昨年8月11日(木)に発生した白馬大雪渓崩落の際は、関係機関と合同で上空からの視察を行い、再度の崩壊の拡大や新規の崩壊は予測しがたいとの所見を得ました。
今後、平成18年度の登山シーズンを迎えるにあたり、昨年の崩落箇所を上空から状況把握する為、松本砂防事務所では、信州大学名誉教授の北澤秋司先生をはじめ関係機関と合同で、ヘリコプターによる上空からの視察を実施しました。
この視察後に、北澤先生から所見をいただいております。
これを受け、白馬村では5月27日(土)の白馬岳開山祭後の対応は、当面従来どおりの雪上歩行とし、融雪が進み崩落土砂が露呈したのちに、松本砂防事務所と共同で、崩落土砂の監視体制を検討することを予定しています。
1.視察実施日 平成18年5月18日(木)午前
2.視察メンバー 信州大学名誉教授 北澤 秋司 先生
白馬村、長野県砂防チーム、中信森林管理署、松本砂防事務所
3.北澤先生の所見
現地ヘリ視察後の北澤秋司先生(信州大学名誉教授)のコメント
<H17.8白馬岳土砂崩落現場のヘリ調査結果>
[崩落現場状況]
昨年8月に崩落した斜面は、現在のところ安定状態を保っているように見え、拡大してはいない。凍結・融解に伴う崩壊は発生していない。また、他の斜面の崩壊も見あたらない。昨年コメントしたように、大規模な崩壊は頻繁には発生しないと考えられるが、再度の崩壊の拡大や新たな崩壊を予知することは非常に困難である。
一方、崩落した土砂は雪渓の上にあり、今冬の積雪により、その全てが外観できる状態にない。積雪の下にあることから、これから夏にかけて融雪が進み、土砂が露呈したのちに、再度現地を確認する必要がある。
[対応策]
崩落して雪渓上に堆積した土砂が融雪により露呈しない限り、これによる影響は無いものと考えられるため、当面、雪上の歩行は従来どおりで良いのではないか。
登山者への安全対策については、融雪が進み、崩落土砂が露呈したのちに、土砂流出の注意喚起を行う必要がある。登山関係者からこれを行うこととしてはどうか。崩落土砂の監視体制については融雪後検討が必要になってくるものと考える。
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