アルプスSABO NEWS

Date:
2007/11/13
新潟県内の報道機関を対象に姫川流域を現地案内!!
 平成19年11月9日(金)PM0:30〜PM3:30にかけて北陸地方整備局の企画部長、広報公聴対策官と松本砂防事務所において新潟県内にある報道機関を対象に明治44年に大崩壊を起こした爪あとが残る稗田山のある浦川や松川、平川、蒲原沢、大所川などを説明・案内しました。
  今も直、降雨のたびに土砂流出を続けて崩壊の著しい浦川の稗田山は、明治44年(1911年)の崩壊は、膨大な土砂が浦川を一瞬にして埋め尽くし、稗田山はその北半分を失って原形を留めないほどだったと言います。
  さらに、この土砂は大音響とともに下流に流れだし、田畑や人家、そして尊い多くの人命までも奪い、死者23人、流出家屋26戸、浸水家屋47戸の大惨事となりました。さらに危険なことに、堰き止められた川の水はその後「長瀬湖」という湖になり、どんどん姫川の水を溜めていきました。そして、周囲の住民たちが心配した通り、長瀬湖の土砂が決壊し、その土石流が、またもや集落を襲い多くの家や田畑を飲み込んでしまったと言われています。
  この崩壊後、浦川は、約100年経過しています。しかし、現在も洪水の度に土石流が発生し流出してきています。この下流へ一気に流下する土砂を抑制して下流域となる新潟県の糸魚川市などの安全を護るために整備を進めている砂防堰堤や山腹工の様子などを北陸地方整備局のほくりく号による上空からと車での陸上と両方から、つぶさに見て頂きました。
  ほくりく号からは、浦川のほかに平成7年7月の梅雨前線による集中豪雨により土砂流出を受けて姫川本川での河床が平均約10mも上昇し、大被害を受けたとされる糸魚川市、小谷村での被害の状況などを説明しました。
  又、その土砂流出の生産源となってた大所川、浦川、松川、平川などの崩壊状況や昭和37年度より直轄砂防事業を開始し整備も進んでいたことより平成7年7月の集中豪雨においては、糸魚川市、小谷村が大被害を受けたにも関わらず白馬村においては、砂防施設が効果を発揮し被害が少なかったことなども説明し、姫川流域の治水対策においては、流水を対象とした河川事業と流出土砂を抑制・コントロ−ルする砂防事業との総合的な土砂管理計画の必要性を説明しました。
  今後も、このように地域の安全・安心できる地域づくりには、生活圏となる下流域ばかりでなく人知れず実施している山間部での砂防事業の必要性について報道機関や住民の皆さんを含めて説明する機会を作っていきたいと考えています。
上空から広域的に崩壊状況などを見た『ほくりく号』
今も稗田山の大崩壊の爪後の残る浦川・唐松沢の崩壊状況
H7.7月洪水で河床上昇が著しかった姫川本川と大所川合流点
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


アルプスSABO NEWS一覧へもどる