アルプスSABO NEWS

Date:
2008/10/31
糸魚川市で開催された『2008火山砂防フォーラム』を聴講!!
  平成20年10年30日(木)PM1:00〜PM5:30にかけて糸魚川市にある糸魚川市民会館において『2008火山砂防フォーラム』が開催され当事務所管内での開催であることより聴講してきました。
  日本は、世界有数の火山国でもあり2000年有珠山・三宅島の噴火以降、比較的静穏な状況でありますが、この2つの火山噴火の残した教訓は、日本の火山噴火対策に変化をもたらし、火山防災マップの浸透、県境を越えた広域連携組織が確立してきています。2007年には、気象庁が噴火警戒レベルの導入や国土交通省による火山噴火緊急減災対策砂防計画の策定へとの経験を生かした取り組みが計画されてきています。
  このような中で全国より火山地域の防災担当者並びに地域の方を集めて意見・情報の交換の場として、『火山を知り、火山と共に生きる 〜火山地域の防災力向上に向けて〜」をテーマに開催されました。
  開会式典では、糸魚川市長の主催者挨拶のあと新潟県知事、国土交通省砂防部長中野泰雄氏、北陸地方整備局長吉野清文氏による来賓の挨拶がありました。
  学習成果発表では、糸魚川市上早川小学校5・6年生による住民参加による地域啓発を目的とし、新潟焼山の火山としての特徴や想定される火山災害からの安全確保のために必要な事項等について学習された成果を@「上早川に残る焼山噴火の跡」、A「焼山噴火の歴史」、B「焼山が噴火したらどうなるか」、C「砂防えん堤は本当に土砂を止めるか」の4グループに分かれて取り組んだ成果の発表がありました。
  特別講演では、「火山地域が今、考えること」と題して火山噴火予知連絡会会長、東京大学地震研究所教授の藤井敏嗣氏の講演と「火山情報をどう活かすか」と題してNPO法人防災情報機構会長伊藤和明氏の講演がありました。
  火山噴火予知連絡会会長の講演では、日本の火山活動を支えている大学が独立法人化に伴いノーベル賞をとれるような所に予算を配分するようになり火山活動研究などの地道な活動に対しての予算を減らしていく方向にあり観測体制も縮小の方向である。今の観測体制の維持が必要であるという言葉が印象的でした。
  最後にパネルディスカッションをコーディネーターを山崎登氏(NHK解説委員)、パネリストとして浜田哲氏(美瑛町長)、藤井静男氏(大町町長)、森博幸氏(鹿児島市長)、米田徹氏(糸魚川市長)、コメンテ−タ−として中野泰雄氏(国土交通省砂防部長)、藤井敏嗣氏(火山噴火予知連絡会会長)、北川貞之氏(気象庁地震火山部火山対策官)によりパネルディスカッションがありました。
  議論では、噴火警戒レベルの導入などを踏まえ、これからの火山噴火への備えについて必要な点について、火山地域首長と砂防事業を含む火山防災関係機関において活発な議論を展開されました。
  日本には、火山が108あるが、そのうち観測体制が整っているのは。34しかないそうです。火山噴火予知は、今の技術では難しい。だからと言って何もやらないでいいと言うことではいけない。住民の生命や財産を守るためにも観測体制の強化が必要な事を痛感しました。
  当事務所管内でも活火山”焼岳”を有しており40〜50年に一度の周期で活発な活動、噴火を繰り返しており、しかも焼岳は、昭和37年に噴火以来、約50年経過していることもあり、気象庁、砂防部局、大学、研究機関と情報の共有、連携をしながら監視体制を強化し噴火発生時の緊急体制を確立しなければと思ったフォーラムでありました。火山噴火予知連絡会会長、気象庁火山対策官や火山を有する首長の話は、大変に参考になりました。
『2008火山砂防フォーラム』の開会式典の様子
糸魚川市上早川小学校5・6年生の学習成果発表の様子
パネルディスカッションの様子
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


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