乗っており、大変な豪雨だと実感し、最前線で働いている職員の方々の苦労を思い浮かべた。ここ長野県で発生した昭和59年の長野県西部地震災害、翌60年の地附山地すべり災害の時のことを思い出したが、こうした災害体験を伝えていくことが大切。先月22日には土砂災害を防止し、地域を活性化するための緊急提言を出して、3つの施策を強く押し進めるべきだと提案させて貰った。」と述べられました。
 
  清沢英男長野県議会危機管理建設委員長は昭和大恐慌後の農山村への匡救事業としての砂防の役割と全国治水砂防協会の前身としての「長野県治水砂防協会」の歴史について触れられ、「山口県災害は悲惨な状況であったが、砂防事業を実施してあったところには災害はなかったと聞く。同様なことは長野県でも3年前の災害で経験済みである。砂防堰堤のことをコンクリートの塊云々と言われる方もいるが、その施設の有無が命の分かれ道になることもある。皆様方のご支援を頂きたい。」と挨拶されました。
 
  最後に長野県治水砂防協会の顧問である入江靖長野県建設部長が「先人達が土砂災害を防ぐために百有余年努力してきたが、村井県政としても『安全・安心』がひとつの重要なテーマになっている。砂防堰堤等のハード対策とソフト対策を進めいていきたい。協会としても協力をお願いしたい。」と述べられました。
 
  議事に先立って、長野県砂防事業功労者として、平沢清氏(前飯田建設事務所長)と佐藤千章氏(前土尻川砂防事務所長)が表彰されました。お二人とも長野県職員として永年にわたり砂防事業に従事し、事業推進に尽力されたことが功績として認められたものだということです。おめでとうございます。
 
  総会では昨年度の事業と決算の報告に続き、今年度の事業計画と予算が無事承認されました。更に中村会長が退任されることに伴って役員の改選が行われ、新たな会長として佐々木定男佐久穂町長が選任されました。佐々木新会長は就任に当たり「当協会の発展と砂防事業の一層の発展に全力をあげて努力したい」と抱負を述べられました。
 
  議事、決議の後、森山保全課長と岡本理事長による講演が行われ、第71回通常総会は無事終了しました。
  長野県治水砂防協会の今後ますますのご発展を祈念いたします。
挨拶をされる中村会長
挨拶をされる森山保全課長
総会の様子
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