アルプスSABO NEWS

Date:
2008/06/18
フィリピン治水砂防センター研修生一行姫川管内現地視察!
 平成20年6月18日(水)のAM11:00〜PM2:00にかけてフィリピン治水砂防センター研修生一行6名が姫川管内を現地視察されました。視察時間が3時間程度しかなかったことから、源太郎砂防えん堤及び平川渓流再生工(平川)、稗田山大崩壊地及び浦川スーパー暗渠砂防えん堤(浦川)の4箇所しか視察して頂くことができませんでした。
 源太郎砂防えん堤箇所では、今日の白馬村の繁栄の礎となっている基幹えん堤であることを説明すると共に、昭和47年〜平成2年までの間に平川で実施してきた砂防施設の整備により平川の左右岸に別荘地や住宅街が造られるようになり発展したことを昭和35年と平成11年の平川流域写真で説明しました。
 また、昭和49年〜平成2年までの4期16年にわたり白馬村長を務められた横沢裕氏が白馬村の発展の歴史を見たとき、たえず村の発展の前に前に砂防事業が進められてきたことを忘れてはいけないという意味を込めて、口にされていた言葉「はじめに砂防ありき」の石碑について説明をしました。
 平川渓流再生事業の一環として昨年7月に完成した矢崎砂防えん堤箇所では、既設砂防えん堤前面に現地採取の巨石を張ると共に勾配を緩くして、魚類等の生息環境の改善、自然環境との調和、親水性の向上を図るため昨年より工事を実施していることを説明しました。
 稗田山大崩壊地箇所では、浦川が姫川流域で最も荒廃が著しい所で、晴天が続いても絶えず崩壊地からの土砂供給があるために浦川が濁っていることを説明しました。また、稗田山の大崩壊は明治44年(1911年)8月8日になんの前ぶれもなく突然大崩壊して約1.5億m3の土砂が崩れ、姫川本川まで達してせき止め湖を形成し、やがて決壊して下流域に大被害をもたらしたことを説明しました。
 視察最後となる浦川スーパー暗渠砂防えん堤箇所では計画規模を上回る土石流に対しても効果が発揮できるように建設されていること、貯砂量約100万m3であること、暗渠部が半径4m×4箇所あること、眼鏡橋的なシビックデザインを導入していることなどを説明しました。
 研修生の方からは、平川渓流再生事業のすばらしさ、スーパー大暗渠砂防えん堤が完成してから現在までに土石流が発生で満砂になったことがあるか、満砂になった場合の対応等について質問を受け、完成してから現在まで満砂したことがない、もし満砂した場合は排砂することを説明しました。
 今回現地視察に来られた方のうち外国人の方は3名(フィリピン、イラン、ブータン)で、その内2名の方は日本語を流ちょうに話される方でしたので説明する側として大変助かりました。今回視察された箇所のうち、一つでも母国で活かして頂ける内容のものがあれば幸いです。
 
渓流再生工が実施された矢崎砂防えん堤視察の様子
稗田山大崩壊地視察の様子
浦川スーパー暗渠えん堤視察の様子
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


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