アルプスSABO NEWS

Date:
2007/10/22
天竜川上流・飯島いいものつくろう会の皆さんが管内の現場を見学!!
  平成19年10月18日(木)から15日(金)国土交通省中部地方整備局天竜川上流河川事務所飯島砂防出張所の工事を受注している現場代理人や技術者の皆さんで構成される飯島いいものつくろう会の約20名が松本砂防事務所管内の砂防工事や砂防施設などについて見学されました。
  飯島いいものつくろう会の皆さんと、道の駅「風穴の里」で合流し、最初に上高地の有形登録文化財に指定されている釜ヶ渕砂防えん堤の補修箇所や焼岳の火山対策としての砂防施設、五千尺砂防えん堤箇所などを見てもらいました。
  上高地は、3,000m級の北アルプスに囲まれ焼岳など火山性噴出物の堆積した脆弱な地質な上に多雨多雪、とも相成って一気に流出土砂が流下し、大正4年に焼岳の噴火によって形成された大正池も現在では、面積が1/4、水深が1/3に減少するほど流出土砂が多いため、この優美な自然環境を維持、持続していくためには砂防事業などの流出土砂の抑制や上高地全体が氾濫域とならないよう流路の固定や堆積している不安定土砂の再移動防止対策の必要性などについて説明しました。
  又、上高地は、国有林野内でしかも中部山岳国立公園の特別保護地区(昭和9年)、文化庁の特別名勝・特別天然記念物(昭和3年)となって年間150万人強の観光客が自然環境を楽しみに訪れることより、工事に当たっては、他官庁と綿密な協議が必要な上に観光客や登山者のいなくなる閉山を待っての観光シズ−ンを避けて厳冬期となる気温-25℃、積雪2.0m弱という厳しい気象条件の中で実施している説明や苦労などを説明しました。
  その後、姫川流域の平川に移動し景観形成推進事業費で実施した平川渓再生工の魚道工、白馬村の元村長がよく口にして言っていた「はじめに砂防ありき」の石碑のある源太郎砂防えん堤も案内し、砂防技術者として地域発展には無くてはならない事業として地域の方に感謝される事業をお互い実施していく事を確認しました。
  又、松川にも行き中部山岳国立公園の特別保護地区に指定され、白馬大雪渓への入山口で損傷が著しく工事を実施している北股第2号砂防えん堤補強と松川第19・20号床固工の現場を案内しました。
  特に北股第2号砂防えん堤補強では、環境に配慮し、発動発電機を使用しての水替の潜水ポンプをサイホンの原理を利用してのエコポンプの使用によるNoxやCo2の削減の実施方法やバイオトイレの使用など写真を撮りながら熱心に見学されました。
  今回、見学された皆さんが現場に戻られ参考になることがあれば天竜川上流河川事務所管内でも取り入れて頂き地域が安全で安心できる美しい砂防施設として後世においても喜んで貰える立派な施設を施工して頂きたいものだと感じました。
焼岳と大正池の成り立ちの説明を聞く皆さん
焼岳監督官詰め所で土石流ビデオなどで流域の状況説明
環境に配慮したエコポンプの説明を聞く皆さん
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


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