アルプスSABO NEWS

Date:
2008/06/04
荒廃地から砂防事業によって緑豊かに樹木が復元した牛伏川を現地視察!!
  平成20年6月4日(水)の午後に第26回全国大会である土砂災害防止推進の集いに来所された国土交通省砂防部長と今から120数年前に内務省で実施され荒廃地から砂防事業の効果により緑豊かなに回復している牛伏川の現地を見てきました。
  牛伏川は、江戸時代の安永年間のころまで上流部一体は、うっそうたる大森林であった。しかし、江戸時代の元治年間から明治の初年には、濫伐、山火事により上流部は、茫々たる荒廃地と化していました。
  この為、明治18年には、内務省が直轄事業として砂防事業に着手した。その後、明治31年に砂防事業が国庫補助県事業として引き継がれ、大正5年にフランス式階段流路工に着手し大正7年に第一期計画の砂防事業が完成した。この間に荒廃地を緑豊かな地域とするために裸地となった山腹にアカマツやヒメヤシャブシを導入して、積苗工、苗木の植え付けなどの山腹工も実施し緑の山に回復させました。
  明治18年に内務省で着手してから現在、123年ほど経過していますが、石を一つ一つ積んだり張ったりした、それぞれの砂防施設が今でもに効果を立派に発揮して樹林がうっそうと繁茂し、荒廃地から緑豊かな地となって土砂流出や崩壊もない安定した山腹に変化している現状を見て先人の皆さんのご苦労に対して感銘を覚えずにはいれませんでした。
  古き時代には、牛伏川を含む上流域の荒廃により下流の新潟港までも流出した土砂により舟運にも影響すると言うことで新潟県議会で意見書を採択して時の安達内務大臣に信濃川上流域の砂防事業を直轄で実施するよう要望もされています。
  一度、歴史を振り返り禿山から見事に緑豊かな流域となり人々のレクリェーションの場としても利用されている牛伏川に行って120年以上も経って今も立派に効果を発揮している歴史的な砂防施設をご覧下さい。



明治時代に荒廃していた牛伏川流域の状況
フランス式階段工の現在の様子
明治時代に施工された第2号石えん堤の様子
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


アルプスSABO NEWS一覧へもどる