
大町市平区野口久保の高瀬川のほとりに小さなほこらがあります。
むかし、ある年の夏のこと、高瀬川に大水が出て、久保は大きな被害をうけようとしました。この時、久保の大蔵という人が飼っていた牛を村のちょうど良い所へうめて、神さまに水害をよけていただくように祈りました。すると神さまの力があらわれて、すぐに川の流れが変わり、災害をまぬがれることができました。そこで大蔵は、名主にお願いしてこの牛の霊を神さまとしてまつりました。これが、ばんごんさまです。
それから後、ばんごんさまが水害よけの神さまとされ、また水害よけに牛をうめることもありました。
ばんごんさまのお宮は、むかしはだいぶ大きかったそうですが、明治のはじめに神明さまといっしょにまつられるようになり、野口神社の西に移されました。現在、高瀬川のほとりには、ほんのしるしばかりの小さいほこらだけが残っています。
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