標高1500mあたりに広がる上高地は、その美しい景観で全国的に知られ、年間百数十万人もの観光客が訪れる場所だ。ここは国立公園特別保護区にされ、ゆたかな大自然の中でいろいろな動物が生息し、植物が生えているよ。山や林、川原を歩いて、上高地で見られる生きものたちの生活ぶりをウォッチングしてみよう。
種類 見られる所
イワナ
ブラウントラウト
カワマス
全域
田代湿原から大正池まで
田代湿原周辺
チョウ オオイチモンジ
コヒオドシ
コムラサキ
ヒメシジミ
アサギマダラ
ヒメキマダラヒゲ
コヒョウモン
川岸
全域
川原
川原
林や草原
林や草原
林や草原
カワガラス
マガモ
キセキレイ
ヤマセミ
ヒガラ
エゾムシクイ
アオジ
カケス
ウグイス
アカゲラ
ルリビタキ
アカハラ
水辺
水辺
水辺
水辺
川沿いの林
川沿いの林
川沿いの林
川沿いの林
川沿いの林
川沿いの林
川沿いの林
川沿いの林
トンボ ルリイトトンボ
ホソミモリトンボ
田代湿原
田代湿原


 高い山々にかこまれて、他の地域とはかけはなれた場所だった上高地も、今では舗装された道路が通じ、たくさんの人が自動車などでやってくるようになった。そして、人だけでなく、動物や植物も以前は見られなかったものがふえているんだ。
 たとえば魚はイワナくらいしかいなかったのが、放流により北米生まれのカワマスやブラウントラウト、他にもヤマメ、ニジマスなどが見られるようになったし、植物にしても外国から入って来た帰化植物のセイヨウタンポポやヒメジョオン、また人や車がよく通る道路ぎわに生えるオオバコなどが見られるようになった。こうした外からの侵入者たちが繁殖していくと、上高地特有の生物たちの生態系が変わってしまうから心配だね。
【ケショウヤナギ ミニ知識】
・朝鮮からシベリア、樺太、カムチャッカの日本海に分布
・日本では北海道や上高地付近などに分布
・若い幹は化粧をしたように白いことから、この名前がついた(写真1)
・先端の細い枝は赤く、葉の落ちる冬は見つけやすい(写真2)
・種子の寿命が短く、流れの急な所には育ちにくく、浅瀬がつづくような所に生える(写真3)

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